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第一部
第31話 ジョエルさんは立派な宰相さん?
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お城からの帰り道で、今日のお昼ご飯についてのリクエストがあるか聞いてみたが、二人とも招かれている身で贅沢は言えないとか何とか?なので、以前二人が食べたいと言っていた、チーズインハンバーグとオムライスのセットにしようと二人に伝えた。
「「あなたは、女神なのか」」
二人とも、その返答は返事に困るのでやめて下さい。
そうやっている内に、お店に到着した。駆君にはお店に行って、タイガ君のお手伝いをしてもらって、二人にはご飯が出来上がるまでリビングで待ってもらうことにした。
手早く人数分の料理を作り終えたタイミングで、お昼休憩のためにお店を閉めた二人があらわれたので、ジョエルさん達を呼んでもらい昼食にした。
お昼ご飯を食べながらロジエルさんに空飛ぶ箒のレシピの説明をした。
「なるほど、なるほど。よろしければ、謎の白い花を見せてもらってもいいですか?」
「はい、出来れば何という花なのか名前が分かるといいんですが……」
「もし、私が知る中にないのであれば、小春君が名前をつけてもいいかもしれませんね」
「出来れば、ロジエルさんが知っている花だといいなぁ……」
お昼を食べ終わった私と、ロジエルさんはジョエルさんを放っておいて庭に出た。ジョエルさんは、食いしん坊と言うか、甘いものに目が無いようで、デザートに出したフルーツゼリーにご執心だったのよね。
謎の白い花は、植える場所は変えていないものの、ワインの材料になることが分かってから数を増やすことに成功していた。庭に出て私はロジエルさんを謎の白い花の咲いている場所に案内した。
「こっ、これは……」
「知っている花でしたか?」
「はい。これは、聖花と呼ばれる花ですね。昔、始まりの聖女が生み出したとされる花です。実在していたとは……。小春君、この花は本当にもともと、ここに植えてあったのですか?」
「元々、生えていた場所は向こうでしたが、確かに、この庭に生えていましたよ」
「そうですか……」
「どうしたんですか?」
「いえ、数十年も前に正教会で花を枯らせてしまってからは、咲いているという記録を見たことがなかったので、少し不思議に思いまして」
「う~ん。それは不思議ですね。でも、ここに生えていたことに変わりはないですし、きっと、記録にもれでもあったんじゃないですか?」
「不思議ですが、そう言うことにしておきましょう。深く考えてもこればかりは、何の記録もないのでは確認のしようがありませんからね」
疑問はあったものの、考えてもしかたがないと結論を付けて、そのまま工房見学のため場所を移動することになった。
工房に移動してからは、今まで作った物の話や、錬金窯さんの話をしていたらあっという間に日が傾いていた。
私達が錬金術話で盛り上がっていた時、ジョエルさんはと言うとお店に置いているお菓子を買って、ひたすら食べていたそうよ。
もしかして、ケーキの……いえ、王子様に最高のケーキをプレゼントしたいのは本当だと思うよ。ただ、私情が……、いいえ、私ジョエルさんは立派な宰相さんだって信じるよ。ただ、自分がケーキを食べたくて試食したいとか…………そうかも、いえ。あまり深く考えては駄目ね、きっと。
ロジエルさんの訪問目的は果たされたとは思うけど、これからも意見交換をしたいから、ちょくちょくお店に顔を出すよと言って、「お菓子が~」と言うジョエルさんを引きづりながらお城へ帰って行った。
なんだか、お店に偉い人が集まる予感しかしないけど、きっと、ジョエルさん達以外には来ないよね?
そんなことを考えていると、タイガ君が工房にやってきた。
「ねぇ、小春さん。いまさら何だけど、今回の件って何をお祝いするためなの?」
「あれ?言っていなかったっけ?第二王子の成人のお祝いらしいわよ」
「成人―――の祝いですか。と言うことは、アレからそんなに時間が……」
「どうしたの?」
「いえ、何でもないです」
タイガ君、どうしたんだろう?なんだか、お祝いの内容を言ったあとから様子が変な気がするけど……。
あまり、聞いて欲しくない顔をしていたから深くは聞けなかったけど、このこともいつか話してくれるかな?
「「あなたは、女神なのか」」
二人とも、その返答は返事に困るのでやめて下さい。
そうやっている内に、お店に到着した。駆君にはお店に行って、タイガ君のお手伝いをしてもらって、二人にはご飯が出来上がるまでリビングで待ってもらうことにした。
手早く人数分の料理を作り終えたタイミングで、お昼休憩のためにお店を閉めた二人があらわれたので、ジョエルさん達を呼んでもらい昼食にした。
お昼ご飯を食べながらロジエルさんに空飛ぶ箒のレシピの説明をした。
「なるほど、なるほど。よろしければ、謎の白い花を見せてもらってもいいですか?」
「はい、出来れば何という花なのか名前が分かるといいんですが……」
「もし、私が知る中にないのであれば、小春君が名前をつけてもいいかもしれませんね」
「出来れば、ロジエルさんが知っている花だといいなぁ……」
お昼を食べ終わった私と、ロジエルさんはジョエルさんを放っておいて庭に出た。ジョエルさんは、食いしん坊と言うか、甘いものに目が無いようで、デザートに出したフルーツゼリーにご執心だったのよね。
謎の白い花は、植える場所は変えていないものの、ワインの材料になることが分かってから数を増やすことに成功していた。庭に出て私はロジエルさんを謎の白い花の咲いている場所に案内した。
「こっ、これは……」
「知っている花でしたか?」
「はい。これは、聖花と呼ばれる花ですね。昔、始まりの聖女が生み出したとされる花です。実在していたとは……。小春君、この花は本当にもともと、ここに植えてあったのですか?」
「元々、生えていた場所は向こうでしたが、確かに、この庭に生えていましたよ」
「そうですか……」
「どうしたんですか?」
「いえ、数十年も前に正教会で花を枯らせてしまってからは、咲いているという記録を見たことがなかったので、少し不思議に思いまして」
「う~ん。それは不思議ですね。でも、ここに生えていたことに変わりはないですし、きっと、記録にもれでもあったんじゃないですか?」
「不思議ですが、そう言うことにしておきましょう。深く考えてもこればかりは、何の記録もないのでは確認のしようがありませんからね」
疑問はあったものの、考えてもしかたがないと結論を付けて、そのまま工房見学のため場所を移動することになった。
工房に移動してからは、今まで作った物の話や、錬金窯さんの話をしていたらあっという間に日が傾いていた。
私達が錬金術話で盛り上がっていた時、ジョエルさんはと言うとお店に置いているお菓子を買って、ひたすら食べていたそうよ。
もしかして、ケーキの……いえ、王子様に最高のケーキをプレゼントしたいのは本当だと思うよ。ただ、私情が……、いいえ、私ジョエルさんは立派な宰相さんだって信じるよ。ただ、自分がケーキを食べたくて試食したいとか…………そうかも、いえ。あまり深く考えては駄目ね、きっと。
ロジエルさんの訪問目的は果たされたとは思うけど、これからも意見交換をしたいから、ちょくちょくお店に顔を出すよと言って、「お菓子が~」と言うジョエルさんを引きづりながらお城へ帰って行った。
なんだか、お店に偉い人が集まる予感しかしないけど、きっと、ジョエルさん達以外には来ないよね?
そんなことを考えていると、タイガ君が工房にやってきた。
「ねぇ、小春さん。いまさら何だけど、今回の件って何をお祝いするためなの?」
「あれ?言っていなかったっけ?第二王子の成人のお祝いらしいわよ」
「成人―――の祝いですか。と言うことは、アレからそんなに時間が……」
「どうしたの?」
「いえ、何でもないです」
タイガ君、どうしたんだろう?なんだか、お祝いの内容を言ったあとから様子が変な気がするけど……。
あまり、聞いて欲しくない顔をしていたから深くは聞けなかったけど、このこともいつか話してくれるかな?
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