61 / 72
廃洋館
#41
しおりを挟む
『貴女も随分の物好きね…。こんな所、他の人にでも見られたら、大変なんじゃない?』
「大丈夫、最近何でか、パパラッチも追ってこなくなったし、こんな山奥まで来る物好きは、居ないわよ…。」
私がそう言うと、もう一人のナツミさんが、『そうですか…。』と呟き、鉄板の上で焼かれた、牛肉を頬張った…。
「幽霊でも、そう言ったもの、食べるんですね…。」
『私たちは、幽霊と違って、どちらかと言えば、妖の類ですからね…。気が付かない限り、お腹が空くことはないですが、食することはできます。当然味覚も嗅覚も機能してますので、貴女方と同じように、お肉なんかも食べられます。』
『勿論、お酒も…。』
ナツミさんが私の持ってきたレジ袋から缶酎ハイを手に取ると、それを開けた。しかも、かなり度数が高い物だった…。
「それ、度数キツい奴ですよ!」
『問題ない、私はこれでも神格だ。酒などに屈しはしない…。』
ナツミさんはそう言うと、カシュッと良い音を立てて、蓋を開けた。
それから、乾杯をして10分後、一番最初に潰れたのは、手枷を付けたナツミさんだった。
地面に横になり、鼾をかきながら、眠っていた…。
『アルコールに対しては、普通の人間とは変わらないんです…。』
「何で、神格とか言い張ったんですか…。」
『ノリか何かなんでしょう…。』
もう一人のナツミさんが呆れた様に、頭を抱えた。
「でも、良かった…。貴女達二人が、結構自由な感じで…。檻に入れられていたり、手枷を付けられていたり…。この館に縛られてばかりで、楽しいことなんてないのかと思ってました…。
でも、こうやって普通の人間と、飲み食いできるのなら、安心しました。」
私がそう言うと、もう一人のナツミさんが、缶酎ハイを一口飲み、語りだした…。
『妖の中には、盃を交わして、忠誠を誓う者もいれば、お酒の力を使って、力を増加させる者もいる…。私たちにお酒を進めるのは、あまり感心しないですね…。』
「大丈夫です…。貴女方は、そんなものには屈しないと思ってます…。」
神格と言われる彼女等が、そんな忠誠だとかには、興味を持つはずがない…。更に、炎を使うとは言え、ナツミさんが能力を使う為には、主、もとい大谷の寿命が無ければ、本領を発揮できない…。アルコールは彼女等には関係ないだろう…。
『そうではないな…。そら来た。』
今まで横になっていたナツミさんがむくりと起き上がると、そう言い、私が来た方向を指さした。
そこには着物を着た小柄な小さな女の子を、これまた着物を着込み、腰に鍔のない刀を携えた、高身長の男性の二人組が現れた。
「大丈夫、最近何でか、パパラッチも追ってこなくなったし、こんな山奥まで来る物好きは、居ないわよ…。」
私がそう言うと、もう一人のナツミさんが、『そうですか…。』と呟き、鉄板の上で焼かれた、牛肉を頬張った…。
「幽霊でも、そう言ったもの、食べるんですね…。」
『私たちは、幽霊と違って、どちらかと言えば、妖の類ですからね…。気が付かない限り、お腹が空くことはないですが、食することはできます。当然味覚も嗅覚も機能してますので、貴女方と同じように、お肉なんかも食べられます。』
『勿論、お酒も…。』
ナツミさんが私の持ってきたレジ袋から缶酎ハイを手に取ると、それを開けた。しかも、かなり度数が高い物だった…。
「それ、度数キツい奴ですよ!」
『問題ない、私はこれでも神格だ。酒などに屈しはしない…。』
ナツミさんはそう言うと、カシュッと良い音を立てて、蓋を開けた。
それから、乾杯をして10分後、一番最初に潰れたのは、手枷を付けたナツミさんだった。
地面に横になり、鼾をかきながら、眠っていた…。
『アルコールに対しては、普通の人間とは変わらないんです…。』
「何で、神格とか言い張ったんですか…。」
『ノリか何かなんでしょう…。』
もう一人のナツミさんが呆れた様に、頭を抱えた。
「でも、良かった…。貴女達二人が、結構自由な感じで…。檻に入れられていたり、手枷を付けられていたり…。この館に縛られてばかりで、楽しいことなんてないのかと思ってました…。
でも、こうやって普通の人間と、飲み食いできるのなら、安心しました。」
私がそう言うと、もう一人のナツミさんが、缶酎ハイを一口飲み、語りだした…。
『妖の中には、盃を交わして、忠誠を誓う者もいれば、お酒の力を使って、力を増加させる者もいる…。私たちにお酒を進めるのは、あまり感心しないですね…。』
「大丈夫です…。貴女方は、そんなものには屈しないと思ってます…。」
神格と言われる彼女等が、そんな忠誠だとかには、興味を持つはずがない…。更に、炎を使うとは言え、ナツミさんが能力を使う為には、主、もとい大谷の寿命が無ければ、本領を発揮できない…。アルコールは彼女等には関係ないだろう…。
『そうではないな…。そら来た。』
今まで横になっていたナツミさんがむくりと起き上がると、そう言い、私が来た方向を指さした。
そこには着物を着た小柄な小さな女の子を、これまた着物を着込み、腰に鍔のない刀を携えた、高身長の男性の二人組が現れた。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる