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廃洋館
#9
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警察だけでなく、地元議員が関わっているとなると、事の真相を調べるには、骨が折れそうだ…。
「それで、真犯人は、誰なんでしょう…。」
両親と支配人は、殺害され、長男長女は失踪。唯一無事だった次男は、現在どこにいるか分からない…。
「それは、私にもわかりません…。ただ、私の憶測ですが、失踪した、長男長女のどちらかは、今も生きているのではないかと、思っております。」
「と言うと…。」
怪訝そうな表情で、大谷が訊ねた。
「だって、不自然でしょう…。長女の失踪から始まった、一家の事件。母親を刺したナイフからは、長男長女の血痕と、父親の指紋。
留置所にいた、父親と使用人を、それぞれ刺した、2本のナイフからは、既に亡くなっていた筈の、母親の指紋が。
指紋と血痕と言うのは、確かに証拠、にするには、説得力が強い。ただ逆を言ってしまえば、それ以上、考えなくなってしまいます。
指紋や血痕程度なら、偽装することが、可能です。特に、現在より科学が、進んでいなかった、当時なら、尚更です。」
そう言われると、何となく、納得できる。
予め三本用意した、ナイフを、母親と父親に握らせれば、どうにか、指紋を付けることができる。
血痕も、指や腕から、何滴か垂らせば、付着させることが可能だ…。しかも、40年前は、DNA鑑定の技術も、発展して居なく。精々分かるのは、血液型程度だろう…。
だが、動機が分からない。長男長女、どちらかが失踪じゃないとなると、それぞれに、何らかの動機が必要だ…。人を、しかも、両親を殺さねばならない程の強い恨みと憎しみが…。
「動機はあったんですか?」
「動機となるかどうか分かりませんが、実はその一家には、一つ、秘密がありました。
その一家、次男しか、直接血が繋がっていなかったらしいのです。」
「それって、つまり、長男長女は、養子か何かだったってことか?」
寺井さんが、聞き返した。
「長女の失踪事件を、調べている時に、警察に、そう打ち明けたらしいです。それでも、二人は、我が子同然の様に、可愛がったと言っていたと…。
そして、動機となりえる物が一つ…。父親が、長女に対して、“関係”を迫っていたという話が浮上してきました。
勿論、父親は、事実無根を唱え、近隣住民からの、家族間の仲の良さから、そんな事、ある筈がないと、全面的に否定されてしまいました。
もし、それが事実なら、長女さんが失踪した理由も、納得いきます。」
生駒さんが、お茶を再度、啜った。
「それで、真犯人は、誰なんでしょう…。」
両親と支配人は、殺害され、長男長女は失踪。唯一無事だった次男は、現在どこにいるか分からない…。
「それは、私にもわかりません…。ただ、私の憶測ですが、失踪した、長男長女のどちらかは、今も生きているのではないかと、思っております。」
「と言うと…。」
怪訝そうな表情で、大谷が訊ねた。
「だって、不自然でしょう…。長女の失踪から始まった、一家の事件。母親を刺したナイフからは、長男長女の血痕と、父親の指紋。
留置所にいた、父親と使用人を、それぞれ刺した、2本のナイフからは、既に亡くなっていた筈の、母親の指紋が。
指紋と血痕と言うのは、確かに証拠、にするには、説得力が強い。ただ逆を言ってしまえば、それ以上、考えなくなってしまいます。
指紋や血痕程度なら、偽装することが、可能です。特に、現在より科学が、進んでいなかった、当時なら、尚更です。」
そう言われると、何となく、納得できる。
予め三本用意した、ナイフを、母親と父親に握らせれば、どうにか、指紋を付けることができる。
血痕も、指や腕から、何滴か垂らせば、付着させることが可能だ…。しかも、40年前は、DNA鑑定の技術も、発展して居なく。精々分かるのは、血液型程度だろう…。
だが、動機が分からない。長男長女、どちらかが失踪じゃないとなると、それぞれに、何らかの動機が必要だ…。人を、しかも、両親を殺さねばならない程の強い恨みと憎しみが…。
「動機はあったんですか?」
「動機となるかどうか分かりませんが、実はその一家には、一つ、秘密がありました。
その一家、次男しか、直接血が繋がっていなかったらしいのです。」
「それって、つまり、長男長女は、養子か何かだったってことか?」
寺井さんが、聞き返した。
「長女の失踪事件を、調べている時に、警察に、そう打ち明けたらしいです。それでも、二人は、我が子同然の様に、可愛がったと言っていたと…。
そして、動機となりえる物が一つ…。父親が、長女に対して、“関係”を迫っていたという話が浮上してきました。
勿論、父親は、事実無根を唱え、近隣住民からの、家族間の仲の良さから、そんな事、ある筈がないと、全面的に否定されてしまいました。
もし、それが事実なら、長女さんが失踪した理由も、納得いきます。」
生駒さんが、お茶を再度、啜った。
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