（完結）王家の血筋の令嬢は路上で孤児のように倒れる

邪魔な女は貢ぎ物にすればいい（オーロラ・メイヴ男爵令嬢視点）

今日、シドニー男爵家に行ったら驚くほどの美貌の若いメイドがいた。

背がすらりと高く均整のとれた身体は優雅な白鳥を思わせた。

加えて、この国では珍しい銀髪にアメジストの瞳。


こんな美しいメイドをグレイソン様のそばにいさせてはいけない。

そうだ！大貴族のウィリアム・ノア公爵が若い娘を探していると聞いたことがある。老公爵は愛人を探していると噂になっていたから間違いない。この娘なら、きっと気に入るわ‥‥

我ながら、頭がいいわ！

私はシドニー男爵家を見張るように、大柄な男を二人呼んだ。メイヴ男爵家の闇の仕事をする者たち。

私はマドレーヌの特徴を説明した。その者を拉致し大貴族のウィリアム・ノア公爵家に届けるように言った。

この時代、下位貴族が上位貴族に貢ぎ物をするのは当たり前だった。特に、平民はモノと同じ。

これで、ノア公爵に気に入られたら、お父様からも褒められるわ。