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9 あたしだけが悪いの?(ピンクナ視点)
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ピンクナ視点
私はスワンがそんなに身分の高い方だとは知らなかった。てっきり自分の方が身分が高いと思っていたし容姿も良いと思い込んでいた。
それなのにスワンはドラモンド帝国皇帝の姪でカートレット大公の一人娘だと言う。しかもあたしより数段美しい。これじゃぁ全然勝ち目は無い。チャーリー王子殿下は諦めてこの皇帝の息子ジョシュア様に取り入った方が全然得だと気付いた。
チャーリー王子殿下は今からスワンに返して、このジョシュア皇子様を私がもらえばちょうどいい。でもジョシュア様は冷たかった。
「この私に気安く触るのはやめてくれくれないか? 君はチャーリー王子殿下が好きなはずだ。そのような浮ついた女が私は1番嫌いなんだよ」
ジョシュア様の真っ赤な瞳が怒りの為になお一層赤く燃え上がった。怒られてはいてもその瞳の美しさにあたしはぼーっとしてしまう。
「アホヤネ侯爵令嬢、君は私の娘の婚約者を奪ったわけだからそれなりの覚悟ができいるのだろう?」
カートレット大公があたしに詰問してくる。
「覚悟ですか? だってチャーリー王子殿下が私を好きになっただけの話ですから、それは私の責任ではありません。私はただ可愛いだけなんですから」
「わかった、わかった。君では話にならないことがよくわかったよ。さて父親のアホヤネ侯爵はどう思っているんだね? これは由々しき問題だと思うが」
「もちろんでございます。この娘は当家には何の関わり合いもありません。親子の縁を切りアホヤネ侯爵家から追放いたします。またスワン様におかけした迷惑料として当家からそれ相応の金額をお支払いいたしますのでどうかご勘弁のほどをお願いいたします」
お父様はあろうことか、私を家から追い出し親子の縁を切るとまで言っている。そんなことになったら私はどうやって生きていけばいいのかわからない。
「父親からお金をもらう事は私としては納得がいかない。その娘はもう大人だ。本人に責任を取らせるべきだろう。ピンクナと言ったな?自ら働くことなくして自分の責任は取れない。一度苦労してみなさい」
スワンの父親は偉そうにそう言ってきたのだった。
•*¨*•.¸¸☆
アホヤネ侯爵家に戻るとお父様は私をさらに殴った。
「ほんとに大変なことをしてくれたなぁ! このバカが」
「そうだぞ! こんな妹を持って俺は不幸だ。このアホヤネ侯爵家に何かあったら全てお前の責任だからな」
優しかったお兄様は目を釣り上げて私をにらんだ。
「ほんとに出来損ないなのね。なぜもっとうまくやれなかったのよ!そのような娘はアホヤネ侯爵家の娘ではありませんよ」
お母様は私の足を銀製の定規で叩いた。
あたしは幼い頃から両親やお兄様に言われていたことがある。
「アホヤネ侯爵家は家柄もよく王太子妃を何名も輩出してきた名門だ。しかしこのところはそういった栄誉を賜ることがはめっきり少なくなった。今こそお前がその幸運を掴み取るのだ」
そんなふうに日々聞かされて育ったあたしがスワンを陥れて王太子妃になろうとしたのはあたしだけの責任なの?
私はスワンがそんなに身分の高い方だとは知らなかった。てっきり自分の方が身分が高いと思っていたし容姿も良いと思い込んでいた。
それなのにスワンはドラモンド帝国皇帝の姪でカートレット大公の一人娘だと言う。しかもあたしより数段美しい。これじゃぁ全然勝ち目は無い。チャーリー王子殿下は諦めてこの皇帝の息子ジョシュア様に取り入った方が全然得だと気付いた。
チャーリー王子殿下は今からスワンに返して、このジョシュア皇子様を私がもらえばちょうどいい。でもジョシュア様は冷たかった。
「この私に気安く触るのはやめてくれくれないか? 君はチャーリー王子殿下が好きなはずだ。そのような浮ついた女が私は1番嫌いなんだよ」
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カートレット大公があたしに詰問してくる。
「覚悟ですか? だってチャーリー王子殿下が私を好きになっただけの話ですから、それは私の責任ではありません。私はただ可愛いだけなんですから」
「わかった、わかった。君では話にならないことがよくわかったよ。さて父親のアホヤネ侯爵はどう思っているんだね? これは由々しき問題だと思うが」
「もちろんでございます。この娘は当家には何の関わり合いもありません。親子の縁を切りアホヤネ侯爵家から追放いたします。またスワン様におかけした迷惑料として当家からそれ相応の金額をお支払いいたしますのでどうかご勘弁のほどをお願いいたします」
お父様はあろうことか、私を家から追い出し親子の縁を切るとまで言っている。そんなことになったら私はどうやって生きていけばいいのかわからない。
「父親からお金をもらう事は私としては納得がいかない。その娘はもう大人だ。本人に責任を取らせるべきだろう。ピンクナと言ったな?自ら働くことなくして自分の責任は取れない。一度苦労してみなさい」
スワンの父親は偉そうにそう言ってきたのだった。
•*¨*•.¸¸☆
アホヤネ侯爵家に戻るとお父様は私をさらに殴った。
「ほんとに大変なことをしてくれたなぁ! このバカが」
「そうだぞ! こんな妹を持って俺は不幸だ。このアホヤネ侯爵家に何かあったら全てお前の責任だからな」
優しかったお兄様は目を釣り上げて私をにらんだ。
「ほんとに出来損ないなのね。なぜもっとうまくやれなかったのよ!そのような娘はアホヤネ侯爵家の娘ではありませんよ」
お母様は私の足を銀製の定規で叩いた。
あたしは幼い頃から両親やお兄様に言われていたことがある。
「アホヤネ侯爵家は家柄もよく王太子妃を何名も輩出してきた名門だ。しかしこのところはそういった栄誉を賜ることがはめっきり少なくなった。今こそお前がその幸運を掴み取るのだ」
そんなふうに日々聞かされて育ったあたしがスワンを陥れて王太子妃になろうとしたのはあたしだけの責任なの?
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