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プロローグ
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少女と少女を愛していた家族は、少女を苦しめる世界と決別することを決めた。
しかし、運命はそんな少女を逃してはくれなかった。
彼女を心から愛していた青年は、逃げ出した少女を求めて決断した。
彼女をどんな手を使ってもこの手に取り戻そうと。
どんなに彼女に嫌われようと構わないと。
彼女に会ってこの手で触れられるのであれば、どんな事だって成し遂げると決めた。
彼女を愛していた家族はもういない。
家族がいない今、彼女はこの残酷な呪いに満ちた世界で自分だけを頼ってくれるだろうと。
もう離さない。逃さない。
愛おしい彼女を求めることをやめることなんて出来はしない。
彼女と結ばれる。
青年が求めて止まない彼女と結ばれるという運命は、誰にも止めることなど出来ない。
それが、精霊だとしても運命に抗うことなんて出来ないのだから。
ようやく世界は繋がった。
沢山の人間が向こう側にいたが、青年には大きく成長した彼女の姿しか目に入らなかった。
そして、彼女の心を守るために贈った仮面を着けた少女を見つけた青年は今にでも駆け出したいとはやる気持ちを無理やり押さえつけた。
そして、誰にも聞こえないだろう小さな声で呟いたのだ。
「もう離さない」
青年が小さく呟いたのと同時に、向こう側の人間も何かを叫んでいた。
「間違いない。異世界と繋がったんだ!!実験は成功したんだ!!」
その言葉を聞いた青年は、術が成功した理由が分かった気がして人知れず黒い笑みを浮かべた。
「そうか、偶然にも彼女の側で、あちら側からの介入があったのか。彼らには感謝してもしきれないな」
そして、世界は繋がった。
この出来事は、青年が愛おしい少女と会いたいがために起こしたものだった。
しかし、運命はそんな少女を逃してはくれなかった。
彼女を心から愛していた青年は、逃げ出した少女を求めて決断した。
彼女をどんな手を使ってもこの手に取り戻そうと。
どんなに彼女に嫌われようと構わないと。
彼女に会ってこの手で触れられるのであれば、どんな事だって成し遂げると決めた。
彼女を愛していた家族はもういない。
家族がいない今、彼女はこの残酷な呪いに満ちた世界で自分だけを頼ってくれるだろうと。
もう離さない。逃さない。
愛おしい彼女を求めることをやめることなんて出来はしない。
彼女と結ばれる。
青年が求めて止まない彼女と結ばれるという運命は、誰にも止めることなど出来ない。
それが、精霊だとしても運命に抗うことなんて出来ないのだから。
ようやく世界は繋がった。
沢山の人間が向こう側にいたが、青年には大きく成長した彼女の姿しか目に入らなかった。
そして、彼女の心を守るために贈った仮面を着けた少女を見つけた青年は今にでも駆け出したいとはやる気持ちを無理やり押さえつけた。
そして、誰にも聞こえないだろう小さな声で呟いたのだ。
「もう離さない」
青年が小さく呟いたのと同時に、向こう側の人間も何かを叫んでいた。
「間違いない。異世界と繋がったんだ!!実験は成功したんだ!!」
その言葉を聞いた青年は、術が成功した理由が分かった気がして人知れず黒い笑みを浮かべた。
「そうか、偶然にも彼女の側で、あちら側からの介入があったのか。彼らには感謝してもしきれないな」
そして、世界は繋がった。
この出来事は、青年が愛おしい少女と会いたいがために起こしたものだった。
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