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番外編
ミリアリアの習慣(1)
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ミリアリアには、長年続いた習慣があった。
その習慣は、シューニャによって矯正されていたが、ふとした瞬間にその習慣をしてしまったミリアリアを目撃してしまったジークフリートの長い長い夜のお話。
それは、結婚して間もない時期に、ジークフリートが政務の都合上どうしても王宮に戻れなかった日の出来事だった。
ミリアリアは、結婚後初めて、広いベッドで一人で寝なければならず寂しいと感じながら入浴をすませたのだ。
そして、いざ寝るとなったとき、昔の癖で着ていた寝間着を脱いでいたのだ。
パンツだけになったミリアリアは、ベッドの中に入って瞼を閉じていた。
いつもジークフリートに抱きしめられて眠っていたのに、その日はそれが無く、昔の一人っきりの夜が蘇ったからかもしれない。
メローズ王国にいた時のミリアリアは、最低限の衣食住を与えられていたのだ。
そのため、持っている服の数も限られていたため、寝間着だったものも古くなって着られなくなったワンピースを使ってリメイクして、普段着として着まわしていたのだ。
そのため、夜は裸で寝るのが普通になっていたのだ。
セイラもそのことは知っていたが、だからと言ってミリアリアの服を要求することもできずにいたため、黙認する結果となっていた。
テンペランス帝国に来るとき、それなりの衣装を持たされていたた。もちろん寝間着も然りだ。
しかし、長年の習慣の所為で、寝間着があるにもかかわらず、ミリアリアは裸で寝るのを好んだのだ。
セイラ的には、離宮の隅にある小屋で二人きりの生活であれば問題ないだろうと、ミリアリアの好きにさせていたのだ。
そんな中、ミドガルズ王国の王女が起こした事件が元で王宮に移り住むこととなったのだ。
セイラは、夜ミリアリアに寝間着を着せてから、部屋を出ていたが、そのあとミリアリアが寝間着を脱いでいたことを知ったのは、翌朝枕元にたたまれた寝間着を見たときだった。
セイラは、何度もミリアリアに夜は寝間着を着たまま寝るように言ったのだ。
しかし、目の見えていないミリアリアは、自分がいる場所を理解していなかったのだ。ミリアリアは、自分がいる場所を離宮か何かだと勘違いしていて、ここには沢山の人間がいることに気が付いていなかったのだ。
そんな中、シューニャとの出会いがあったのだ。
その後、シューニャから何度も注意されていく中で、寝間着を着たまま寝ることが出来るようになっていたのだ。
しかし、ひとり寝という状況からついうっかり、無意識に寝間着を脱いでいたのだ。
そんなことを知らないジークフリートは、急いで仕事を片付けて、馬を走らせ深夜という時間になって、王宮に戻ってきたのだ。
ジークフリートは、汗を流しながら既に眠ってしまっているミリアリアを抱きしめて眠ろうと考えたのだ。
そして、ミリアリアが眠るベッドに入ってミリアリアを抱きしめた時だった。
ミリアリアを抱きしめた時、ジークフリートの手にはすべすべとした手に心地いい感触がしたことでその身を固めることとなったのだ。
「ま……まさか……。ミリアリアは、裸で寝ている…のか?」
そう小さく零したジークフリートは、緩く首を振ってそれを否定していた。
「そんな訳ないさ……。きっと、上質の絹の……」
そう言ってから、抱きしめるミリアリアの背中に手を滑らせていた。
まさかという考えを否定するため、眠っているミリアリアに悪いと思いつつもその全身に手を滑らせたのだ。
そして確信したのだ。
ミリアリアが、パンツのみの状態で眠っているという事実を。
その習慣は、シューニャによって矯正されていたが、ふとした瞬間にその習慣をしてしまったミリアリアを目撃してしまったジークフリートの長い長い夜のお話。
それは、結婚して間もない時期に、ジークフリートが政務の都合上どうしても王宮に戻れなかった日の出来事だった。
ミリアリアは、結婚後初めて、広いベッドで一人で寝なければならず寂しいと感じながら入浴をすませたのだ。
そして、いざ寝るとなったとき、昔の癖で着ていた寝間着を脱いでいたのだ。
パンツだけになったミリアリアは、ベッドの中に入って瞼を閉じていた。
いつもジークフリートに抱きしめられて眠っていたのに、その日はそれが無く、昔の一人っきりの夜が蘇ったからかもしれない。
メローズ王国にいた時のミリアリアは、最低限の衣食住を与えられていたのだ。
そのため、持っている服の数も限られていたため、寝間着だったものも古くなって着られなくなったワンピースを使ってリメイクして、普段着として着まわしていたのだ。
そのため、夜は裸で寝るのが普通になっていたのだ。
セイラもそのことは知っていたが、だからと言ってミリアリアの服を要求することもできずにいたため、黙認する結果となっていた。
テンペランス帝国に来るとき、それなりの衣装を持たされていたた。もちろん寝間着も然りだ。
しかし、長年の習慣の所為で、寝間着があるにもかかわらず、ミリアリアは裸で寝るのを好んだのだ。
セイラ的には、離宮の隅にある小屋で二人きりの生活であれば問題ないだろうと、ミリアリアの好きにさせていたのだ。
そんな中、ミドガルズ王国の王女が起こした事件が元で王宮に移り住むこととなったのだ。
セイラは、夜ミリアリアに寝間着を着せてから、部屋を出ていたが、そのあとミリアリアが寝間着を脱いでいたことを知ったのは、翌朝枕元にたたまれた寝間着を見たときだった。
セイラは、何度もミリアリアに夜は寝間着を着たまま寝るように言ったのだ。
しかし、目の見えていないミリアリアは、自分がいる場所を理解していなかったのだ。ミリアリアは、自分がいる場所を離宮か何かだと勘違いしていて、ここには沢山の人間がいることに気が付いていなかったのだ。
そんな中、シューニャとの出会いがあったのだ。
その後、シューニャから何度も注意されていく中で、寝間着を着たまま寝ることが出来るようになっていたのだ。
しかし、ひとり寝という状況からついうっかり、無意識に寝間着を脱いでいたのだ。
そんなことを知らないジークフリートは、急いで仕事を片付けて、馬を走らせ深夜という時間になって、王宮に戻ってきたのだ。
ジークフリートは、汗を流しながら既に眠ってしまっているミリアリアを抱きしめて眠ろうと考えたのだ。
そして、ミリアリアが眠るベッドに入ってミリアリアを抱きしめた時だった。
ミリアリアを抱きしめた時、ジークフリートの手にはすべすべとした手に心地いい感触がしたことでその身を固めることとなったのだ。
「ま……まさか……。ミリアリアは、裸で寝ている…のか?」
そう小さく零したジークフリートは、緩く首を振ってそれを否定していた。
「そんな訳ないさ……。きっと、上質の絹の……」
そう言ってから、抱きしめるミリアリアの背中に手を滑らせていた。
まさかという考えを否定するため、眠っているミリアリアに悪いと思いつつもその全身に手を滑らせたのだ。
そして確信したのだ。
ミリアリアが、パンツのみの状態で眠っているという事実を。
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