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異世界生活始めました編
4 私と異世界召喚
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呆然としている私を他所に、クラスの中心的な存在の千歌子ちゃんが代表するかのように言葉を発していた。
「ちょっと!!どういうことよ!誰かいないの!?」
千歌子ちゃんの声が聞こえたのか、私達のいる場所よりも更に奥の方から一人の男性が現れた。
現れた男性は、丸で聖職者のような格好をしていた。
聖職者のような姿の男性は、私達に視線を向けた後に全員に聞こえるように言った。
「ようこそ、異世界の救済者様」
男性の発した言葉を聞いた私達は、全員がポカンとした顔をしていたと思う。
だって、良い年したおっさんが、聖職者コスプレをしてそんな事を言うなんて、何の冗談だって感じだ。
エイプリルフールには、まだまだ早すぎるその頭のおかしなおっさんのセリフに、クラスメイト全員が爆笑した。
「ぷっ!おっさん頭大丈夫?なにこれ、何のドッキリ?」
「ちょっと、センセー。これなんの撮影?」
「うわー、あの年で中二病?ヤババ~」
「マジウケるわ~」
クラスメイト達がそう言って、不審なおっさんのことを笑って、こんな馬鹿げたドッキリを仕掛けただろう、仕掛け人を探し出そうとしていた。
だけど、そのイカれた中二病丸出しのおっさんは、真面目な口調で私達に言った。
「突然のことで驚かれるのは当然です。ですが、今は時間がないのです。どうか、私めの話をお聞き下さい」
イカれた中二病丸出しのおっさんの言葉に、全員が声をなくしていた。
これはドッキリでもなく、本当に私達の身に起きている現実なのだと。
静まり返った私達を見たおっさんは、続けて言った。
「救済者の皆様には能力を授けます。その力を使って、どうかベルディアーノ王国をお助け下さい。ですが、我々が想定していたよりも多くの救済者様にお越しいただいたことで、皆様、それぞれが希望する力を与えている時間がありません。皆様、上を見て下さい」
私達は、言われるままに上を見た。上にはさっき見た美しいステンドグラスがキラキラと輝いていた。だけど、さっきよりもキラキラが弱くなっているように感じられた。
全員が上を見たのを確かめてから、おっさんが話し始めた。
「上に見えるのは、皆様をお呼びした聖なる光です。あの光があるうちにしか、皆様に力を授けることができません。光は刻一刻と弱まっております。そのため、皆様、一人ひとりのご希望を伺っている時間がないのです」
そこまでおっさんが話したところで、千歌子ちゃんがまたまたクラスを代表するように言った。
「待って、それってとっても大事なことじゃん。異世界に召喚されて、チート能力の一つも与えられないなんてそんなクソゲーあり得ない。それに、全員が同じ力なんてもらっても、全然異世界満喫できないじゃん」
千歌子ちゃんの言葉に、クラスの男子たちが同意するように頷いていた。
それを見た千歌子ちゃんは、更に言葉を続けた。
「ねぇ、だったらこういうのはどう?このゲームのステータスやスキルを使えるようにするっていうのは。そうすれば、全員がいろいろな力を持てるし」
千歌子ちゃんの提案に、クラスの大多数が賛成していた。
「オッシャァー、俺一次職剣聖!勝ち組間違いなし!!」
「俺なんて、暗黒騎士だぜ!俺TUEEE確定じゃん!!」
「やった!私、調教師と忍者の2個持ちよ!!」
みんなは、ゲーム内の自分のJOBを思い出して騒ぎ出していた。
そんな、全員の姿を見ていたおっさんは全員に聞こえるように言った。
「それでは、皆様の希望されているその、げーむとやらの力を授けたいと思います」
そう言ってから、千歌子ちゃんのスマホのFJOのアイコンに触れてから、祝詞のような何かを唱え始めた。
唱え終わるのと同時に、私達は強い光に包まれていた。
目も開けられないような強い光の中で、私は体の中に暖かくて強い力が入ってくるのを感じていた。
光が収まったときには、頭上にあったステンドグラスのキラキラはなくなり、ただのキレイなステンドグラスとなっていた。
目がなれて、周囲を見渡すと、何故か全員が私のことを引きつった青い顔で見ていた。
どうしたんだろう?
どうしてそんな顔で私を見るの?
そんなことを考えていると、千歌子ちゃんが私の近くにやってきた。
私は、千歌子ちゃんに助けを求めるように手を伸ばして話しかけようとして私の身に起こったことを理解した。
私の目に映った、私の腕は焦げ茶色の毛に覆われた丸太のように太いものだった。
そして、私の口から出たのは、「うほ……」という、ものだった。
そこで私は思い出したのだ。私のゲーム内のキャラの状況を。
だけど、唯一フレンド登録をしている千歌子ちゃんなら私のこと分かってくれるはずだと、千歌子ちゃんを見た私は、自分の目と耳を疑った。
「どうしてここにモンスターが!!大変、早く捕らえないと!!」
「ちょっと!!どういうことよ!誰かいないの!?」
千歌子ちゃんの声が聞こえたのか、私達のいる場所よりも更に奥の方から一人の男性が現れた。
現れた男性は、丸で聖職者のような格好をしていた。
聖職者のような姿の男性は、私達に視線を向けた後に全員に聞こえるように言った。
「ようこそ、異世界の救済者様」
男性の発した言葉を聞いた私達は、全員がポカンとした顔をしていたと思う。
だって、良い年したおっさんが、聖職者コスプレをしてそんな事を言うなんて、何の冗談だって感じだ。
エイプリルフールには、まだまだ早すぎるその頭のおかしなおっさんのセリフに、クラスメイト全員が爆笑した。
「ぷっ!おっさん頭大丈夫?なにこれ、何のドッキリ?」
「ちょっと、センセー。これなんの撮影?」
「うわー、あの年で中二病?ヤババ~」
「マジウケるわ~」
クラスメイト達がそう言って、不審なおっさんのことを笑って、こんな馬鹿げたドッキリを仕掛けただろう、仕掛け人を探し出そうとしていた。
だけど、そのイカれた中二病丸出しのおっさんは、真面目な口調で私達に言った。
「突然のことで驚かれるのは当然です。ですが、今は時間がないのです。どうか、私めの話をお聞き下さい」
イカれた中二病丸出しのおっさんの言葉に、全員が声をなくしていた。
これはドッキリでもなく、本当に私達の身に起きている現実なのだと。
静まり返った私達を見たおっさんは、続けて言った。
「救済者の皆様には能力を授けます。その力を使って、どうかベルディアーノ王国をお助け下さい。ですが、我々が想定していたよりも多くの救済者様にお越しいただいたことで、皆様、それぞれが希望する力を与えている時間がありません。皆様、上を見て下さい」
私達は、言われるままに上を見た。上にはさっき見た美しいステンドグラスがキラキラと輝いていた。だけど、さっきよりもキラキラが弱くなっているように感じられた。
全員が上を見たのを確かめてから、おっさんが話し始めた。
「上に見えるのは、皆様をお呼びした聖なる光です。あの光があるうちにしか、皆様に力を授けることができません。光は刻一刻と弱まっております。そのため、皆様、一人ひとりのご希望を伺っている時間がないのです」
そこまでおっさんが話したところで、千歌子ちゃんがまたまたクラスを代表するように言った。
「待って、それってとっても大事なことじゃん。異世界に召喚されて、チート能力の一つも与えられないなんてそんなクソゲーあり得ない。それに、全員が同じ力なんてもらっても、全然異世界満喫できないじゃん」
千歌子ちゃんの言葉に、クラスの男子たちが同意するように頷いていた。
それを見た千歌子ちゃんは、更に言葉を続けた。
「ねぇ、だったらこういうのはどう?このゲームのステータスやスキルを使えるようにするっていうのは。そうすれば、全員がいろいろな力を持てるし」
千歌子ちゃんの提案に、クラスの大多数が賛成していた。
「オッシャァー、俺一次職剣聖!勝ち組間違いなし!!」
「俺なんて、暗黒騎士だぜ!俺TUEEE確定じゃん!!」
「やった!私、調教師と忍者の2個持ちよ!!」
みんなは、ゲーム内の自分のJOBを思い出して騒ぎ出していた。
そんな、全員の姿を見ていたおっさんは全員に聞こえるように言った。
「それでは、皆様の希望されているその、げーむとやらの力を授けたいと思います」
そう言ってから、千歌子ちゃんのスマホのFJOのアイコンに触れてから、祝詞のような何かを唱え始めた。
唱え終わるのと同時に、私達は強い光に包まれていた。
目も開けられないような強い光の中で、私は体の中に暖かくて強い力が入ってくるのを感じていた。
光が収まったときには、頭上にあったステンドグラスのキラキラはなくなり、ただのキレイなステンドグラスとなっていた。
目がなれて、周囲を見渡すと、何故か全員が私のことを引きつった青い顔で見ていた。
どうしたんだろう?
どうしてそんな顔で私を見るの?
そんなことを考えていると、千歌子ちゃんが私の近くにやってきた。
私は、千歌子ちゃんに助けを求めるように手を伸ばして話しかけようとして私の身に起こったことを理解した。
私の目に映った、私の腕は焦げ茶色の毛に覆われた丸太のように太いものだった。
そして、私の口から出たのは、「うほ……」という、ものだった。
そこで私は思い出したのだ。私のゲーム内のキャラの状況を。
だけど、唯一フレンド登録をしている千歌子ちゃんなら私のこと分かってくれるはずだと、千歌子ちゃんを見た私は、自分の目と耳を疑った。
「どうしてここにモンスターが!!大変、早く捕らえないと!!」
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