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第七十話 ユリウスの長い一日③
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自分が想像していたことよりも大変な事態が起こっていたことに、ユリウスは頭を抱えていた。
春虎の服装が出かけた時とは違うことから、てっきり着替え中のところを覗いてしまい下着姿でも目撃したのだろうと思っていたが、それ以上の出来事があったとレオールが口を滑らせたことによって判明した。
そう、肌と言っても、色々な部位がある。しかし、春虎が言葉を遮るような場所と考えると以前自分が偶然目撃してしまったような情景が頭をよぎる。
まさかとは思いつつも、明らかに少年に対するものではなくなっていたレオールの態度から、自分と同じケースで性別が明らかになったと考えて間違いないだろう。
春虎の変なところで無防備になることに対してお説教をしたいところではあるが、ユリウスが本当の性別を知っていることの理由を尋ねられることを避けるため、今回は不問にしようと心に決めた。
そうこうしていると、なかなかリビングに戻ってこない三人の様子を見に来た秋護がまたもや爆弾を投下してくれた。
「おかえり~。おお、行きと違う服装だ。どうしたんだ?まさか、帰り際に暴漢にでも襲われて、撃退は出来たけど着ているものが汚れたとか言って着替えてきたとか?」
秋護の見ていたような言葉の数々に無言になった春虎とレオールだったが、ユリウスは秋護セリフに無言で驚いた表情をする二人の様子を見ることにして、続く言葉も止めずにそのまま黙っていた。
「ほほう。その態度は、図星かな?で、体の汚れを落とすとか言って、春虎ちゃんがお湯を使っているときに、ラッキースケベしちゃって、裸を見ちゃって……。なんて?な、ん、て……?えっ?まじで、まじなのか?おいおいおいおい。レオールさんそれはちょっと……。ねぇ、違うって言ってよ!!なんで無言で赤くなるの?レオールさーん」
天然で確信に触れた秋護は「マジか、まさかの王道ラッキースケベ展開……。ただし、イケメンに限る!!」と、一人盛り上がっていたが、ユリウスは完全にレオールが春虎を女性として扱っていると確信を持った。そして、昨日の様子から告白に至ったのではないかと考えた。
(何ということだ。ウィルが呪いで告白すらままならないというのに……。このままでは分が悪すぎる。早急に手を打たなければ)
ユリウスは、ウィリアムのことを考えて今しか手を打つタイミングはないと考えたが、実際には既に手遅れであった。
しかし、それを知る前にまたもや秋護が爆弾を投下した。
「そっか。それじゃ、ここにいる人間で、春虎ちゃんのこと知らないのは船長さんだけってことか」
「「「!!!」」」
その何気ない一言に全員が勢いよく秋護の顔を見た。
春虎は唖然とした表情で秋護を見た後に、ユリウスを困惑気味に見た。
レオールは、驚いた表情をした後に何故かユリウスの方を向いて睨みつけた。
ユリウスは、目を剥いた後に顔に片手を当てて上を仰いだ。
「秋護さん!!」
「あっ。やべ、ついうっかり。こめんね。でも、副船長さんはいつからかは知らないけど、気が付いていたみたいだよ?」
「シューゴ!!」
「いや~、別に口止めされてなかったし。副船長さん、そう怖い顔しないでくださいよ」
「おい、ユリウス。お前はいつ、どうやって気が付いたんだ。事と次第によっては、手荒なことになると思え」
明らかに、ユリウスに向けて敵意のこもった視線を向けて物騒なことを言い出したレオールに、ユリウスは少し不機嫌そうに言った。
「お前に言われる筋合いはない」
「ある!!何しろ私は、リアの夫(希望)になる男だからだ!!」
「ちょっ!!レオールさん!!」
夫になると自信満々で言い切ったレオールに慌てた様子で止めに入ったが時すでに遅し。レオールの言葉を聞いたユリウスと秋護は急展開について行けずに唖然とした表情のまま固まっていたが、ユリウスが先に正気に戻ってレオールにツッコんだ。
「なんで夫!!」
「今日のことで、私がリアのことが好きなのだと気が付いたからだ。だから、先程プロポーズをした。知っているなら話は早い。私は、リアが望むのなら今の状態だとしても構わない」
あまりにも堂々とした態度で言い切るレオールに、流石のユリウスも表情を引きつらせながらも反論をした。
「仮に、仮にだ。お前とハル坊が両思いになったとしてだ。理由はわからないが、一生今のままの格好で過ごすと言ったら、お前は男色として認知されるんだぞ?それに、三男とは言え侯爵家の人間がそんなスキャンダル、マズイだろうが」
「リアにも言ったが、私はそれでも構わない。この初恋を私は大切に育みたい」
「育みたいのに突然のプロポーズって、レオールさんはやることがパないなぁ……」
呆れたような秋護の言葉を気にした風もないレオールは続けていった。
「うかうかしていたら、リアの魅力に気がついた人間に先を越されてしまう。そんなこと我慢ならない。私は常に攻めの姿勢で行くことにした。これからは、積極的にアピールするからそのつもりでいてくれ」
最後の方は、春虎に向かって宣言をしたレオールだったが、その言葉を聞いたユリウスと秋護は同時に頭を抱えた。
(こいつ、ウィルと同類だ。しかも、ヘタレでも残念でもないぶん圧倒的にウィルが不利だ……)
(レオールさん、漢らしい……。船長さん、圧倒的に不利で可哀想になってきた。船長さんが有利なところって……、ないな。うん。俺は春虎ちゃんの味方だから、誰と付き合おうとただ見守るだけだ)
こうして、玄関先での一騒動はレオールの圧倒的有利をユリウスと秋護に印象づけて幕を下ろした。
春虎の服装が出かけた時とは違うことから、てっきり着替え中のところを覗いてしまい下着姿でも目撃したのだろうと思っていたが、それ以上の出来事があったとレオールが口を滑らせたことによって判明した。
そう、肌と言っても、色々な部位がある。しかし、春虎が言葉を遮るような場所と考えると以前自分が偶然目撃してしまったような情景が頭をよぎる。
まさかとは思いつつも、明らかに少年に対するものではなくなっていたレオールの態度から、自分と同じケースで性別が明らかになったと考えて間違いないだろう。
春虎の変なところで無防備になることに対してお説教をしたいところではあるが、ユリウスが本当の性別を知っていることの理由を尋ねられることを避けるため、今回は不問にしようと心に決めた。
そうこうしていると、なかなかリビングに戻ってこない三人の様子を見に来た秋護がまたもや爆弾を投下してくれた。
「おかえり~。おお、行きと違う服装だ。どうしたんだ?まさか、帰り際に暴漢にでも襲われて、撃退は出来たけど着ているものが汚れたとか言って着替えてきたとか?」
秋護の見ていたような言葉の数々に無言になった春虎とレオールだったが、ユリウスは秋護セリフに無言で驚いた表情をする二人の様子を見ることにして、続く言葉も止めずにそのまま黙っていた。
「ほほう。その態度は、図星かな?で、体の汚れを落とすとか言って、春虎ちゃんがお湯を使っているときに、ラッキースケベしちゃって、裸を見ちゃって……。なんて?な、ん、て……?えっ?まじで、まじなのか?おいおいおいおい。レオールさんそれはちょっと……。ねぇ、違うって言ってよ!!なんで無言で赤くなるの?レオールさーん」
天然で確信に触れた秋護は「マジか、まさかの王道ラッキースケベ展開……。ただし、イケメンに限る!!」と、一人盛り上がっていたが、ユリウスは完全にレオールが春虎を女性として扱っていると確信を持った。そして、昨日の様子から告白に至ったのではないかと考えた。
(何ということだ。ウィルが呪いで告白すらままならないというのに……。このままでは分が悪すぎる。早急に手を打たなければ)
ユリウスは、ウィリアムのことを考えて今しか手を打つタイミングはないと考えたが、実際には既に手遅れであった。
しかし、それを知る前にまたもや秋護が爆弾を投下した。
「そっか。それじゃ、ここにいる人間で、春虎ちゃんのこと知らないのは船長さんだけってことか」
「「「!!!」」」
その何気ない一言に全員が勢いよく秋護の顔を見た。
春虎は唖然とした表情で秋護を見た後に、ユリウスを困惑気味に見た。
レオールは、驚いた表情をした後に何故かユリウスの方を向いて睨みつけた。
ユリウスは、目を剥いた後に顔に片手を当てて上を仰いだ。
「秋護さん!!」
「あっ。やべ、ついうっかり。こめんね。でも、副船長さんはいつからかは知らないけど、気が付いていたみたいだよ?」
「シューゴ!!」
「いや~、別に口止めされてなかったし。副船長さん、そう怖い顔しないでくださいよ」
「おい、ユリウス。お前はいつ、どうやって気が付いたんだ。事と次第によっては、手荒なことになると思え」
明らかに、ユリウスに向けて敵意のこもった視線を向けて物騒なことを言い出したレオールに、ユリウスは少し不機嫌そうに言った。
「お前に言われる筋合いはない」
「ある!!何しろ私は、リアの夫(希望)になる男だからだ!!」
「ちょっ!!レオールさん!!」
夫になると自信満々で言い切ったレオールに慌てた様子で止めに入ったが時すでに遅し。レオールの言葉を聞いたユリウスと秋護は急展開について行けずに唖然とした表情のまま固まっていたが、ユリウスが先に正気に戻ってレオールにツッコんだ。
「なんで夫!!」
「今日のことで、私がリアのことが好きなのだと気が付いたからだ。だから、先程プロポーズをした。知っているなら話は早い。私は、リアが望むのなら今の状態だとしても構わない」
あまりにも堂々とした態度で言い切るレオールに、流石のユリウスも表情を引きつらせながらも反論をした。
「仮に、仮にだ。お前とハル坊が両思いになったとしてだ。理由はわからないが、一生今のままの格好で過ごすと言ったら、お前は男色として認知されるんだぞ?それに、三男とは言え侯爵家の人間がそんなスキャンダル、マズイだろうが」
「リアにも言ったが、私はそれでも構わない。この初恋を私は大切に育みたい」
「育みたいのに突然のプロポーズって、レオールさんはやることがパないなぁ……」
呆れたような秋護の言葉を気にした風もないレオールは続けていった。
「うかうかしていたら、リアの魅力に気がついた人間に先を越されてしまう。そんなこと我慢ならない。私は常に攻めの姿勢で行くことにした。これからは、積極的にアピールするからそのつもりでいてくれ」
最後の方は、春虎に向かって宣言をしたレオールだったが、その言葉を聞いたユリウスと秋護は同時に頭を抱えた。
(こいつ、ウィルと同類だ。しかも、ヘタレでも残念でもないぶん圧倒的にウィルが不利だ……)
(レオールさん、漢らしい……。船長さん、圧倒的に不利で可哀想になってきた。船長さんが有利なところって……、ないな。うん。俺は春虎ちゃんの味方だから、誰と付き合おうとただ見守るだけだ)
こうして、玄関先での一騒動はレオールの圧倒的有利をユリウスと秋護に印象づけて幕を下ろした。
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