23 / 71
第一部
第23話 イケメンなのに残念な人
しおりを挟む
開き直ったギルドマスターは、まずいと思ったのか、更にいい訳を始めた。
「もっ、もちろん、俺だけで飲んだんじゃないぞ。ギルドの職員全員でだからな!」
あっ、組織ぐるみでの隠ぺいだったんですね。ここは、ダメな大人の巣窟ですか?
「それに、あんな旨いものをおいそれと、それも数本も置いてく方が悪い!」
えっ!こっちに飛び火したんだけど……。
それに、私はどちらかと言うと被害者です。持っているものすべて置いて行けとすごい顔で脅迫されたんですから。
「ゴホン!そんなことより、買い取り価格の話をだな……」
「そうですね。小春さんの時間をいただいているので、これ以上時間を取らせるのも申し訳ないですしね。この話は後ほどじっくりといたしましょう。ギルドマスター」
食べ物の恨みってすごいね。宰相さん、すごくいい笑顔だけど全然目が笑ってないです。この後、ギルドマスターが無事生き残れますように。
「さて、ロジエルと話しあいましたが、金100枚で買い取りましょう」
「金100枚!!多すぎです!!」
「いえ、そんなことはありません。これでも安いと思いますよ」
「えぇ~。そんな金額を付けられたらお店に置けないです……」
「おい!店に置くんだったらその値段でも俺は買うから安心しろ!」
「ちょっと、ギルドマスターは黙っていてください」
「……」
肩身の狭い状態のギルドマスターは、宰相さんにそう言われて押し黙っていた。
でも、金100枚だなんて、7年は働かなくても食べていける金額だ。
そんな金額の商品をお店に置く訳にはいかない。私の中では、ちょっとお高い嗜好品の位置づけだったので、お店に置くなら銀10枚と考えていたのに……。
お城の人って、金銭感覚おかしいの?いや、でもお城を出来る時3年分の生活費としてもらった金額は金40枚だったことを思い出し、おかしいのは宰相さんとロジエルさんと言うことで私の中で決着が付いた。
「小春さん。この金額は、【幸福のワイン】1本の価格ではなく、レシピ代や研究費、もろもろの経費込みでの値段と考えて下さい。お店で販売する時はお好きな値段でどうぞ」
「そうですか、それなら心おきなく銀10枚で販売できそうで良かったです」
「「「「「銀10枚!!!」」」」」
「えっ?高すぎますか?」
「「「「「逆!!安すぎだから!!」」」」」
大人達に突っ込まれた。そうだよね、王子様にプレゼントする物が銀10枚で買えたらまずいよね。
「すみません。王子様にプレゼントするものとして、この金額はまずいですよね。それなら、残念ですけどお店には置かないことにしますね」
そういって、今後売らないことを決めた。宰相さんが用意したプレゼントが安い品物だったら沽券にかかわるもんね。それに、王子様にも悪いし。
「そっ、そんな……。もう飲めないのか。いや、完全受注制にして金100枚でもいいから売ってくれ!!」
ギルドマスター……。必至すぎでちょっと引きます。そう思っていたら。
「俺からもお願いしたい。メリッサがすごく気に入っていてね。また飲みたいと言っていたから、是非売ってもらいたい」
思わぬ援護射撃が来たよ。そっか、メリッサさん気にいってくれたんだ。良かった。
「それなら、今度うちで夕飯でも食べながらどうですか?また、フェルトさんも呼んで!」
「それは、メリッサも喜ぶ!俺もメリッサが喜ぶ顔見れて嬉しいよ。小春さんありがとう」
「いえいえ、それじゃぁ、皆さんの都合が合う日でご飯会をしましょう」
「わかった。メリッサはいつでも大丈夫と言ってくれるはずだから、俺と姉貴の都合のいい日を確認して伝えるよ」
そう言って、ご飯会の企画が立ち上がった。
「ちょっと待て、副団長殿はいつ飲んだんだ?」
「先日、小春さんが美味しいジュースが出来たからと試飲会を開いてくれた。蓋を開けてみると、ジュースではなくワインだったが。あの時に食べたピザと言ったか、あのとろとろにとろけたチーズがワインと合って旨かった。あのときは、【幸福のワイン】が生きている内に飲めるとは思わなかったよ。小春さん、あの時の物が【幸福のワイン】だったんですよね」
「そうです、フェルトさんには試飲してもらった後に伝えましたが、味の感想を聞いてみたくて皆さんを誘いました」
「ちょ、ちょっと待て。待て待て。ぴざって何だ?他にも旨いものがあるのか?」
おっと、ギルドマスターそっちに食いついたのね。ぐいぐい来るね。そう考えていたら、ファニスさんがその時のメニューについて説明した。追撃するように、駆君とタイガ君も日々食べているご飯について話し始めた。なんだか、この流れって……
「俺も行く!いつでも良いからその食事会に呼んでくれ!」
あぁ、食い気というか本能に忠実な人なんだね。イケメンなのに残念な人の称号を贈るよ。そんなことを考えていると、宰相さんとロジエルさん、騎士団長も何故か参戦していた。
「ほうほう、そのちーずいんはんばーぐとやらを私は食べてみたいです」
「いやいや、宰相。ここはおむらいすというやつのほうが興味がありますよ」
「それなら、食べ比べてみればいいのでは。俺はどっちも食べたい。と言うか聞いた料理すべて食べたい」
「「なるほど、それは名案だ」」
ちょっ!名案じゃないよ!このままだと、ここのメンバーがご飯会に集まることになってしまう。偉そうな人、と言うか実際に偉い人たちがうちに来るなんて絶対近所で噂になって、住みにくくなっちゃうよ。それだけは絶対に避けたい。
「―――やです」
「?」
「嫌です!!」
思わず、私は全力で拒否の言葉を叫んでしまっていた。
「私は、のんびり生活したいんです!うちに国の偉い人が来たら騒がれちゃいます!!ただでさえ異世界から来た事を秘密にしていたのに、これ以上秘密を増やさせないで下さい!!」
会議室が私の絶叫で静まり返った。そして、思わず余計なことを口走ってしまったことに遅れて気が付いたのだった。
「もっ、もちろん、俺だけで飲んだんじゃないぞ。ギルドの職員全員でだからな!」
あっ、組織ぐるみでの隠ぺいだったんですね。ここは、ダメな大人の巣窟ですか?
「それに、あんな旨いものをおいそれと、それも数本も置いてく方が悪い!」
えっ!こっちに飛び火したんだけど……。
それに、私はどちらかと言うと被害者です。持っているものすべて置いて行けとすごい顔で脅迫されたんですから。
「ゴホン!そんなことより、買い取り価格の話をだな……」
「そうですね。小春さんの時間をいただいているので、これ以上時間を取らせるのも申し訳ないですしね。この話は後ほどじっくりといたしましょう。ギルドマスター」
食べ物の恨みってすごいね。宰相さん、すごくいい笑顔だけど全然目が笑ってないです。この後、ギルドマスターが無事生き残れますように。
「さて、ロジエルと話しあいましたが、金100枚で買い取りましょう」
「金100枚!!多すぎです!!」
「いえ、そんなことはありません。これでも安いと思いますよ」
「えぇ~。そんな金額を付けられたらお店に置けないです……」
「おい!店に置くんだったらその値段でも俺は買うから安心しろ!」
「ちょっと、ギルドマスターは黙っていてください」
「……」
肩身の狭い状態のギルドマスターは、宰相さんにそう言われて押し黙っていた。
でも、金100枚だなんて、7年は働かなくても食べていける金額だ。
そんな金額の商品をお店に置く訳にはいかない。私の中では、ちょっとお高い嗜好品の位置づけだったので、お店に置くなら銀10枚と考えていたのに……。
お城の人って、金銭感覚おかしいの?いや、でもお城を出来る時3年分の生活費としてもらった金額は金40枚だったことを思い出し、おかしいのは宰相さんとロジエルさんと言うことで私の中で決着が付いた。
「小春さん。この金額は、【幸福のワイン】1本の価格ではなく、レシピ代や研究費、もろもろの経費込みでの値段と考えて下さい。お店で販売する時はお好きな値段でどうぞ」
「そうですか、それなら心おきなく銀10枚で販売できそうで良かったです」
「「「「「銀10枚!!!」」」」」
「えっ?高すぎますか?」
「「「「「逆!!安すぎだから!!」」」」」
大人達に突っ込まれた。そうだよね、王子様にプレゼントする物が銀10枚で買えたらまずいよね。
「すみません。王子様にプレゼントするものとして、この金額はまずいですよね。それなら、残念ですけどお店には置かないことにしますね」
そういって、今後売らないことを決めた。宰相さんが用意したプレゼントが安い品物だったら沽券にかかわるもんね。それに、王子様にも悪いし。
「そっ、そんな……。もう飲めないのか。いや、完全受注制にして金100枚でもいいから売ってくれ!!」
ギルドマスター……。必至すぎでちょっと引きます。そう思っていたら。
「俺からもお願いしたい。メリッサがすごく気に入っていてね。また飲みたいと言っていたから、是非売ってもらいたい」
思わぬ援護射撃が来たよ。そっか、メリッサさん気にいってくれたんだ。良かった。
「それなら、今度うちで夕飯でも食べながらどうですか?また、フェルトさんも呼んで!」
「それは、メリッサも喜ぶ!俺もメリッサが喜ぶ顔見れて嬉しいよ。小春さんありがとう」
「いえいえ、それじゃぁ、皆さんの都合が合う日でご飯会をしましょう」
「わかった。メリッサはいつでも大丈夫と言ってくれるはずだから、俺と姉貴の都合のいい日を確認して伝えるよ」
そう言って、ご飯会の企画が立ち上がった。
「ちょっと待て、副団長殿はいつ飲んだんだ?」
「先日、小春さんが美味しいジュースが出来たからと試飲会を開いてくれた。蓋を開けてみると、ジュースではなくワインだったが。あの時に食べたピザと言ったか、あのとろとろにとろけたチーズがワインと合って旨かった。あのときは、【幸福のワイン】が生きている内に飲めるとは思わなかったよ。小春さん、あの時の物が【幸福のワイン】だったんですよね」
「そうです、フェルトさんには試飲してもらった後に伝えましたが、味の感想を聞いてみたくて皆さんを誘いました」
「ちょ、ちょっと待て。待て待て。ぴざって何だ?他にも旨いものがあるのか?」
おっと、ギルドマスターそっちに食いついたのね。ぐいぐい来るね。そう考えていたら、ファニスさんがその時のメニューについて説明した。追撃するように、駆君とタイガ君も日々食べているご飯について話し始めた。なんだか、この流れって……
「俺も行く!いつでも良いからその食事会に呼んでくれ!」
あぁ、食い気というか本能に忠実な人なんだね。イケメンなのに残念な人の称号を贈るよ。そんなことを考えていると、宰相さんとロジエルさん、騎士団長も何故か参戦していた。
「ほうほう、そのちーずいんはんばーぐとやらを私は食べてみたいです」
「いやいや、宰相。ここはおむらいすというやつのほうが興味がありますよ」
「それなら、食べ比べてみればいいのでは。俺はどっちも食べたい。と言うか聞いた料理すべて食べたい」
「「なるほど、それは名案だ」」
ちょっ!名案じゃないよ!このままだと、ここのメンバーがご飯会に集まることになってしまう。偉そうな人、と言うか実際に偉い人たちがうちに来るなんて絶対近所で噂になって、住みにくくなっちゃうよ。それだけは絶対に避けたい。
「―――やです」
「?」
「嫌です!!」
思わず、私は全力で拒否の言葉を叫んでしまっていた。
「私は、のんびり生活したいんです!うちに国の偉い人が来たら騒がれちゃいます!!ただでさえ異世界から来た事を秘密にしていたのに、これ以上秘密を増やさせないで下さい!!」
会議室が私の絶叫で静まり返った。そして、思わず余計なことを口走ってしまったことに遅れて気が付いたのだった。
10
お気に入りに追加
131
あなたにおすすめの小説
傷だらけの令嬢 〜逃げ出したら優しい人に助けられ、騎士様に守られています〜
m
恋愛
母親が亡くなり、父親の遣いを名乗る者が訪ねてきて貴族の邸宅に引き取られることになったソフィア。
戸惑いながらも、会ったことのない家族との生活に期待を膨らませていた。
そんなソフィアの心を、父と義姉の容赦ない罵声が打ち砕く。
「おまえはここで死ぬまで働くのだ!」
「邪魔よっ。あなたの顔を見ると虫唾が走るわ」
不遇な境遇の中から逃げ出そうともがき、
初めて人の優しさに触れるソフィア。
幸せを夢見るソフィアが幸せを掴むまで。
暴力シーンや襲われそうになるシーンあります。苦手な方はお気をつけ下さい。R指定は念の為です。
時々文章改稿や、追加しています。
ご容赦ください
第二部完結しました
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
美形王子様が私を離してくれません!?虐げられた伯爵令嬢が前世の知識を使ってみんなを幸せにしようとしたら、溺愛の沼に嵌りました
葵 遥菜
恋愛
道端で急に前世を思い出した私はアイリーン・グレン。
前世は両親を亡くして児童養護施設で育った。だから、今世はたとえ伯爵家の本邸から距離のある「離れ」に住んでいても、両親が揃っていて、綺麗なお姉様もいてとっても幸せ!
だけど……そのぬりかべ、もとい厚化粧はなんですか? せっかくの美貌が台無しです。前世美容部員の名にかけて、そのぬりかべ、破壊させていただきます!
「女の子たちが幸せに笑ってくれるのが私の一番の幸せなの!」
ーーすると、家族が円満になっちゃった!? 美形王子様が迫ってきた!?
私はただ、この世界のすべての女性を幸せにしたかっただけなのにーー!
※約六万字で完結するので、長編というより中編です。
※他サイトにも投稿しています。
大自然の魔法師アシュト、廃れた領地でスローライフ
さとう
ファンタジー
書籍1~8巻好評発売中!
コミカライズ連載中! コミックス1~3巻発売決定!
ビッグバロッグ王国・大貴族エストレイヤ家次男の少年アシュト。
魔法適正『植物』という微妙でハズレな魔法属性で将軍一家に相応しくないとされ、両親から見放されてしまう。
そして、優秀な将軍の兄、将来を期待された魔法師の妹と比較され、将来を誓い合った幼馴染は兄の婚約者になってしまい……アシュトはもう家にいることができず、十八歳で未開の大地オーベルシュタインの領主になる。
一人、森で暮らそうとするアシュトの元に、希少な種族たちが次々と集まり、やがて大きな村となり……ハズレ属性と思われた『植物』魔法は、未開の地での生活には欠かせない魔法だった!
これは、植物魔法師アシュトが、未開の地オーベルシュタインで仲間たちと共に過ごすスローライフ物語。
追放された薬師は騎士と王子に溺愛される 薬を作るしか能がないのに、騎士団の皆さんが離してくれません!
沙寺絃
ファンタジー
唯一の肉親の母と死に別れ、田舎から王都にやってきて2年半。これまで薬師としてパーティーに尽くしてきた16歳の少女リゼットは、ある日突然追放を言い渡される。
「リゼット、お前はクビだ。お前がいるせいで俺たちはSランクパーティーになれないんだ。明日から俺たちに近付くんじゃないぞ、このお荷物が!」
Sランクパーティーを目指す仲間から、薬作りしかできないリゼットは疫病神扱いされ追放されてしまう。
さらにタイミングの悪いことに、下宿先の宿代が値上がりする。節約の為ダンジョンへ採取に出ると、魔物討伐任務中の王国騎士団と出くわした。
毒を受けた騎士団はリゼットの作る解毒薬に助けられる。そして最新の解析装置によると、リゼットは冒険者としてはFランクだが【調合師】としてはSSSランクだったと判明。騎士団はリゼットに感謝して、専属薬師として雇うことに決める。
騎士団で認められ、才能を開花させていくリゼット。一方でリゼットを追放したパーティーでは、クエストが失敗続き。連携も取りにくくなり、雲行きが怪しくなり始めていた――。
転生嫌われ令嬢の幸せカロリー飯
赤羽夕夜
恋愛
15の時に生前OLだった記憶がよみがえった嫌われ令嬢ミリアーナは、OLだったときの食生活、趣味嗜好が影響され、日々の人間関係のストレスを食や趣味で発散するようになる。
濃い味付けやこってりとしたものが好きなミリアーナは、令嬢にあるまじきこと、いけないことだと認識しながらも、人が寝静まる深夜に人目を盗むようになにかと夜食を作り始める。
そんななかミリアーナの父ヴェスター、父の専属執事であり幼い頃自分の世話役だったジョンに夜食を作っているところを見られてしまうことが始まりで、ミリアーナの変わった趣味、食生活が世間に露見して――?
※恋愛要素は中盤以降になります。
異世界日帰りごはん【料理で王国の胃袋を掴みます!】
ちっき
ファンタジー
異世界に行った所で政治改革やら出来るわけでもなくチートも俺TUEEEE!も無く暇な時に異世界ぷらぷら遊びに行く日常にちょっとだけ楽しみが増える程度のスパイスを振りかけて。そんな気分でおでかけしてるのに王国でドタパタと、スパイスってそれ何万スコヴィルですか!
【完結】冷酷眼鏡とウワサされる副騎士団長様が、一直線に溺愛してきますっ!
楠結衣
恋愛
触ると人の心の声が聞こえてしまう聖女リリアンは、冷酷と噂の副騎士団長のアルバート様に触ってしまう。
(リリアン嬢、かわいい……。耳も小さくて、かわいい。リリアン嬢の耳、舐めたら甘そうだな……いや寧ろ齧りたい……)
遠くで見かけるだけだったアルバート様の思わぬ声にリリアンは激しく動揺してしまう。きっと聞き間違えだったと結論付けた筈が、聖女の試験で必須な魔物についてアルバート様から勉強を教わることに──!
(かわいい、好きです、愛してます)
(誰にも見せたくない。執務室から出さなくてもいいですよね?)
二人きりの勉強会。アルバート様に触らないように気をつけているのに、リリアンのうっかりで毎回触れられてしまう。甘すぎる声にリリアンのドキドキが止まらない!
ところが、ある日、リリアンはアルバート様の声にうっかり反応してしまう。
(まさか。もしかして、心の声が聞こえている?)
リリアンの秘密を知ったアルバート様はどうなる?
二人の恋の結末はどうなっちゃうの?!
心の声が聞こえる聖女リリアンと変態あまあまな声がダダ漏れなアルバート様の、甘すぎるハッピーエンドラブストーリー。
✳︎表紙イラストは、さらさらしるな。様の作品です。
✳︎小説家になろうにも投稿しています♪
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる