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第十三話
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何とか射精すのを堪えたミハエルは、シユニナにこれ以上ペニスを揉まれるのを防ぐためシユニナの両手を片手で絡め捕ってから、ベッドに押し倒した。
ベッドに押し倒した時、脱げ欠けていたシャツがはだけてしまう。
たわわに実った二つの大きな果実。留学前には慎ましかったのが信じられないくらい、大きく成長していた。
思わず、シユニナの乳房に目を奪われたミハエルのペニスがぐっと勃ち上がったが、いろいろな思いをぐっと堪えたミハエルは、シユニナの瞳を見つめて、恥ずかしそうに真相を話すのだ。
「あの頃の俺は……、まだ小さかったシユンを女性として見てしまっていた……。白く柔らかい肌に触れたい。掌に収まりそうなほど小さく可愛らしい胸を揉みたい。舐めたい。そんな事ばかり考えていた……」
そんなことを告白されるとは思っていなかったシユニナは、目を丸くさせた。
「えっ……。それって、ミハエル様は私に欲情していたということですか?」
「よっ……。ああ、そうだ。この際言うが、隙あらばお前にいやらしいことをしたくて堪らなかった。だから、距離を取った……。勝手な事情で、呆れただろう?」
後悔に染まったミハエルの顔を見たシユニナは、胸がきゅんと音を立てた気がした。
(ミーシャが私に欲情していた……。それって……。凄く嬉しいかも……)
お互いに言葉が足りなかった。ただけれだけのことで両想いの二人はすれ違ってしまったのだ。
そう思えばこそ、心の中の想いを誤魔化すことがバカのすることなのだと心から思ったシユニナは、もう何も隠すことはしないと決めた。
本当の気持ちを言って、嫌われても、言わないですれ違ってしまうことの苦しさを知ってしまったのだ。
「う……嬉しい! 私は、ミハエル様が大好きで、だから少しでも貴方に嫌われないために向こうに行って、勉強したわ。その中で剣を学んで、偶然男になる方法も見つけたわ……。もう、元に戻ってしまったけど……」
「ごめん……。俺は、シユンに謝らないといけないことがある……」
「えっ……」
「謝って済まされることではないけど、謝らせてくれ。俺は、初めからシユンが男には見えていなかった……」
「ふえぇ?!」
「だから、俺にはシユンの言っていたレアアイテムの効果が発揮されていなかったんだ」
「………………? ふぇぇーーーーー!! じゃぁ、今までミハエル様に恥ずかしい姿をずっと見られていたってこと……?」
「……まぁ、そう言うことだな。すまない。男に見えていると思い込んでいたシユニナが、俺の前で薄着になったり、半裸になったりするのを……」
「いや~~~~~!!」
今まで、知らなかったとはいえミハエルの前で恥ずかしい姿を晒していたことを知ったシユニナは、このまま消えてしまいたいほどの羞恥心を感じて、身もだえる。
それでも、心の中の疑問を解消しないことにはまだまだ安心できなかったシユニナは、涙目でミハエルに聞いていたのだ。
「それじゃぁ……。もしかして、ミハエル様以外の人にも……。見られていたのかな?」
「いや、それは絶対にない。お前を性的に見ている男が居れば俺が気が付いた。そんな命知らずはいなかったから安心しろ」
「でも……。じゃぁなんでミハエル様には効いていなかったの?」
「俺もお前が戻ってきて初めて確信したことだ。これから話すことは、シュニッツッァ侯爵家とアガート伯爵家がどうして互いの子供を結婚させようとしたいたのかという話に繋がる」
そう話したミハエルは、シュニッツッァ侯爵家側に残っていた資料からの推察を話して聞かせた。
遠い昔、シュニッツッァ侯爵家の当主には当主の証の剣が受け継がれていたというのだ。
その剣は、どんな物でも紙のように切ってしまう切れ味を持ち、その剣を納める鞘は剣の主を守る力を持っていたという。
そんなある日、シュニッツッァ侯爵の友人だったアガート伯爵の妻が命を落としかけた。
そんな友人とその妻を救うべく、シュニッツッァ侯爵は、家宝である鞘を使ってアガート伯爵夫人を助けたのだ。
命を助けられたアガート伯爵夫人は、自身を救った鞘の力を知り、それをシュニッツッァ侯爵に返したいと考えていたが、その方法が分からなかった。
そんなある日、アガート伯爵夫人は思いつくのだ。アガート伯爵家の女児に鞘の力が宿ったとして、その子がシュニッツッァ侯爵家に嫁げば鞘の力を返せるのではないのかと。
その話を聞いたアガート伯爵は言うのだ。
いつかお互いの年の近い子供たちを結婚させようと。
アガート伯爵家は女児。シュニッツッァ侯爵家は男児が生まれた時、アガート伯爵家の女児が嫁ぐという約束をしたのだというのだ。
しかし、長い間、条件に合う子供が生まれることがないまま、その約束の内容も薄れてしまい、現在の「お互いに年の近い男女が生まれたら結婚させよう」と言うものだけが残ったのではないのかと、ミハエルは自分の考えを話して聞かせたのだ。
この考えは、シュニッツッァ侯爵家の歴史書を読んだミハエルの解釈のため、事実は違うかもしれない。
それでも、シュニッツッァ侯爵家の当主になる資格を生まれた時からその身に宿していたミハエルは、それは真実に限りなく近いと確信していた。
そう、ミハエルの体には、当主の証と言われる剣が宿っていたのだ。
そして、婚約者に選ばれたシユニナの体の中には、その対となる鞘が宿っていることもなんとなく感じていたのだ。
元々一つだった剣と鞘。
そして、鞘には当主を守る力がある。
その力とは、万病を癒し、呪いなどを弾くという絶対的な守護の力だ。
その守護の力が、ミハエルを間接的に守り、シユニナの本来の姿をその目に映していたのではないのかと、ミハエルはそう考えていたのだ。
その話を聞いたシユニナは、それが事実だとしても納得できないことがあったのだ。
それは、男になるレアアイテムの効果に絶対に一度外したら二度と外せないという効果が消えてしまったことだ。
「留学先ではレアアイテムは絶対外れなかったんだな?」
「うん……。銀色のネックレス……。何度か外してみようとしたけど、外れないし鎖も切れなかったわ」
「なるほど。恐らくだが、帰国後に、剣である俺との距離が近くなったことで、守護の力が働いて、二度と外れないという効果が薄まっていたんだと思う。それで、今回たまたま鎖が千切れてしまったんじゃないか?」
「そう……なのかな? ううん。ミハエル様がそう思うならそうなんだと思う。そっか……」
シユニナは、ミハエルから聞かされた剣と鞘の話に付いて考える。
そして、この関係がとても運命的なもののように思えてしまう。
永い間条件に合う子供が生まれなかったのは、自分とミハエルが結ばれるためだったように思えてしまう。
そう思うと、なんだか嬉しくて。自然と笑みが零れてしまっていた。
「どうした?」
「いいえ……。ただ、嬉しいと思ってしまって。ミハエル様と私は、生まれる前から結ばれる運命にあったのかも知れないと思うと、嬉しくて……」
「ああ。遠回りしてしまったがな」
「ふふ。そうですね。でも、そのお陰で私は自分の心を素直にさらけ出せました。だから、きっとこのすれ違いは無駄なんかじゃなかったんです」
「そうだな。無駄な事なんて、何一つなかった……。そう思えるために、シユニナにはこれから頑張ってもらいたいかな?」
「ふえ?」
「離れていた分、触れ合えなかった分を取り戻せるように全力でシユンのこと可愛がるから、覚悟してくれよ?」
そう言ったミハエルは、赤い瞳を甘く蕩けさせて微笑んだのだ。
その笑みを見たシユニナは、今度こそミハエルの意図を正確に理解してそっと瞳を瞑る。
思いのほか柔らかいミハエルの唇がシユニナの唇を塞いだのだ。
ベッドに押し倒した時、脱げ欠けていたシャツがはだけてしまう。
たわわに実った二つの大きな果実。留学前には慎ましかったのが信じられないくらい、大きく成長していた。
思わず、シユニナの乳房に目を奪われたミハエルのペニスがぐっと勃ち上がったが、いろいろな思いをぐっと堪えたミハエルは、シユニナの瞳を見つめて、恥ずかしそうに真相を話すのだ。
「あの頃の俺は……、まだ小さかったシユンを女性として見てしまっていた……。白く柔らかい肌に触れたい。掌に収まりそうなほど小さく可愛らしい胸を揉みたい。舐めたい。そんな事ばかり考えていた……」
そんなことを告白されるとは思っていなかったシユニナは、目を丸くさせた。
「えっ……。それって、ミハエル様は私に欲情していたということですか?」
「よっ……。ああ、そうだ。この際言うが、隙あらばお前にいやらしいことをしたくて堪らなかった。だから、距離を取った……。勝手な事情で、呆れただろう?」
後悔に染まったミハエルの顔を見たシユニナは、胸がきゅんと音を立てた気がした。
(ミーシャが私に欲情していた……。それって……。凄く嬉しいかも……)
お互いに言葉が足りなかった。ただけれだけのことで両想いの二人はすれ違ってしまったのだ。
そう思えばこそ、心の中の想いを誤魔化すことがバカのすることなのだと心から思ったシユニナは、もう何も隠すことはしないと決めた。
本当の気持ちを言って、嫌われても、言わないですれ違ってしまうことの苦しさを知ってしまったのだ。
「う……嬉しい! 私は、ミハエル様が大好きで、だから少しでも貴方に嫌われないために向こうに行って、勉強したわ。その中で剣を学んで、偶然男になる方法も見つけたわ……。もう、元に戻ってしまったけど……」
「ごめん……。俺は、シユンに謝らないといけないことがある……」
「えっ……」
「謝って済まされることではないけど、謝らせてくれ。俺は、初めからシユンが男には見えていなかった……」
「ふえぇ?!」
「だから、俺にはシユンの言っていたレアアイテムの効果が発揮されていなかったんだ」
「………………? ふぇぇーーーーー!! じゃぁ、今までミハエル様に恥ずかしい姿をずっと見られていたってこと……?」
「……まぁ、そう言うことだな。すまない。男に見えていると思い込んでいたシユニナが、俺の前で薄着になったり、半裸になったりするのを……」
「いや~~~~~!!」
今まで、知らなかったとはいえミハエルの前で恥ずかしい姿を晒していたことを知ったシユニナは、このまま消えてしまいたいほどの羞恥心を感じて、身もだえる。
それでも、心の中の疑問を解消しないことにはまだまだ安心できなかったシユニナは、涙目でミハエルに聞いていたのだ。
「それじゃぁ……。もしかして、ミハエル様以外の人にも……。見られていたのかな?」
「いや、それは絶対にない。お前を性的に見ている男が居れば俺が気が付いた。そんな命知らずはいなかったから安心しろ」
「でも……。じゃぁなんでミハエル様には効いていなかったの?」
「俺もお前が戻ってきて初めて確信したことだ。これから話すことは、シュニッツッァ侯爵家とアガート伯爵家がどうして互いの子供を結婚させようとしたいたのかという話に繋がる」
そう話したミハエルは、シュニッツッァ侯爵家側に残っていた資料からの推察を話して聞かせた。
遠い昔、シュニッツッァ侯爵家の当主には当主の証の剣が受け継がれていたというのだ。
その剣は、どんな物でも紙のように切ってしまう切れ味を持ち、その剣を納める鞘は剣の主を守る力を持っていたという。
そんなある日、シュニッツッァ侯爵の友人だったアガート伯爵の妻が命を落としかけた。
そんな友人とその妻を救うべく、シュニッツッァ侯爵は、家宝である鞘を使ってアガート伯爵夫人を助けたのだ。
命を助けられたアガート伯爵夫人は、自身を救った鞘の力を知り、それをシュニッツッァ侯爵に返したいと考えていたが、その方法が分からなかった。
そんなある日、アガート伯爵夫人は思いつくのだ。アガート伯爵家の女児に鞘の力が宿ったとして、その子がシュニッツッァ侯爵家に嫁げば鞘の力を返せるのではないのかと。
その話を聞いたアガート伯爵は言うのだ。
いつかお互いの年の近い子供たちを結婚させようと。
アガート伯爵家は女児。シュニッツッァ侯爵家は男児が生まれた時、アガート伯爵家の女児が嫁ぐという約束をしたのだというのだ。
しかし、長い間、条件に合う子供が生まれることがないまま、その約束の内容も薄れてしまい、現在の「お互いに年の近い男女が生まれたら結婚させよう」と言うものだけが残ったのではないのかと、ミハエルは自分の考えを話して聞かせたのだ。
この考えは、シュニッツッァ侯爵家の歴史書を読んだミハエルの解釈のため、事実は違うかもしれない。
それでも、シュニッツッァ侯爵家の当主になる資格を生まれた時からその身に宿していたミハエルは、それは真実に限りなく近いと確信していた。
そう、ミハエルの体には、当主の証と言われる剣が宿っていたのだ。
そして、婚約者に選ばれたシユニナの体の中には、その対となる鞘が宿っていることもなんとなく感じていたのだ。
元々一つだった剣と鞘。
そして、鞘には当主を守る力がある。
その力とは、万病を癒し、呪いなどを弾くという絶対的な守護の力だ。
その守護の力が、ミハエルを間接的に守り、シユニナの本来の姿をその目に映していたのではないのかと、ミハエルはそう考えていたのだ。
その話を聞いたシユニナは、それが事実だとしても納得できないことがあったのだ。
それは、男になるレアアイテムの効果に絶対に一度外したら二度と外せないという効果が消えてしまったことだ。
「留学先ではレアアイテムは絶対外れなかったんだな?」
「うん……。銀色のネックレス……。何度か外してみようとしたけど、外れないし鎖も切れなかったわ」
「なるほど。恐らくだが、帰国後に、剣である俺との距離が近くなったことで、守護の力が働いて、二度と外れないという効果が薄まっていたんだと思う。それで、今回たまたま鎖が千切れてしまったんじゃないか?」
「そう……なのかな? ううん。ミハエル様がそう思うならそうなんだと思う。そっか……」
シユニナは、ミハエルから聞かされた剣と鞘の話に付いて考える。
そして、この関係がとても運命的なもののように思えてしまう。
永い間条件に合う子供が生まれなかったのは、自分とミハエルが結ばれるためだったように思えてしまう。
そう思うと、なんだか嬉しくて。自然と笑みが零れてしまっていた。
「どうした?」
「いいえ……。ただ、嬉しいと思ってしまって。ミハエル様と私は、生まれる前から結ばれる運命にあったのかも知れないと思うと、嬉しくて……」
「ああ。遠回りしてしまったがな」
「ふふ。そうですね。でも、そのお陰で私は自分の心を素直にさらけ出せました。だから、きっとこのすれ違いは無駄なんかじゃなかったんです」
「そうだな。無駄な事なんて、何一つなかった……。そう思えるために、シユニナにはこれから頑張ってもらいたいかな?」
「ふえ?」
「離れていた分、触れ合えなかった分を取り戻せるように全力でシユンのこと可愛がるから、覚悟してくれよ?」
そう言ったミハエルは、赤い瞳を甘く蕩けさせて微笑んだのだ。
その笑みを見たシユニナは、今度こそミハエルの意図を正確に理解してそっと瞳を瞑る。
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