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第七十三話 鬼軍曹現る!!
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ウィリアムとレオールがキッチンの外にいることに気が付いていた春虎だったが、何故か一向に入ってこようとはしない二人を放置して、触り心地とその程よい弾力に夢中になりながら、無意識にエルムのぽよぽよのお腹を揉みしだきながら、今日のメニューを考える。
エルムは、いつまでも揉み続けられて少し息が荒くなっていたが、春虎はそれを物ともせずにモミモミ、もみゅもみゅし続けた。
とうとうエルムは羞恥で発狂しそうになったタイミングで、呆れた表情をしたユリウスがキッチンに入ってきた。
「ハル坊……、エルムの羞恥が限界突破寸前だ。もう勘弁してやれ」
ユリウスに言われてから、エルムの表情を見る。
顔は紅潮し、息が少し荒く潤んだ瞳になっていた。
それを見た春虎は、慌てて手を離した。
「ごめん!!すごく気持ちよくて!!」
「ハルハルなら……、俺……、いいよ」
「エルム!!」
「ハルハル!!」
そう言って、いつものノリでひしっと抱き合った。
そして、お互いに腕を解いてからクスクスと笑いあった。
そのノリが春虎には、船に帰ってきたと実感させられるやり取りだったが、二人のいつものじゃれ合いを知らないレオールにはもの凄く、もの凄~く、気に入らない場面だった。
そのため、春虎と楽しそうにするエルムに対して無表情に近い苛立ちを含んだ視線を向けてしまうのは仕方がないとも言える。
それに気が付いたユリウスは、ため息を吐きつつレオールに忠告した。
「エルムは、ハル坊の一番の友だちだ。エルムになにかしたら、無条件で嫌われるぞ」
それを聞いたレオールは、苦虫を噛み潰したよう表情になりながら言った。
「善処する……」
全然善処できていない駄目な男を尻目に、キッチンの惨状を春虎とエルムに確認したユリウスは頭を抱えた。
「はぁぁ、なるほど。クルーの腹が出ていた理由はそれか……。よし、明日からホームに戻るまでに、特別訓練を入れよう」
それを聞いたエルムとウィリアムは青い顔をした。二人は、少し涙目になりながら、首を横にフルフルと振っていたが、ユリウスは意にも返さずに宣言した。
「特別訓練は全員強制参加だ!!」
こうして、サングリッドに戻るまでに、地獄のような特別訓練が課されることが決定した。
その日の夜は、ヘルシーなメニューをクルー全員に振る舞った。
全員が、久しぶりの春虎の手料理に涙を流していた。
しかし、その涙は明日から始まる地獄の訓練を想像して流したとも言える涙だった。
翌日から、航行の合間にユリウスの地獄のほうがマシだと思われる特別訓練が開始された。
因みに、無理やりゴールデン・ウルフのスポンサーに収まったレオールは免除されていた。
「誰が休んでいいと言った!!連帯責任でもう10セット追加だ!!糞の尻拭いは、糞どもでつけろ!!」
「「「「サー!イエス、サ―!」」」」
「声が小さい!!糞ども!!腹から声そ出せ!!まだ、豚の糞のほうがマシだ!!」
「「「「サー!ノー、サー!!」」」」
「人間の糞になりたければ、必死にやれ!!」
「「「「サー!イエス、サ―!」」」」
普段のユリウスからは、想像できないほどの鬼軍曹ぶりに、その姿を初めて見た秋護は震えた。
そして、一番全員の足を引っ張っていることに、顔面蒼白になった。
春虎は、ユリウスの豹変に驚きながらも、誰よりも完璧に訓練をこなしていた。
一日目の特別訓練が終了した後に、顔面蒼白な秋護を心配した春虎は元気がでるようにと、お菓子を片手に秋護の様子を見に行った。
「秋護さん?お加減はどうですか?」
心配そうに、声を掛けた春虎に対して、秋護は掠れた声で泣き言を吐き出した。
「もう、無理。副船長さん、マジ、軍曹……。ついて行けない……。おうち帰りたい……。漫画読みたい。アニメ見たい。ゲームしたい……。グス……」
一日目にして、心がポッキリ逝ってしまった秋護を慰めたかったが、いい考えが思い浮かばずにオロオロしていると、秋護が死んだ魚のような瞳で春虎のことを見てい言った。
「春虎ちゃんは、凄いね。あんな超強化版のブートキャンプについていけるなんて……。マジカッケーよ……」
秋護の物悲しげな表情を見て、慌てて自分もちょっと大変だったと言って共感を得ようとしたが見事に失敗した。
「そんな事ないですよ!!僕も少しだけ大変でしたし!!」
「少し……。春虎さんマジパネェっす……」
春虎のフォローにならないフォローに余計落ち込む秋護を見た春虎は、焦りながらいい考えがあると提案をした。
「そうだ!!身体強化とか使ってみたらどうですか!うん、それがいいです!!」
普段あまり見ない春虎の慌てた表情を見た秋護は、少し表情を緩めて、提案されたことを反芻した。
「身体強化?」
「はい。僕だって、一応アレなので、色々工夫しないと自分よりも大きな人には対処できません。だから、体術の応用や、身体強化などを用いて自分よりも大きい人との対人戦や魔生物と戦っています!!」
それを聞いた秋護は、今まで自然に受け入れていた春虎の鬼強ぶりの理由を聞いて少し希望が見えてきたと思った。
「春虎ちゃん!!その身体強化を伝授してくれ!!」
「はい!!」
こうして、椿流忍術の門外不出の業を伝授されることになった秋護だったが、これが今後大変なことになるとは想像もしていない秋護だった。
エルムは、いつまでも揉み続けられて少し息が荒くなっていたが、春虎はそれを物ともせずにモミモミ、もみゅもみゅし続けた。
とうとうエルムは羞恥で発狂しそうになったタイミングで、呆れた表情をしたユリウスがキッチンに入ってきた。
「ハル坊……、エルムの羞恥が限界突破寸前だ。もう勘弁してやれ」
ユリウスに言われてから、エルムの表情を見る。
顔は紅潮し、息が少し荒く潤んだ瞳になっていた。
それを見た春虎は、慌てて手を離した。
「ごめん!!すごく気持ちよくて!!」
「ハルハルなら……、俺……、いいよ」
「エルム!!」
「ハルハル!!」
そう言って、いつものノリでひしっと抱き合った。
そして、お互いに腕を解いてからクスクスと笑いあった。
そのノリが春虎には、船に帰ってきたと実感させられるやり取りだったが、二人のいつものじゃれ合いを知らないレオールにはもの凄く、もの凄~く、気に入らない場面だった。
そのため、春虎と楽しそうにするエルムに対して無表情に近い苛立ちを含んだ視線を向けてしまうのは仕方がないとも言える。
それに気が付いたユリウスは、ため息を吐きつつレオールに忠告した。
「エルムは、ハル坊の一番の友だちだ。エルムになにかしたら、無条件で嫌われるぞ」
それを聞いたレオールは、苦虫を噛み潰したよう表情になりながら言った。
「善処する……」
全然善処できていない駄目な男を尻目に、キッチンの惨状を春虎とエルムに確認したユリウスは頭を抱えた。
「はぁぁ、なるほど。クルーの腹が出ていた理由はそれか……。よし、明日からホームに戻るまでに、特別訓練を入れよう」
それを聞いたエルムとウィリアムは青い顔をした。二人は、少し涙目になりながら、首を横にフルフルと振っていたが、ユリウスは意にも返さずに宣言した。
「特別訓練は全員強制参加だ!!」
こうして、サングリッドに戻るまでに、地獄のような特別訓練が課されることが決定した。
その日の夜は、ヘルシーなメニューをクルー全員に振る舞った。
全員が、久しぶりの春虎の手料理に涙を流していた。
しかし、その涙は明日から始まる地獄の訓練を想像して流したとも言える涙だった。
翌日から、航行の合間にユリウスの地獄のほうがマシだと思われる特別訓練が開始された。
因みに、無理やりゴールデン・ウルフのスポンサーに収まったレオールは免除されていた。
「誰が休んでいいと言った!!連帯責任でもう10セット追加だ!!糞の尻拭いは、糞どもでつけろ!!」
「「「「サー!イエス、サ―!」」」」
「声が小さい!!糞ども!!腹から声そ出せ!!まだ、豚の糞のほうがマシだ!!」
「「「「サー!ノー、サー!!」」」」
「人間の糞になりたければ、必死にやれ!!」
「「「「サー!イエス、サ―!」」」」
普段のユリウスからは、想像できないほどの鬼軍曹ぶりに、その姿を初めて見た秋護は震えた。
そして、一番全員の足を引っ張っていることに、顔面蒼白になった。
春虎は、ユリウスの豹変に驚きながらも、誰よりも完璧に訓練をこなしていた。
一日目の特別訓練が終了した後に、顔面蒼白な秋護を心配した春虎は元気がでるようにと、お菓子を片手に秋護の様子を見に行った。
「秋護さん?お加減はどうですか?」
心配そうに、声を掛けた春虎に対して、秋護は掠れた声で泣き言を吐き出した。
「もう、無理。副船長さん、マジ、軍曹……。ついて行けない……。おうち帰りたい……。漫画読みたい。アニメ見たい。ゲームしたい……。グス……」
一日目にして、心がポッキリ逝ってしまった秋護を慰めたかったが、いい考えが思い浮かばずにオロオロしていると、秋護が死んだ魚のような瞳で春虎のことを見てい言った。
「春虎ちゃんは、凄いね。あんな超強化版のブートキャンプについていけるなんて……。マジカッケーよ……」
秋護の物悲しげな表情を見て、慌てて自分もちょっと大変だったと言って共感を得ようとしたが見事に失敗した。
「そんな事ないですよ!!僕も少しだけ大変でしたし!!」
「少し……。春虎さんマジパネェっす……」
春虎のフォローにならないフォローに余計落ち込む秋護を見た春虎は、焦りながらいい考えがあると提案をした。
「そうだ!!身体強化とか使ってみたらどうですか!うん、それがいいです!!」
普段あまり見ない春虎の慌てた表情を見た秋護は、少し表情を緩めて、提案されたことを反芻した。
「身体強化?」
「はい。僕だって、一応アレなので、色々工夫しないと自分よりも大きな人には対処できません。だから、体術の応用や、身体強化などを用いて自分よりも大きい人との対人戦や魔生物と戦っています!!」
それを聞いた秋護は、今まで自然に受け入れていた春虎の鬼強ぶりの理由を聞いて少し希望が見えてきたと思った。
「春虎ちゃん!!その身体強化を伝授してくれ!!」
「はい!!」
こうして、椿流忍術の門外不出の業を伝授されることになった秋護だったが、これが今後大変なことになるとは想像もしていない秋護だった。
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