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第九十一話 好かれすぎて困っています!!
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その後、春虎と秋護はお世話になったゴールデン・ウルフのクルーたちに別れを告げてこの世界から去った。
女王とその専属メイドは秋護に別れ際、腐の心得を何度となく聞き、密かにこれからこの世界にBLを広く広めようと心に決めたとか決めなかったとか。
春虎を可愛がっていたドレイクも名残惜しそうではあったが、家に帰れるということを喜んでくれた。
シェリアと、お世話になった商店にはお世話になったと手紙を送って別れを告げた。
この世界を離れる時、ユリウスは春虎の頭を撫でながら言った。
「故郷に戻っても元気でな。それと、鍛錬も怠るなよ?」
「はい」
「ハル坊の兄貴の話だと、とても遠い場所過ぎてもう会うことはないということだったけど、俺はいつかきっとお前に会えると思っている。だから、別れの言葉は無しだ。行って来い!」
「はい……、副船長。今までありがとうございました。行ってきます!!」
こうして、この世界に別れを告げた。
春虎が元の世界に戻った時、驚いたことに異世界に渡ってから、数日しか経っていなかったのだ。
黎斗曰く、「時空を渡るとは、そういうことなんです」ということだった。
秋護はというと、元の世界に戻った時海外にいたことからパニックになっていた。
「ヤバい!!イギリス?パスポート無い!!これ、捕まるんじゃ……」
そんなことを言って一人パニックになったていた秋護に手を差し伸べたのは、弥生だった。
「よう、後輩。助けてやってもいい」
「本当ですか!!」
「ああ」
それが悪魔の誘いだとは分かっていても縋ってしまった秋護は後に語った。
前科がついたとしても断るべきだったと。
「よし、それじゃ黎斗、こいつを日本に送ってやれ。後輩、日本についたら俺のいない間は精々羽の伸ばすんだな。俺が日本に帰ったら、早速こき使ってやるからな」
そう言って、ゲスい笑顔を浮かべたのだった。
その顔を見た秋護は、自分の願いを撤回しようとしたが、すでに遅く気がついた時には、猛スピードで上空を黒麒麟の背にしがみついた状態で駆けていたのだった。
「えっ?ちょっ、まっ、あああああああーーーーーーーー!!」
その後、春虎は弥生と二人で日本に帰った。帰る前に、観光をしたいと弥生がごネタが、あることが心配で、春虎は早く家に帰りたかったのだ。
家に帰ると、ニヤニヤとした表情の揚羽が春虎と弥生を迎えてくれた。
「おかえりなさ~い。大変だったみたいね。うふふ。あんな大きなお土産を先に送ってくるなんて……。それよりも、春ちゃんはどっち狙いなの?」
開口一番の揚羽の言葉に、春虎は顔を真赤にさせて否定しようとしたがそれは出来なかった。
その前に、弥生が爆発したからだ。
「あれは、仕方なくでだ!!俺は許さんからな!!精々後輩同様こき使ってやる!!」
「あはは、ご当主様と同じこと言ってる。流石親子ね。でも、奥様は好意的で、婿入りも視野に入れているってさ」
「は?母さんが?!はぁ、あの人は面食いだからな……。だが、母さんが許しても婿入りなんて絶対に許さんからな!!」
そんなことを言っていると、近づいてくる2つの足音が聞こえてきた。
その足音と共に、何やら言い争うような声も聞こえてきていた。
『おい、ハルのことは俺に任せて、お前はお父様の仕事の手伝いをしていろ』
『貴様こそ、リアのことは私に任せて、お前はお母様の手伝いをしていろ』
騒がしく春虎を迎えたのは、シンプルなシャツとズボン姿の現代風の服を身にまとったウィリアムとレオールだった。
『おかえり、ハル』
『おかえり、リア』
そう言って、極上の微笑みで春虎を迎えたのだった。
そう、二人はゴネにゴネた結果、春虎の帰還に付いてきたのだ。
ウィリアムは、春虎の故郷が異世界にあると聞いても付いていくと言って聞かず、ゴールデン・ウルフをユリウスに任せて付いてきたのだ。
レオールは、春虎の故郷が異世界だと知って直ぐに、ラジタリウスに異国に向かうと手紙を送って身辺整理をしたのだ。
二人を止めるため、ユリウスにも相談したが無駄だった。
ユリウスは、なにかに納得したような表情で言った。
「なるほど……、異世界か。分かった、船は俺に任せろ。ウィル、お前は好きにしろ。だが、ハル坊に迷惑を掛けるなよ?もう俺は助けてやれないからな」
異世界から戻る前に、ウィリアムに本当の性別を伝えたお陰で、ウィリアムの好き好き攻撃は天元突破することとなったのはまた別の話だ。
こうして、異世界から戻った春虎は、椿家のコネをフル活用して戸籍を得た二人の異世界の美青年に日々、迫られることとなったのだった。
そして、春虎はイケメン二人に迫られながら思いの丈を叫ぶのもいつもの日常と化していたのだった。
「二人に好かれすぎて、どうしたらいいのかわからないです!!とても困っています!!!」
『船長に好かれすぎて困っています。』 おわり
女王とその専属メイドは秋護に別れ際、腐の心得を何度となく聞き、密かにこれからこの世界にBLを広く広めようと心に決めたとか決めなかったとか。
春虎を可愛がっていたドレイクも名残惜しそうではあったが、家に帰れるということを喜んでくれた。
シェリアと、お世話になった商店にはお世話になったと手紙を送って別れを告げた。
この世界を離れる時、ユリウスは春虎の頭を撫でながら言った。
「故郷に戻っても元気でな。それと、鍛錬も怠るなよ?」
「はい」
「ハル坊の兄貴の話だと、とても遠い場所過ぎてもう会うことはないということだったけど、俺はいつかきっとお前に会えると思っている。だから、別れの言葉は無しだ。行って来い!」
「はい……、副船長。今までありがとうございました。行ってきます!!」
こうして、この世界に別れを告げた。
春虎が元の世界に戻った時、驚いたことに異世界に渡ってから、数日しか経っていなかったのだ。
黎斗曰く、「時空を渡るとは、そういうことなんです」ということだった。
秋護はというと、元の世界に戻った時海外にいたことからパニックになっていた。
「ヤバい!!イギリス?パスポート無い!!これ、捕まるんじゃ……」
そんなことを言って一人パニックになったていた秋護に手を差し伸べたのは、弥生だった。
「よう、後輩。助けてやってもいい」
「本当ですか!!」
「ああ」
それが悪魔の誘いだとは分かっていても縋ってしまった秋護は後に語った。
前科がついたとしても断るべきだったと。
「よし、それじゃ黎斗、こいつを日本に送ってやれ。後輩、日本についたら俺のいない間は精々羽の伸ばすんだな。俺が日本に帰ったら、早速こき使ってやるからな」
そう言って、ゲスい笑顔を浮かべたのだった。
その顔を見た秋護は、自分の願いを撤回しようとしたが、すでに遅く気がついた時には、猛スピードで上空を黒麒麟の背にしがみついた状態で駆けていたのだった。
「えっ?ちょっ、まっ、あああああああーーーーーーーー!!」
その後、春虎は弥生と二人で日本に帰った。帰る前に、観光をしたいと弥生がごネタが、あることが心配で、春虎は早く家に帰りたかったのだ。
家に帰ると、ニヤニヤとした表情の揚羽が春虎と弥生を迎えてくれた。
「おかえりなさ~い。大変だったみたいね。うふふ。あんな大きなお土産を先に送ってくるなんて……。それよりも、春ちゃんはどっち狙いなの?」
開口一番の揚羽の言葉に、春虎は顔を真赤にさせて否定しようとしたがそれは出来なかった。
その前に、弥生が爆発したからだ。
「あれは、仕方なくでだ!!俺は許さんからな!!精々後輩同様こき使ってやる!!」
「あはは、ご当主様と同じこと言ってる。流石親子ね。でも、奥様は好意的で、婿入りも視野に入れているってさ」
「は?母さんが?!はぁ、あの人は面食いだからな……。だが、母さんが許しても婿入りなんて絶対に許さんからな!!」
そんなことを言っていると、近づいてくる2つの足音が聞こえてきた。
その足音と共に、何やら言い争うような声も聞こえてきていた。
『おい、ハルのことは俺に任せて、お前はお父様の仕事の手伝いをしていろ』
『貴様こそ、リアのことは私に任せて、お前はお母様の手伝いをしていろ』
騒がしく春虎を迎えたのは、シンプルなシャツとズボン姿の現代風の服を身にまとったウィリアムとレオールだった。
『おかえり、ハル』
『おかえり、リア』
そう言って、極上の微笑みで春虎を迎えたのだった。
そう、二人はゴネにゴネた結果、春虎の帰還に付いてきたのだ。
ウィリアムは、春虎の故郷が異世界にあると聞いても付いていくと言って聞かず、ゴールデン・ウルフをユリウスに任せて付いてきたのだ。
レオールは、春虎の故郷が異世界だと知って直ぐに、ラジタリウスに異国に向かうと手紙を送って身辺整理をしたのだ。
二人を止めるため、ユリウスにも相談したが無駄だった。
ユリウスは、なにかに納得したような表情で言った。
「なるほど……、異世界か。分かった、船は俺に任せろ。ウィル、お前は好きにしろ。だが、ハル坊に迷惑を掛けるなよ?もう俺は助けてやれないからな」
異世界から戻る前に、ウィリアムに本当の性別を伝えたお陰で、ウィリアムの好き好き攻撃は天元突破することとなったのはまた別の話だ。
こうして、異世界から戻った春虎は、椿家のコネをフル活用して戸籍を得た二人の異世界の美青年に日々、迫られることとなったのだった。
そして、春虎はイケメン二人に迫られながら思いの丈を叫ぶのもいつもの日常と化していたのだった。
「二人に好かれすぎて、どうしたらいいのかわからないです!!とても困っています!!!」
『船長に好かれすぎて困っています。』 おわり
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