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第六十四話 決着
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レオールの斜め上の言葉を聞いたリユートは、馬鹿馬鹿しくなったと言ってから神妙な表情になり頭を下げた。
「なんだか、今までの自分がやってきたことが急に馬鹿馬鹿しいと思ったよ。一人相撲で本当に何やってたんだか。レオール本当にすまない。私が馬鹿だったよ。結局、彼女は他の男のもとに行ってしまうしな。これも自業自得ってことだな。私は、お前の評判を落とすことだけに力を入れて、結局は彼女のことをそっちのけにしていたことは否めない。これは、何の罪もないお前を羨んで、貶めた罰なのだろう。本当にすまなかった。私は、これからお前の悪評を消すために手を尽くすよ」
頭を下げたリユートの言葉を聞いたレオールは、軽く頭を横に振ってそれを拒否した。
「別にリユートを恨んでもいない。それに、ある意味お前の噂のおかげで煩わしい婚約者候補がいなくなってよかったこともあった。だから、噂はそのままでも問題ないし、自分で手は打ってあるから問題ない。それに私は……。いや、なんでもない。まぁ、これは貸しとしておいてやるよ。いつか返してもらうから、精々覚悟をすることだな」
そう言って、項垂れるリユートの肩をたたいた。
こうして、一方的な恨みによる危機は去ったが、ここで問題が出た。
ブチのめした男達はいいが、春虎とレオールの姿は明らかに誰かに襲われたと言わんばかりの姿だった。
リユートは、結界の魔術を解除する前に二人を側に待たせていた馬車に乗るように指示した。
そして、雇っていた男達に報酬の他に口止め料と治療代を払ってこの場を立ち去るように指示を出したが、男達の兄貴分で春虎に一番ボコボコにされた男は、声を震わせながら「誰にも言わねぇから、あのおっかないお嬢さんに言ってくれ。もう手出しはしないから、勘弁してくれと」と。
三人が馬車に乗ったところで、術を解除したリユートは御者に馬車を出すように言った。
馬車は、ゆっくりと走り出した。
数分の間ゆっくりと進む馬車の中で誰も喋ろうとはしなかった。
リユートは目を瞑った状態で下を向き、レオールは馬車から見える外の景色をぼんやりとした表情で眺め、春虎は馬車の椅子の上で三角座りになって、膝に顔を埋めてうつらうつらとしていた。
いくら忍術の修行で鍛えているからと言って、全く疲れないわけではない。今回は、最終的に八人の相手をしたのだ。それくらいは問題なかったが、使い慣れていない結界術を使いつつ八人を相手にしたのだからいつも以上に消耗していた。
隣に座る春虎が眠そうにしていることに気付いたレオールは、馬車の目的地を尋ねた。まだ時間がかかるなら、春虎に膝を貸そうと考えての確認だった。
「この馬車はどこに向かっているんだ?」
「ああ、私の隠れ家として使っている屋敷に向かっている。他の貴族たちにはあまり知られていない私の屋敷だから安心しろ。もうすぐ着く。そこで怪我の手当と着替えをしてもらってからお前の家まで送る、と思ったがお嬢さんが眠そうだから少し休んでいくといい。彼女が疲れた原因の私が言うのもあれだがな」
リユートの言葉の通り、それから直ぐに馬車は止まった。そこは、貴族の屋敷としては小さめだがそこそこの広さがあった。
先に馬車から降りたレオールは、春虎に手を差し出した。少し眠そうにした春虎は、その手を取って馬車を降りてから周辺を見渡した。
よく整えられた庭に、屋敷もそこそこの広さだった。
(これで隠れ家……。さすが貴族ですね)
屋敷に入ると、この家の執事と思われる男が三人を迎えた。
「おかえりなさいませ」
「悪いが、怪我人がいるので医者の手配と二人に服を準備してくれ」
「かしこまりました」
よく躾けられているようで執事は、表情も変えずに言われたことを実行するため直ぐにその場を離れた。
医者は直ぐに駆けつけた。その医者も詮索はせずに、素早くレオールの腕の火傷の手当をした。帰り際に、夜熱が出るかもしれないからと、火傷の薬の他に解熱剤も処方もしてから帰っていった。
春虎は、レオールの治療の間に身だしなみを整えるためにバスルームに通されていた。風呂に浸かりたい気持ちはあったがここも蒸し風呂だったため、魔術でお湯を浴びるだけに留めた。
うっかり鬘をしたままお湯を浴びたため、体を拭いてから布を巻いた状態で魔術を使って丁寧に鬘を乾かす。
鬘を乾かしながら、今日の出来事について考える。
(結局、ダディオスさんは一人で空回りして、レオールさんはそれに巻き込まれたってこと?なんか、結果オーライ的な感じで纏まったみたいだけど……。っていうかレオールさんって結構いい性格してるかも。あの、「私に構って欲しかった」とか、「私が令嬢に取られるかもだなんて、変な心配をするな」とかって、結局は本気で言っていたわけではなくて、ダディオスさんの暴走の原因は、きちんと分かった上で敢えて、ダディオスさんの戦意を挫くために、斜め上の発言をしたってことだよね?もしそうでなくて、本気で言っていたとしたらそれはそれで恐ろしいな……。後で聞いてみよう……)
そんなことをうつらうつらと考えていると、後ろで扉が開く音がした。
「リア、随分と時間がかかっているみたいだが大丈夫か?」
そう言って、心配そうな表情をしたレオールが洗面所に現れた。
「レオールさん、鬘を濡らしてしまって。今乾かしているところで……」
考え事と、眠気のせいでか完全に今の格好を失念していた春虎は、のんびりとした口調で鬘を乾かしているところだと説明した。しかし、説明している途中で布を巻いただけの姿だったことを思い出して固まった。
幸いなことに、扉には背を向けている状態だったので気が付かれることはないだろうと気を取り直して、後ろを向いたまま怪我の具合を確認することにした。
「それよりも、怪我の具合はどうでしたか?」
「あっ、ああ。大したことはなかった。数日で痛みも引くと診断され―――」
レオールがそこまで言ったところで言葉を詰まらせた。どうしたのかと、ぼんやりと会話をしていた春虎は布がいつの間にか落下してしまったことに気が付いた。
(あっ。お尻は見られてしまいましたが、後ろ姿だしいいか)
そんなことを考えていると、何故か声を震わせたレオールが扉を急いで締めてから言った。
「わっ、悪い。そんなつもりはなかった、リアは男の子だからと様子を見に来てしまったが、本当にそんなつもりはなかった!!今見たことは忘れる……、事はできないが、償いはする。私が責任を取るから」
そう言って、その場を離れていった。
春虎は、何故急に意味不明な言い訳をしたのか疑問に思いながらも鬘が乾いたため、用意してもらったワンピースに着替えて鬘をかぶってから、身だしなみを確認するため鏡を見た春虎は固まった。
そう、この部屋には鏡が設置されていたのだ。
(あああー!!やってしまった!!完璧に全裸見られてた!)
何故、レオールが突然意味不明な言葉を発したのかを理解した春虎は頭を抱えた。
鏡に写った春虎の裸を見て、動揺してあの言葉を発したのだとしたら、彼のこれからの行動を考えると気が重くて洗面所から出ていくのが億劫になった。
しかし、いつまでもこうしてはいられない。身だしなみに問題がなかったことを確認した春虎は、覚悟を決めてレオールたちのいる部屋へと向かった。
「なんだか、今までの自分がやってきたことが急に馬鹿馬鹿しいと思ったよ。一人相撲で本当に何やってたんだか。レオール本当にすまない。私が馬鹿だったよ。結局、彼女は他の男のもとに行ってしまうしな。これも自業自得ってことだな。私は、お前の評判を落とすことだけに力を入れて、結局は彼女のことをそっちのけにしていたことは否めない。これは、何の罪もないお前を羨んで、貶めた罰なのだろう。本当にすまなかった。私は、これからお前の悪評を消すために手を尽くすよ」
頭を下げたリユートの言葉を聞いたレオールは、軽く頭を横に振ってそれを拒否した。
「別にリユートを恨んでもいない。それに、ある意味お前の噂のおかげで煩わしい婚約者候補がいなくなってよかったこともあった。だから、噂はそのままでも問題ないし、自分で手は打ってあるから問題ない。それに私は……。いや、なんでもない。まぁ、これは貸しとしておいてやるよ。いつか返してもらうから、精々覚悟をすることだな」
そう言って、項垂れるリユートの肩をたたいた。
こうして、一方的な恨みによる危機は去ったが、ここで問題が出た。
ブチのめした男達はいいが、春虎とレオールの姿は明らかに誰かに襲われたと言わんばかりの姿だった。
リユートは、結界の魔術を解除する前に二人を側に待たせていた馬車に乗るように指示した。
そして、雇っていた男達に報酬の他に口止め料と治療代を払ってこの場を立ち去るように指示を出したが、男達の兄貴分で春虎に一番ボコボコにされた男は、声を震わせながら「誰にも言わねぇから、あのおっかないお嬢さんに言ってくれ。もう手出しはしないから、勘弁してくれと」と。
三人が馬車に乗ったところで、術を解除したリユートは御者に馬車を出すように言った。
馬車は、ゆっくりと走り出した。
数分の間ゆっくりと進む馬車の中で誰も喋ろうとはしなかった。
リユートは目を瞑った状態で下を向き、レオールは馬車から見える外の景色をぼんやりとした表情で眺め、春虎は馬車の椅子の上で三角座りになって、膝に顔を埋めてうつらうつらとしていた。
いくら忍術の修行で鍛えているからと言って、全く疲れないわけではない。今回は、最終的に八人の相手をしたのだ。それくらいは問題なかったが、使い慣れていない結界術を使いつつ八人を相手にしたのだからいつも以上に消耗していた。
隣に座る春虎が眠そうにしていることに気付いたレオールは、馬車の目的地を尋ねた。まだ時間がかかるなら、春虎に膝を貸そうと考えての確認だった。
「この馬車はどこに向かっているんだ?」
「ああ、私の隠れ家として使っている屋敷に向かっている。他の貴族たちにはあまり知られていない私の屋敷だから安心しろ。もうすぐ着く。そこで怪我の手当と着替えをしてもらってからお前の家まで送る、と思ったがお嬢さんが眠そうだから少し休んでいくといい。彼女が疲れた原因の私が言うのもあれだがな」
リユートの言葉の通り、それから直ぐに馬車は止まった。そこは、貴族の屋敷としては小さめだがそこそこの広さがあった。
先に馬車から降りたレオールは、春虎に手を差し出した。少し眠そうにした春虎は、その手を取って馬車を降りてから周辺を見渡した。
よく整えられた庭に、屋敷もそこそこの広さだった。
(これで隠れ家……。さすが貴族ですね)
屋敷に入ると、この家の執事と思われる男が三人を迎えた。
「おかえりなさいませ」
「悪いが、怪我人がいるので医者の手配と二人に服を準備してくれ」
「かしこまりました」
よく躾けられているようで執事は、表情も変えずに言われたことを実行するため直ぐにその場を離れた。
医者は直ぐに駆けつけた。その医者も詮索はせずに、素早くレオールの腕の火傷の手当をした。帰り際に、夜熱が出るかもしれないからと、火傷の薬の他に解熱剤も処方もしてから帰っていった。
春虎は、レオールの治療の間に身だしなみを整えるためにバスルームに通されていた。風呂に浸かりたい気持ちはあったがここも蒸し風呂だったため、魔術でお湯を浴びるだけに留めた。
うっかり鬘をしたままお湯を浴びたため、体を拭いてから布を巻いた状態で魔術を使って丁寧に鬘を乾かす。
鬘を乾かしながら、今日の出来事について考える。
(結局、ダディオスさんは一人で空回りして、レオールさんはそれに巻き込まれたってこと?なんか、結果オーライ的な感じで纏まったみたいだけど……。っていうかレオールさんって結構いい性格してるかも。あの、「私に構って欲しかった」とか、「私が令嬢に取られるかもだなんて、変な心配をするな」とかって、結局は本気で言っていたわけではなくて、ダディオスさんの暴走の原因は、きちんと分かった上で敢えて、ダディオスさんの戦意を挫くために、斜め上の発言をしたってことだよね?もしそうでなくて、本気で言っていたとしたらそれはそれで恐ろしいな……。後で聞いてみよう……)
そんなことをうつらうつらと考えていると、後ろで扉が開く音がした。
「リア、随分と時間がかかっているみたいだが大丈夫か?」
そう言って、心配そうな表情をしたレオールが洗面所に現れた。
「レオールさん、鬘を濡らしてしまって。今乾かしているところで……」
考え事と、眠気のせいでか完全に今の格好を失念していた春虎は、のんびりとした口調で鬘を乾かしているところだと説明した。しかし、説明している途中で布を巻いただけの姿だったことを思い出して固まった。
幸いなことに、扉には背を向けている状態だったので気が付かれることはないだろうと気を取り直して、後ろを向いたまま怪我の具合を確認することにした。
「それよりも、怪我の具合はどうでしたか?」
「あっ、ああ。大したことはなかった。数日で痛みも引くと診断され―――」
レオールがそこまで言ったところで言葉を詰まらせた。どうしたのかと、ぼんやりと会話をしていた春虎は布がいつの間にか落下してしまったことに気が付いた。
(あっ。お尻は見られてしまいましたが、後ろ姿だしいいか)
そんなことを考えていると、何故か声を震わせたレオールが扉を急いで締めてから言った。
「わっ、悪い。そんなつもりはなかった、リアは男の子だからと様子を見に来てしまったが、本当にそんなつもりはなかった!!今見たことは忘れる……、事はできないが、償いはする。私が責任を取るから」
そう言って、その場を離れていった。
春虎は、何故急に意味不明な言い訳をしたのか疑問に思いながらも鬘が乾いたため、用意してもらったワンピースに着替えて鬘をかぶってから、身だしなみを確認するため鏡を見た春虎は固まった。
そう、この部屋には鏡が設置されていたのだ。
(あああー!!やってしまった!!完璧に全裸見られてた!)
何故、レオールが突然意味不明な言葉を発したのかを理解した春虎は頭を抱えた。
鏡に写った春虎の裸を見て、動揺してあの言葉を発したのだとしたら、彼のこれからの行動を考えると気が重くて洗面所から出ていくのが億劫になった。
しかし、いつまでもこうしてはいられない。身だしなみに問題がなかったことを確認した春虎は、覚悟を決めてレオールたちのいる部屋へと向かった。
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