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5 因果応報の始まり

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「くっつ! こんのぉ~~、無礼者がぁ~~! 私の大事な娘に触るんじゃないわよっ! こっのおかめぽんきち! とぉりやぁあああーー」
お母様が私のなかで主導権を握りレオン様の股を目がけて思いっきり蹴りをいれた。一回、二回、三回と勢いよく蹴り上げられてとうとう泡を吹いて痙攣しながら気絶してしまった。

「ふん! ゲスな男のやることなんてお見通しよ。さぁ、王家の影よ。出ておいで! 身柄を拘束してお兄様、いいえ、伯父様のもとに連れて行きなさい! 王の姪である私を襲おうとした罪は重いわ。こいつは私を孕まそうとしたのよ。子供ができてしまえば私を殺しても子供の後見人としてマハバラ公爵家を自由にできるものねぇ?」

あっという間にいかつい男達が現れて気絶したレオン様は連行されて行った。
「大丈夫ですか? 死んだりしませんか?」

「ふっ。多分大丈夫よ。まぁ、死んだ方がレオンにとっては良かったかもだけどねぇ。おほほほ!」



私がマハバラ公爵家に戻るとミユキーナとサマンサが驚いたような顔をして見つめてきた。あぁ、顔に犯人が書いてあるって、こういうことをいうのだろうなってふと思ったわ。

まるで死人が帰ってきたという視線は、私を襲うレオン様のことをきっと知っていたに違いない。

「お父様! レオン様は私を襲おうとして王家の影に捕らえられました。ですが共犯者は捕まりませんわ。それ相応の罰を一生うけるだけのこと。それにしても愚かな者達! 王家の血筋に牙を剥くとはよほど命が惜しくないと見えますわね」
サマンサとミユキーナは青ざめてなにも言わなかったけれど、お父様はキョトンとしていた。




それから毎日、サマンサとミユキーナには私が食べていた料理とレモン水が毎食出された。その量は実に私の3倍だった。

「こんな量を食べさせて大丈夫なのですか?」
私はお母様に尋ねるけれどお母様は「嫌なら死刑か奴隷よ」ときっぱりとおっしゃった。

サマンサとミユキーナのしでかしたことを聞き及んだお父様は私に頭を下げて許してくれと懇願した。
「家族じゃないか! サマンサもミユキーナも悪気はなかったんだよ! 全部水に流してまた仲の良い家族に戻ろう」

仲の良い家族?・・・・・・私達は家族ごっこをしていただけだ・・・・・・本当は誰も家族なんかじゃない・・・・・・ここにいるお父様でさえも・・・・・・

私が唇を噛みしめるとお母様が毅然とした態度で言い放った。

「甘ったれるのもいい加減になさい! 王族に対する虐待や、王族を殺そうとする行為などは死罪です。家族なんてどこにいるのかしら? 私が家族と呼べる方はここにはおりませんでしたよ」





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