5 / 6
5
しおりを挟む
ふかふかのベッド、甘い花の香り、ミーシャは自分を包み込む優しい感覚に身を委ねていた。
眠る前に何かショックを受けることがあった気がしたが、そんなことはもうどうでもよかった。
十分な睡眠をとったミーシャは、「ふわ~」っと欠伸をしながらゆっくりとした動きで身を起こしていた。
欠伸をしながら、変な夢を見た気分だったミーシャは呟く。
「ふへへ~。良く寝たぁ。う~ん。なんか変な夢を見た気がするのはなんでだろう? ママがパパだったんて、わたしったら疲れてるのなかぁ?」
「ミーシャさん……。えっと、ごめんな。それ夢じゃないよ。あと、パパ呼びはやめてほしいかな? 俺のことは、ラスティンって呼んでくれると嬉しいな」
ミーシャは、聞こえてきた声に肩をびくりと震わせた後に、錆びついた機械人形のようにぎこちなく声の方へと振り返る。
そこには、青い軍服を着た元ママの存在があったのだ。
ミーシャは、がくりと肩を落としていた。
「ゆ……夢じゃなかった……。ママが男の人だったなんて……」
ショックを受けるミーシャだったが、男の姿でも美しいことに変わりないラスティンを見て、胸がドキリとしてしまう。
胸に手を当てて首を傾げるも、何故胸がドキドキするのか分からないミーシャは、ぎゅっと両手を握って深呼吸を繰り返す。
(胸がドキドキするのは寝起きだから? それともお腹が空いているから? ふむふむ。なるほど、わからん。うん。きっと、ママがママじゃなくて驚いたのと、ママがイケメンだったからだわ。うん。そうよ、そうに決まってるわ)
ラスティンの美貌に胸が高鳴っただけだと自分に言い聞かせたミーシャは、改めて美しすぎるラスティンに視線を向けていた。
「はぁ……。なんていうか、軍服って、格好いい……。うん。ママが綺麗で格好いい」
うっとりとそう呟くミーシャの声が聞こえていたラスティンは、美しい顔を朱色に染めて照れ笑いを浮かべる。
「ミーシャさんにそう言ってもらえると俺としてはとても嬉しいよ。でも、俺のことは、ママではなくて、ラスティンと呼んでほしいかな?」
自分の呟きが聞こえていたことを知ったミーシャは、ぱっと顔を赤くして下を向いてしまう。
それでも、おずおずとしながらも顔をあげて、上目遣いでラスティンを見つめる。
そして、勇気を振り絞るようにスカートの裾を握りしめて小さな声で言うのだ。
「うん。ラスティンさん?」
名前を呼ばれたラスティンは、極上の笑みでそれに応える。
「はい。でも、敬称は不要です。俺のことは、ラスティンと呼んで」
「うん。ラスティン……」
「はい。ミーシャさん。それじゃ、昼食にしましょう」
そう言ったラスティンは、あっという間にテーブルに美味しそうに肉料理を並べていた。
ミーシャ的には、何故女性のふりをしていたのとか、ラスティンは自分にとってどのような存在になるのかなど、聞きたいことはまだあった。しかし、美味しそうな匂いに負けてしまったのだ。
誘われるまま、テーブルに着いたミーシャは、用意された料理に舌包みを打つ。
「美味しい! はむはむ。お肉柔らかい。パンも美味しい。付け合わせのお野菜も甘くて美味しい! はぁ、幸せ~」
頬をパンパンにしながら美味しそうに料理を口にするミーシャを見つめるラスティンは、とても幸せそうな表情をしていたが、それにミーシャが気が付くことはなかった。
ミーシャが食事を終えると、食後のお茶と一緒にデザートも用意されていた。
小さな体のどこに入っていくのが謎なほどだったが、ミーシャが幸せそうでラスティンがそのことを言及することはなかった。
大満足な食事を終えたミーシャは、はっとしながらも食欲に負けてしまった自分にダメ出ししていた。
「はっ! ご飯が美味しすぎて……。わたし、まだ聞きたいことがあったんです! ラスティンは、なんで男性なのにわたしのママだったの? ラスティンは、どこの誰なの?」
慌てたようにそう口にするミーシャは、すぐ近くに座るラスティンにそう言って詰め寄る。
ぐっと距離を縮めららたラスティンは、にっこりと微笑みを浮かべるのだ。
「それは、まだ秘密です。でも、俺がミーシャさんを心から大切に思っていることだけはお伝えします。俺は、ミーシャさんの味方です。何があっても、どんなことがあっても」
ミーシャを心から大切に思っているというラスティンの言葉に、ミーシャは胸を押さえることとなる。
それは、自分が本当はラスティンが知るミーシャではないからだ。
理由はわからないが、本物のミーシャではない自分が、ラスティンから大切にされるのは違うような気がしたのだ。
そして、本物のミーシャではない自分のことを厭わしいとラスティンに思われてしまうことを想像すると、胸が痛くて仕方がなかった。
このまま黙っていることも出来るが、それはラスティンの優しさを裏切ることだと思ってしまったミーシャは、覚悟を決める。
「ラスティン……。わたしには、貴方から大切にしてもらうような資格はないの……」
そう言って、ラスティンを潤んだ瞳で見つめるミーシャは、すべてを話していたのだ。
「わたしは貴方の知るミーシャではないの。気が付いたら、檻に入れられていたの。記憶だってあいまいで、ミーシャとして目覚める前のこともほとんど覚えてないし、ミーシャとしての記憶もないの……。わたしは、わたしが誰なのか分からないの……。だらか、貴方に大切にしてもらう資格がないの……」
ミーシャは、懺悔する間、顔をあげることが出来ないでいた。
もし、ラスティンの大切なミーシャではないと知って、彼から嫌な顔をされたらどうしようと、そんなことを考えていたのだ。
しかし、それはすべてが杞憂だったのだ。
最後には、声を擦れさせて涙声になってしまっていたミーシャをラスティンは、ふわりと抱きしめていた。
それに驚いたミーシャは、思わずうつむいていた顔をあげていた。
「な……なんで?」
そう呟くミーシャに、ラスティンは、ただただ優しく声をかける。
「はい。檻の中のミーシャさんとあった時に、すぐに分かりました。でも、貴女はミーシャさんです。俺の大切なミーシャさんです」
「そんなはずない! わたしには、ミーシャとは違う人生を生きていたっている記憶が……」
「それは、きっと貴女が長い間見ていた夢です」
「ゆ……め?」
まさかそんなことを言われるとは思っていなかったミーシャは、首を傾げる。
そんな、ミーシャの幼子のような仕草にラスティンは、瞳を揺らして言うのだ。
「貴方はミーシャさんだ。ミーシャさんが、幼いころに失ってしまった、本当のミーシャさんです。ああ、おかえりなさい。俺の、俺の愛しいミーシャさん」
眠る前に何かショックを受けることがあった気がしたが、そんなことはもうどうでもよかった。
十分な睡眠をとったミーシャは、「ふわ~」っと欠伸をしながらゆっくりとした動きで身を起こしていた。
欠伸をしながら、変な夢を見た気分だったミーシャは呟く。
「ふへへ~。良く寝たぁ。う~ん。なんか変な夢を見た気がするのはなんでだろう? ママがパパだったんて、わたしったら疲れてるのなかぁ?」
「ミーシャさん……。えっと、ごめんな。それ夢じゃないよ。あと、パパ呼びはやめてほしいかな? 俺のことは、ラスティンって呼んでくれると嬉しいな」
ミーシャは、聞こえてきた声に肩をびくりと震わせた後に、錆びついた機械人形のようにぎこちなく声の方へと振り返る。
そこには、青い軍服を着た元ママの存在があったのだ。
ミーシャは、がくりと肩を落としていた。
「ゆ……夢じゃなかった……。ママが男の人だったなんて……」
ショックを受けるミーシャだったが、男の姿でも美しいことに変わりないラスティンを見て、胸がドキリとしてしまう。
胸に手を当てて首を傾げるも、何故胸がドキドキするのか分からないミーシャは、ぎゅっと両手を握って深呼吸を繰り返す。
(胸がドキドキするのは寝起きだから? それともお腹が空いているから? ふむふむ。なるほど、わからん。うん。きっと、ママがママじゃなくて驚いたのと、ママがイケメンだったからだわ。うん。そうよ、そうに決まってるわ)
ラスティンの美貌に胸が高鳴っただけだと自分に言い聞かせたミーシャは、改めて美しすぎるラスティンに視線を向けていた。
「はぁ……。なんていうか、軍服って、格好いい……。うん。ママが綺麗で格好いい」
うっとりとそう呟くミーシャの声が聞こえていたラスティンは、美しい顔を朱色に染めて照れ笑いを浮かべる。
「ミーシャさんにそう言ってもらえると俺としてはとても嬉しいよ。でも、俺のことは、ママではなくて、ラスティンと呼んでほしいかな?」
自分の呟きが聞こえていたことを知ったミーシャは、ぱっと顔を赤くして下を向いてしまう。
それでも、おずおずとしながらも顔をあげて、上目遣いでラスティンを見つめる。
そして、勇気を振り絞るようにスカートの裾を握りしめて小さな声で言うのだ。
「うん。ラスティンさん?」
名前を呼ばれたラスティンは、極上の笑みでそれに応える。
「はい。でも、敬称は不要です。俺のことは、ラスティンと呼んで」
「うん。ラスティン……」
「はい。ミーシャさん。それじゃ、昼食にしましょう」
そう言ったラスティンは、あっという間にテーブルに美味しそうに肉料理を並べていた。
ミーシャ的には、何故女性のふりをしていたのとか、ラスティンは自分にとってどのような存在になるのかなど、聞きたいことはまだあった。しかし、美味しそうな匂いに負けてしまったのだ。
誘われるまま、テーブルに着いたミーシャは、用意された料理に舌包みを打つ。
「美味しい! はむはむ。お肉柔らかい。パンも美味しい。付け合わせのお野菜も甘くて美味しい! はぁ、幸せ~」
頬をパンパンにしながら美味しそうに料理を口にするミーシャを見つめるラスティンは、とても幸せそうな表情をしていたが、それにミーシャが気が付くことはなかった。
ミーシャが食事を終えると、食後のお茶と一緒にデザートも用意されていた。
小さな体のどこに入っていくのが謎なほどだったが、ミーシャが幸せそうでラスティンがそのことを言及することはなかった。
大満足な食事を終えたミーシャは、はっとしながらも食欲に負けてしまった自分にダメ出ししていた。
「はっ! ご飯が美味しすぎて……。わたし、まだ聞きたいことがあったんです! ラスティンは、なんで男性なのにわたしのママだったの? ラスティンは、どこの誰なの?」
慌てたようにそう口にするミーシャは、すぐ近くに座るラスティンにそう言って詰め寄る。
ぐっと距離を縮めららたラスティンは、にっこりと微笑みを浮かべるのだ。
「それは、まだ秘密です。でも、俺がミーシャさんを心から大切に思っていることだけはお伝えします。俺は、ミーシャさんの味方です。何があっても、どんなことがあっても」
ミーシャを心から大切に思っているというラスティンの言葉に、ミーシャは胸を押さえることとなる。
それは、自分が本当はラスティンが知るミーシャではないからだ。
理由はわからないが、本物のミーシャではない自分が、ラスティンから大切にされるのは違うような気がしたのだ。
そして、本物のミーシャではない自分のことを厭わしいとラスティンに思われてしまうことを想像すると、胸が痛くて仕方がなかった。
このまま黙っていることも出来るが、それはラスティンの優しさを裏切ることだと思ってしまったミーシャは、覚悟を決める。
「ラスティン……。わたしには、貴方から大切にしてもらうような資格はないの……」
そう言って、ラスティンを潤んだ瞳で見つめるミーシャは、すべてを話していたのだ。
「わたしは貴方の知るミーシャではないの。気が付いたら、檻に入れられていたの。記憶だってあいまいで、ミーシャとして目覚める前のこともほとんど覚えてないし、ミーシャとしての記憶もないの……。わたしは、わたしが誰なのか分からないの……。だらか、貴方に大切にしてもらう資格がないの……」
ミーシャは、懺悔する間、顔をあげることが出来ないでいた。
もし、ラスティンの大切なミーシャではないと知って、彼から嫌な顔をされたらどうしようと、そんなことを考えていたのだ。
しかし、それはすべてが杞憂だったのだ。
最後には、声を擦れさせて涙声になってしまっていたミーシャをラスティンは、ふわりと抱きしめていた。
それに驚いたミーシャは、思わずうつむいていた顔をあげていた。
「な……なんで?」
そう呟くミーシャに、ラスティンは、ただただ優しく声をかける。
「はい。檻の中のミーシャさんとあった時に、すぐに分かりました。でも、貴女はミーシャさんです。俺の大切なミーシャさんです」
「そんなはずない! わたしには、ミーシャとは違う人生を生きていたっている記憶が……」
「それは、きっと貴女が長い間見ていた夢です」
「ゆ……め?」
まさかそんなことを言われるとは思っていなかったミーシャは、首を傾げる。
そんな、ミーシャの幼子のような仕草にラスティンは、瞳を揺らして言うのだ。
「貴方はミーシャさんだ。ミーシャさんが、幼いころに失ってしまった、本当のミーシャさんです。ああ、おかえりなさい。俺の、俺の愛しいミーシャさん」
0
お気に入りに追加
122
あなたにおすすめの小説
マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました
東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。
攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる!
そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。
乙女ゲームの悪役令嬢は断罪回避したらイケメン半魔騎士に執着されました
白猫ケイ
恋愛
【本編完結】魔法学園を舞台に異世界から召喚された聖女がヒロイン王太子含む7人のイケメンルートを選べる人気のゲーム、ドキ☆ストの悪役令嬢の幼少期に転生したルイーズは、断罪回避のため5歳にして名前を変え家を出る決意をする。小さな孤児院で平和に暮らすある日、行き倒れの子供を拾い懐かれるが、断罪回避のためメインストーリー終了まで他国逃亡を決意。
「会いたかったーー……!」
一瞬何が起きたか理解が遅れる。新聞に載るような噂の騎士に抱きすくめられる様をみた、周囲の人がざわめく。
【イラストは自分で描いたイメージです。サクッと読める短めのお話です!ページ下部のいいね等お気軽にお願いします!執筆の励みになります!】
【短編】転生悪役令嬢は、負けヒーローを勝たせたい!
夕立悠理
恋愛
シアノ・メルシャン公爵令嬢には、前世の記憶がある。前世の記憶によると、この世界はロマンス小説の世界で、シアノは悪役令嬢だった。
そんなシアノは、婚約者兼、最推しの負けヒーローであるイグニス殿下を勝ちヒーローにするべく、奮闘するが……。
※心の声がうるさい転生悪役令嬢×彼女に恋した王子様
※小説家になろう様にも掲載しています
王子好きすぎ拗らせ転生悪役令嬢は、王子の溺愛に気づかない
エヌ
恋愛
私の前世の記憶によると、どうやら私は悪役令嬢ポジションにいるらしい
最後はもしかしたら全財産を失ってどこかに飛ばされるかもしれない。
でも大好きな王子には、幸せになってほしいと思う。
元妻は最強聖女 ~愛する夫に会いたい一心で生まれ変わったら、まさかの塩対応でした~
白乃いちじく
恋愛
愛する夫との間に子供が出来た! そんな幸せの絶頂期に私は死んだ。あっけなく。
その私を哀れんで……いや、違う、よくも一人勝手に死にやがったなと、恨み骨髄の戦女神様の助けを借り、死ぬ思いで(死んでたけど)生まれ変わったのに、最愛の夫から、もう愛してないって言われてしまった。
必死こいて生まれ変わった私、馬鹿?
聖女候補なんかに選ばれて、いそいそと元夫がいる場所まで来たけれど、もういいや……。そう思ったけど、ここにいると、お腹いっぱいご飯が食べられるから、できるだけ長居しよう。そう思って居座っていたら、今度は救世主様に祭り上げられました。知らないよ、もう。
***第14回恋愛小説大賞にエントリーしております。応援していただけると嬉しいです***
不機嫌な悪役令嬢〜王子は最強の悪役令嬢を溺愛する?〜
晴行
恋愛
乙女ゲームの貴族令嬢リリアーナに転生したわたしは、大きな屋敷の小さな部屋の中で窓のそばに腰掛けてため息ばかり。
見目麗しく深窓の令嬢なんて噂されるほどには容姿が優れているらしいけど、わたしは知っている。
これは主人公であるアリシアの物語。
わたしはその当て馬にされるだけの、悪役令嬢リリアーナでしかない。
窓の外を眺めて、次の転生は鳥になりたいと真剣に考えているの。
「つまらないわ」
わたしはいつも不機嫌。
どんなに努力しても運命が変えられないのなら、わたしがこの世界に転生した意味がない。
あーあ、もうやめた。
なにか他のことをしよう。お料理とか、お裁縫とか、魔法がある世界だからそれを勉強してもいいわ。
このお屋敷にはなんでも揃っていますし、わたしには才能がありますもの。
仕方がないので、ゲームのストーリーが始まるまで悪役令嬢らしく不機嫌に日々を過ごしましょう。
__それもカイル王子に裏切られて婚約を破棄され、大きな屋敷も貴族の称号もすべてを失い終わりなのだけど。
頑張ったことが全部無駄になるなんて、ほんとうにつまらないわ。
の、はずだったのだけれど。
アリシアが現れても、王子は彼女に興味がない様子。
ストーリーがなかなか始まらない。
これじゃ二人の仲を引き裂く悪役令嬢になれないわ。
カイル王子、間違ってます。わたしはアリシアではないですよ。いつもツンとしている?
それは当たり前です。貴方こそなぜわたしの家にやってくるのですか?
わたしの料理が食べたい? そんなのアリシアに作らせればいいでしょう?
毎日つくれ? ふざけるな。
……カイル王子、そろそろ帰ってくれません?
おデブな悪役令嬢の侍女に転生しましたが、前世の技術で絶世の美女に変身させます
ちゃんゆ
恋愛
男爵家の三女に産まれた私。衝撃的な出来事などもなく、頭を打ったわけでもなく、池で溺れて死にかけたわけでもない。ごくごく自然に前世の記憶があった。
そして前世の私は…
ゴットハンドと呼ばれるほどのエステティシャンだった。
サロン勤めで拘束時間は長く、休みもなかなか取れずに働きに働いた結果。
貯金残高はビックリするほど貯まってたけど、使う時間もないまま転生してた。
そして通勤の電車の中で暇つぶしに、ちょろーっとだけ遊んでいた乙女ゲームの世界に転生したっぽい?
あんまり内容覚えてないけど…
悪役令嬢がムチムチしてたのだけは許せなかった!
さぁ、お嬢様。
私のゴットハンドを堪能してくださいませ?
********************
初投稿です。
転生侍女シリーズ第一弾。
短編全4話で、投稿予約済みです。
婚約破棄したい悪役令嬢と呪われたヤンデレ王子
あさぎかな@電子書籍二作目発売中
恋愛
「フレデリック殿下、私が十七歳になったときに殿下の運命の方が現れるので安心して下さい」と婚約者は嬉々として自分の婚約破棄を語る。
それを阻止すべくフレデリックは婚約者のレティシアに愛を囁き、退路を断っていく。
そしてレティシアが十七歳に、フレデリックは真実を語る。
※王子目線です。
※一途で健全?なヤンデレ
※ざまああり。
※なろう、カクヨムにも掲載
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる