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3 カサンドラは実は動物が嫌い

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「まさか・・・・・・隠れて飼ってはいけないけれど、この傷をきっと治そうとしていたのでしょう。規則違反ですがこの場合は咎めませんよ」
レナル寮長がそう言ったが私は否定した。

「保護したんじゃないですね。この前、見た時は方足しか怪我をしていなかった。あれから、傷が増えている・・・・・・やったのはカサンドラしか考えられないでしょうね・・・・・・」


*:゚+。.☆.+*✩⡱:゚



私は、マリーアンに会いに行った。半年前にマリーアンが犬を拾ったこところを見ていたのを告げた。

「貴女が拾った子犬をなぜカサンドラが飼っているの?」

「それは言えません」

「あの犬は死にそうだったよ。多分、カサンドラはろくに世話もせず、叩いたのだと思う」

マリーアンは泣き出した。

「あの子犬を、どうか私に返してください! 内緒でお散歩させているところを見つかってしまって・・・・・・取り上げられてしまったのです。保健所に通報すると脅されて抵抗できませんでした」

「もしかして、私に話しかけてきたのは?」

「はい、子犬のことを相談したくて。カサンドラ様も婚約者になったライザック様のおっしゃることなら耳を傾けてくださるかなと思いまして・・・・・・子犬には、なんの罪もないでしょう? カサンドラ様は動物が大嫌いとおっしゃっていました」

「なんで、子犬を奪われてすぐにそれを私に言わなかったの? 私達は、その頃はまだ婚約者同士だったろう?」

「私はオレゴン候爵家の三女ですよ?オレゴン候爵領では昨年、不作が続き小麦をマリモ公爵様の領地から良心的な値段で買わせていただいています。カサンドラ様はマリモ公爵家の長女ではありませんか。その時は、アイザック様に相談して、カサンドラ様を怒らせたくありませんでした。」

「マリーアン。プレミアム公爵家はマリモ公爵家の5倍の領地をもつ筆頭公爵家だ。貴女は、私に最初に泣きつくべきだった。そんなに私が好きになれないかい?」

「え?なんのことですか?」

「だって、君は私といると、とてもつまらなそうだった」

「私、大好きな方といると緊張して顔がこわばってしまう癖があるんです・・・・・・あと、いつもお母様から高位貴族は感情をあらわにしてはいけません!と教えられていたので・・・・・・婚約解消をしようと言われた時には・・・・・・とても、悲しかったです」

「犬は大嫌いだと、とても怖い顔をしていたが、なぜ、あんなことを言ったの?」

「あ、あれは・・・・・・その時に・・・・・・つい、私の子犬を奪ってしまったカサンドラ様の顔を思い浮かべてしまって・・・・・・もうしわけありません」

「あっはは。じゃぁ、少しカサンドラを懲らしめてやろうか」
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