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5 エマーソンの画策
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先代のオマリ伯爵が亡くなり一人娘のアーソリン様が女公爵になってから、オクタビア様が領地の屋敷に愛人を囲うようになった。アーソリン様は、気づきながらもオクタビア様に強く言えない性格なのだ。
それをいいことに、領地でかなりのお金を使い愛人と遊び歩いていたオクタビア様だ。しかし、オクタビア様を愛しているアーソリン様に、そのままの報告はしづらく、控えめに言うだけに留めた。
王都の屋敷にエイヴリー様と住まい精力的に仕事をこなしていたアーソリン様なのだが、体調を崩されてからは寝込むことが多くなり、オクタビア様は見舞いにも来なかった。あれほど健康だったアーソリン様はみるみる痩せ細り、息をするのもやっとになっていく。医者に見せても、一向に良くはならなかった。
まさか、毒? 医者でも気がつかないほどに遅効性の弱い毒を、毎日飲ませることができるとしたら可能だが、ここの使用人にアーソリン様を裏切る人物がいるだろうか?
私は、前オマリ伯爵様からの信頼に応えるべき、水面下で動きはじめた。オクタビア様が乗り込んできてから、王家の文官に相談をすると、オマリ家で行われていることを全て記すように言われた。
「怪しい者どもが、オマリ家を乗っ取りきったと慢心したところで追い詰めるのが一番いいだろうね。ばかな奴らだから、自分達の計画が上手くいくと思い込んでいるのだろう? 爵位は全く血が繋がっていない者は継げないのが原則だ。最も、エイヴリー様が自ら嫁入りし、爵位を愛人の娘に譲るというのを国王陛下がお許しになられたら別だが」
オクタビア様なら、なんでもしそうで怖かった。もしかしたらエイヴリー様を亡き者にして、ヴァネッサ様を替え玉に据えることさえしそうな気がする。
それだけは、させるわけにはいかない。エイヴリー様は私がお守りしなくては・・・・・・
だが、悪魔のようなオクタビア様は『連帯責任』などと言い出したのだ・・・・・・あそこまで邪悪な者とは思わなかった・・・・・・このままでは、だれか助けてくださるような方はいないかと悩んだ。
オマリ伯爵家の一族は数年前に流行した病でおおかた亡くなっているし、誰も思い浮かばない。だからこそ、オクタビア様も不埒な行いができたわけだが。
ただ、一人、エイヴリー様の初恋の相手・・・・・・あの方なら
私は隣国に留学なさっているクラーク・キナン伯爵に使者を向かわせた。私の今までの記録と見解、エイヴリー様がオマリ家で受けている仕打ちについて全てをしたため、その者にもたせたのだ。
クラーク様は、キナン伯爵家の嫡男で当主夫妻亡き後は爵位を継がれて、隣国に留学をしている秀才だった。クラーク様の弟のカーク様は、見栄えは良いが中身は残念な方なのに比べ、クラーク様は男前も中身もさらに上をいく人物だった。
☆彡★彡☆彡
戻ってきた使者のその手紙に、私は喜びの涙を流した。
三ヶ月後に帰国するまで、そいつらを泳がせておけばよい。
必ず、救いだす。
そして、若い侍女もその手紙とともにやってきたのだった。
「今日から、エイヴリー様の専属侍女になりますラベンダーと申します」
仕込みは充分だ・・・・・・さぁ、オクタビア様よ、思う存分醜悪な正体を現せ・・・・・
それをいいことに、領地でかなりのお金を使い愛人と遊び歩いていたオクタビア様だ。しかし、オクタビア様を愛しているアーソリン様に、そのままの報告はしづらく、控えめに言うだけに留めた。
王都の屋敷にエイヴリー様と住まい精力的に仕事をこなしていたアーソリン様なのだが、体調を崩されてからは寝込むことが多くなり、オクタビア様は見舞いにも来なかった。あれほど健康だったアーソリン様はみるみる痩せ細り、息をするのもやっとになっていく。医者に見せても、一向に良くはならなかった。
まさか、毒? 医者でも気がつかないほどに遅効性の弱い毒を、毎日飲ませることができるとしたら可能だが、ここの使用人にアーソリン様を裏切る人物がいるだろうか?
私は、前オマリ伯爵様からの信頼に応えるべき、水面下で動きはじめた。オクタビア様が乗り込んできてから、王家の文官に相談をすると、オマリ家で行われていることを全て記すように言われた。
「怪しい者どもが、オマリ家を乗っ取りきったと慢心したところで追い詰めるのが一番いいだろうね。ばかな奴らだから、自分達の計画が上手くいくと思い込んでいるのだろう? 爵位は全く血が繋がっていない者は継げないのが原則だ。最も、エイヴリー様が自ら嫁入りし、爵位を愛人の娘に譲るというのを国王陛下がお許しになられたら別だが」
オクタビア様なら、なんでもしそうで怖かった。もしかしたらエイヴリー様を亡き者にして、ヴァネッサ様を替え玉に据えることさえしそうな気がする。
それだけは、させるわけにはいかない。エイヴリー様は私がお守りしなくては・・・・・・
だが、悪魔のようなオクタビア様は『連帯責任』などと言い出したのだ・・・・・・あそこまで邪悪な者とは思わなかった・・・・・・このままでは、だれか助けてくださるような方はいないかと悩んだ。
オマリ伯爵家の一族は数年前に流行した病でおおかた亡くなっているし、誰も思い浮かばない。だからこそ、オクタビア様も不埒な行いができたわけだが。
ただ、一人、エイヴリー様の初恋の相手・・・・・・あの方なら
私は隣国に留学なさっているクラーク・キナン伯爵に使者を向かわせた。私の今までの記録と見解、エイヴリー様がオマリ家で受けている仕打ちについて全てをしたため、その者にもたせたのだ。
クラーク様は、キナン伯爵家の嫡男で当主夫妻亡き後は爵位を継がれて、隣国に留学をしている秀才だった。クラーク様の弟のカーク様は、見栄えは良いが中身は残念な方なのに比べ、クラーク様は男前も中身もさらに上をいく人物だった。
☆彡★彡☆彡
戻ってきた使者のその手紙に、私は喜びの涙を流した。
三ヶ月後に帰国するまで、そいつらを泳がせておけばよい。
必ず、救いだす。
そして、若い侍女もその手紙とともにやってきたのだった。
「今日から、エイヴリー様の専属侍女になりますラベンダーと申します」
仕込みは充分だ・・・・・・さぁ、オクタビア様よ、思う存分醜悪な正体を現せ・・・・・
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