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妹の婚約者編
3 婚約破棄なんて望んでないよ! (妹の婚約者視点)
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婚約者のセレニティーは、筆頭公爵家のコルト家の一人娘だ。セレニティーは、とても可愛いくて純粋な子だった。
私は、このセレニティーを愛しているわけではなかったが、その地位とかわいらしさは理想的だった。
私自身はリアム公爵家の三男で、いくら優秀でも家督は継げない立場だった。だから、なんとしても、爵位を継ぐ跡取り娘の家に婿入りする必要があったのだ。だいたい、貴族の結婚なんて、こんなものだ。
セレニティーの義理の姉というのも、特に愛しているわけではなかった。
綺麗な女性ではあったが、イザベラ程度の綺麗さなら、貴族の令嬢のなかでは、そう珍しくもなかった。
ただ、これは、スリルと背徳感のあるゲームだった。
婚約者の義理の姉と、秘密の恋なんて、とてもそそるシチュエーションだと思った。
だから、イザベラの誘いに乗った。
「私、実は夫とうまく、いってないのよ・・・・・・相談にのってもらえないかしら?」
そんな言葉は、ちょっと甘い誘いにも聞こえた。
「あぁ、いいさ。私で良ければ、なんなりと・・・・・・」
相談から、恋人同士になるのには、それほど時間はかからなかった。
けれど、これは、あくまでも恋愛ゲームだ。
スリルを味わう禁断のゲームのはずだった・・・・・・
*:゚+。.☆.+*✩⡱:゚
コルト家に呼ばれてお茶をする為に屋敷に向かうと、イザベラもちょうど着いたところだった。
「あらぁ。オースティン、また、会えて嬉しいわ。ちょっと、私のお部屋でお話をしましょう?」
ふふふ。悪い義理の姉だな。イザベラはセレニティーのお陰で、コルト家の娘として伯爵家の嫡男に嫁げたくせに、恩を仇で返す事ができる悪女なのだろう。
こんな性悪な女は、絶対に妻にはしたくないけれど・・・・・・遊ぶのには、もってこいなんだ。
イザベラの部屋で、いつものようにお決まりの言葉を囁きあっていると、いきなりクローゼットが開いたのだった。
「私は、オースティン様と婚約破棄をいたしますわ! 私が身を引きますから、お二人でお幸せになってくださいませ。早速、お父様にご報告しますわ!」
私は、このセレニティーを愛しているわけではなかったが、その地位とかわいらしさは理想的だった。
私自身はリアム公爵家の三男で、いくら優秀でも家督は継げない立場だった。だから、なんとしても、爵位を継ぐ跡取り娘の家に婿入りする必要があったのだ。だいたい、貴族の結婚なんて、こんなものだ。
セレニティーの義理の姉というのも、特に愛しているわけではなかった。
綺麗な女性ではあったが、イザベラ程度の綺麗さなら、貴族の令嬢のなかでは、そう珍しくもなかった。
ただ、これは、スリルと背徳感のあるゲームだった。
婚約者の義理の姉と、秘密の恋なんて、とてもそそるシチュエーションだと思った。
だから、イザベラの誘いに乗った。
「私、実は夫とうまく、いってないのよ・・・・・・相談にのってもらえないかしら?」
そんな言葉は、ちょっと甘い誘いにも聞こえた。
「あぁ、いいさ。私で良ければ、なんなりと・・・・・・」
相談から、恋人同士になるのには、それほど時間はかからなかった。
けれど、これは、あくまでも恋愛ゲームだ。
スリルを味わう禁断のゲームのはずだった・・・・・・
*:゚+。.☆.+*✩⡱:゚
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「あらぁ。オースティン、また、会えて嬉しいわ。ちょっと、私のお部屋でお話をしましょう?」
ふふふ。悪い義理の姉だな。イザベラはセレニティーのお陰で、コルト家の娘として伯爵家の嫡男に嫁げたくせに、恩を仇で返す事ができる悪女なのだろう。
こんな性悪な女は、絶対に妻にはしたくないけれど・・・・・・遊ぶのには、もってこいなんだ。
イザベラの部屋で、いつものようにお決まりの言葉を囁きあっていると、いきなりクローゼットが開いたのだった。
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