3 / 10
人質って性奴隷なの?
しおりを挟む
オーブリーがメイドとして王宮では働いているなか、12人の王女様達は贅沢三昧だった。
王も王妃も側妃たちも、いつも服をあつらえ、宝石を購入し、美食を堪能していた。
国を守る騎士達も平和ぼけしていて、剣の技術の鍛錬どころかかわいいメイドたちを追いかけ回すのに忙しそうだった。
オーブリーが16歳になったある日、隣国のマリーベルン帝国から宣戦の布告がなされた。
「まずいぞ!戦争なんてしたら負けるにきまっている。ここは平和の交渉として王女の一人を妃にと差しだそうか?」
王は顔を曇らせて正妃に相談した。
「嫌ですよ!私の三人の姫は絶対に選んではいけません!マリーベルンの皇帝は残虐無比と聞いております。大層、美しいけれど魔王のように冷たく、恐ろしい男だとか‥‥」
正妃は首を振りながら王に懇願した。
「私の二人の姫も嫌です。あぁ、こういうときに、いい王女様がいるではありませんか?オーブリーを差し出しましょう。あんな子は人質として隣国に行ってしまえばいいのです!」側妃の一人が言うと、
「あぁ、とてもいいお考えですわ!」
口々に他の側妃たちが賛成するので、すっかりその方向で話がまとまってしまった。
ー☆ー☆ー☆ー☆
私は、はじめて王の謁見の間に呼び出された。
「オーブリーよ、すっかり美しく成長したな。大事な美しい姫には大任が与えられる。栄誉だと思うがいい!隣国のマリーベルンに人質として行くように!」
「人実‥‥?私がですか?メイドなのに?」
「何を言う?お前は13番目の大事な王女ではないか!我が国の命運を背負っていくのだ。どんな扱いをうけてもこの国に戻ってきてはいけない!わかったな?話は以上だ」
はじめて会う私の父親のはずの王様はそっけなくおっしゃって、すぐに退席されてしまった。
私が大事な王女なんて言われても、笑うしかないし、人質ってなにをするものなのかもわからない‥‥
「オーブリー、もうあなたの美しい姿が見られないのは残念だわぁーーせいぜい、その容姿を有効活用するのね」
第三王女は私に薄く笑って言った。
「大丈夫よ?あなたは素晴らしく綺麗だから、その身体を売って隣国でも安全に生きていけるわよ」
第一王女が言う言葉に、他の王女たちがどっと笑った。
私はこうして隣国に行くことになったのだった。
王も王妃も側妃たちも、いつも服をあつらえ、宝石を購入し、美食を堪能していた。
国を守る騎士達も平和ぼけしていて、剣の技術の鍛錬どころかかわいいメイドたちを追いかけ回すのに忙しそうだった。
オーブリーが16歳になったある日、隣国のマリーベルン帝国から宣戦の布告がなされた。
「まずいぞ!戦争なんてしたら負けるにきまっている。ここは平和の交渉として王女の一人を妃にと差しだそうか?」
王は顔を曇らせて正妃に相談した。
「嫌ですよ!私の三人の姫は絶対に選んではいけません!マリーベルンの皇帝は残虐無比と聞いております。大層、美しいけれど魔王のように冷たく、恐ろしい男だとか‥‥」
正妃は首を振りながら王に懇願した。
「私の二人の姫も嫌です。あぁ、こういうときに、いい王女様がいるではありませんか?オーブリーを差し出しましょう。あんな子は人質として隣国に行ってしまえばいいのです!」側妃の一人が言うと、
「あぁ、とてもいいお考えですわ!」
口々に他の側妃たちが賛成するので、すっかりその方向で話がまとまってしまった。
ー☆ー☆ー☆ー☆
私は、はじめて王の謁見の間に呼び出された。
「オーブリーよ、すっかり美しく成長したな。大事な美しい姫には大任が与えられる。栄誉だと思うがいい!隣国のマリーベルンに人質として行くように!」
「人実‥‥?私がですか?メイドなのに?」
「何を言う?お前は13番目の大事な王女ではないか!我が国の命運を背負っていくのだ。どんな扱いをうけてもこの国に戻ってきてはいけない!わかったな?話は以上だ」
はじめて会う私の父親のはずの王様はそっけなくおっしゃって、すぐに退席されてしまった。
私が大事な王女なんて言われても、笑うしかないし、人質ってなにをするものなのかもわからない‥‥
「オーブリー、もうあなたの美しい姿が見られないのは残念だわぁーーせいぜい、その容姿を有効活用するのね」
第三王女は私に薄く笑って言った。
「大丈夫よ?あなたは素晴らしく綺麗だから、その身体を売って隣国でも安全に生きていけるわよ」
第一王女が言う言葉に、他の王女たちがどっと笑った。
私はこうして隣国に行くことになったのだった。
2
お気に入りに追加
1,426
あなたにおすすめの小説
慰み者の姫は新皇帝に溺愛される
苺野 あん
恋愛
小国の王女フォセットは、貢物として帝国の皇帝に差し出された。
皇帝は齢六十の老人で、十八歳になったばかりのフォセットは慰み者として弄ばれるはずだった。
ところが呼ばれた寝室にいたのは若き新皇帝で、フォセットは花嫁として迎えられることになる。
早速、二人の初夜が始まった。
【完結】冷酷眼鏡とウワサされる副騎士団長様が、一直線に溺愛してきますっ!
楠結衣
恋愛
触ると人の心の声が聞こえてしまう聖女リリアンは、冷酷と噂の副騎士団長のアルバート様に触ってしまう。
(リリアン嬢、かわいい……。耳も小さくて、かわいい。リリアン嬢の耳、舐めたら甘そうだな……いや寧ろ齧りたい……)
遠くで見かけるだけだったアルバート様の思わぬ声にリリアンは激しく動揺してしまう。きっと聞き間違えだったと結論付けた筈が、聖女の試験で必須な魔物についてアルバート様から勉強を教わることに──!
(かわいい、好きです、愛してます)
(誰にも見せたくない。執務室から出さなくてもいいですよね?)
二人きりの勉強会。アルバート様に触らないように気をつけているのに、リリアンのうっかりで毎回触れられてしまう。甘すぎる声にリリアンのドキドキが止まらない!
ところが、ある日、リリアンはアルバート様の声にうっかり反応してしまう。
(まさか。もしかして、心の声が聞こえている?)
リリアンの秘密を知ったアルバート様はどうなる?
二人の恋の結末はどうなっちゃうの?!
心の声が聞こえる聖女リリアンと変態あまあまな声がダダ漏れなアルバート様の、甘すぎるハッピーエンドラブストーリー。
✳︎表紙イラストは、さらさらしるな。様の作品です。
✳︎小説家になろうにも投稿しています♪
王女、騎士と結婚させられイかされまくる
ぺこ
恋愛
髪の色と出自から差別されてきた騎士さまにベタ惚れされて愛されまくる王女のお話。
性描写激しめですが、甘々の溺愛です。
※原文(♡乱舞淫語まみれバージョン)はpixivの方で見られます。
【R-18】悪役令嬢ですが、罠に嵌まって張型つき木馬に跨がる事になりました!
臣桜
恋愛
悪役令嬢エトラは、王女と聖女とお茶会をしたあと、真っ白な空間にいた。
そこには張型のついた木馬があり『ご自由に跨がってください。絶頂すれば元の世界に戻れます』の文字が……。
※ムーンライトノベルズ様にも重複投稿しています
※表紙はニジジャーニーで生成しました
【完結】王子妃になりたくないと願ったら純潔を散らされました
ユユ
恋愛
毎夜天使が私を犯す。
それは王家から婚約の打診があったときから
始まった。
体の弱い父を領地で支えながら暮らす母。
2人は私の異変に気付くこともない。
こんなこと誰にも言えない。
彼の支配から逃れなくてはならないのに
侯爵家のキングは私を放さない。
* 作り話です
つがいの皇帝に溺愛される幼い皇女の至福
ゆきむら さり
恋愛
稚拙な私の作品をHOTランキング(7/1)に入れて頂き、ありがとうございます✨読んで下さる皆様のおかげです🧡
〔あらすじ〕📝強大な魔帝国を治める時の皇帝オーブリー。壮年期を迎えても皇后を迎えない彼には、幼少期より憧れを抱く美しい人がいる。その美しい人の産んだ幼な姫が、自身のつがいだと本能的に悟る皇帝オーブリーは、外の世界に憧れを抱くその幼な姫の皇女ベハティを魔帝国へと招待することに……。
完結した【堕ちた御子姫は帝国に囚われる】のスピンオフ。前作の登場人物達の子供達のお話。加えて、前作の登場人物達のその後も書かれておりますので、気になる方は、是非ご一読下さい🤗
ゆるふわで甘いお話し。溺愛。ハピエン🩷
※設定などは独自の世界観でご都合主義となります。
◇稚拙な私の作品📝にお付き合い頂き、本当にありがとうございます🧡
【完結】【R18】伯爵夫人の務めだと、甘い夜に堕とされています。
水樹風
恋愛
とある事情から、近衛騎士団々長レイナート・ワーリン伯爵の後妻となったエルシャ。
十六歳年上の彼とは形だけの夫婦のはずだった。それでも『家族』として大切にしてもらい、伯爵家の女主人として役目を果たしていた彼女。
だが結婚三年目。ワーリン伯爵家を揺るがす事件が起こる。そして……。
白い結婚をしたはずのエルシャは、伯爵夫人として一番大事な役目を果たさなければならなくなったのだ。
「エルシャ、いいかい?」
「はい、レイ様……」
それは堪らなく、甘い夜──。
* 世界観はあくまで創作です。
* 全12話
【R18】殿下!そこは舐めてイイところじゃありません! 〜悪役令嬢に転生したけど元潔癖症の王子に溺愛されてます〜
茅野ガク
恋愛
予想外に起きたイベントでなんとか王太子を救おうとしたら、彼に執着されることになった悪役令嬢の話。
☆他サイトにも投稿しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる