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番外編・後日談 A SEQUEL
◆トビラ後日談 A SEQUEL 途佗に
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◆トビラ後日談 A SEQUEL 途佗に(ゴーズオンゴースト)
※本編終了後閲覧推奨、完全なる後日談です※
帰るべき所が無い。
そうとは知らず、どこか違和感を感じながら世界を漂う。
私は、幽霊。
もちろん、自分が幽霊である事すら知らずにいる。
ただただ自分が属する世界に違和感を持ち、どこか醒めない夢のようなすっきりとしない意識を抱え世にたゆたう。
何故自分がここにいるのかが失われている。
中心に、一つぶれない思いがあれば自分が誰で、何で、どこに帰るべきだったのかも思い出せたかもしれないのに。
でもそれが私には無かった。
無いままに、私はこの世界に取り残されてしまった。
私を見る事が出来る誰もが、私にこの世を歩く足が無い事を教えてはくれなかった。
私が幽霊である事を知っている、数少ないであろう者達は悪意から……それを私に秘密にしたようだった。
だから、感謝しよう。
私に本当の事を教えてくれた事を。
私の報われない思いに精いっぱいの答えを出そうとした君に感謝しよう。
私は本当に、本当に心から感謝している。
その君が最後に、とても苦しそうな顔をしているのを見ているのが辛かった。
だから最後に私は頭を下げた。
……君は最後まで私の為に苦渋の選択をしてしまう。
でもそれはこの世で君が、君である為に選択しなければいけない事なのだろう。
それは、私には失われてしまったもの。
必死に、何で自分がこの世に立っていたのか考えている。
足元に散らばる白い羽が舞散り、時々に血で黒く汚れたものが混じっているのに気付く。
ぼんやりとした私は、いつしか世界のすべてをぼんやりと見ていた。
ふいと、白い羽の底に美しく横たわる死を見出す。
寝ているようだ、安らやかに……今にも起きだしておはようと私を振り返りそう。
そう錯覚するも……ありえまい。そう、これこそが正しい姿。
私は本来このように静かに、横たわっているべきだった。
白い羽の底から現れた女性の躯をじっと見つめる。
そう、だ。
一つ、失われていたものを思い出している……そんな気がしてくる。
私は君に会いたかった。
もう永遠に、君に会えない事なんて考えたくなかった。
だから考えた事がない。
きっと、そう。
だからこそ、もう永遠に会えないという事実を受け入れる事が出来なかったのかもしれない。
君に会いたかった。
かえるべき場所に……君が居る事を思い出している。
でも私はそこに帰れない。
私は幽霊。
ここでは、そういうものが歩いていても大して違和感は無いのだが、かえるべき本当の場所ではそうではない事を……思い出している。
もう二度と会えない事を君も知っていた。
でも、きっと。
私と同じで君は、それでも私に会いたかったのだろう。
あらゆる思いは中途すぎて、世に残す未練は深すぎる。
そうして私は幽霊となった。
ただ会いたかった。
その為に一つ、叶わぬ願いを秘めたまま。
*** *** ***
*** *** ***
*** *** ***
唐突だが聞いてくれ、今日は某ビックタイトルゲームの発売日である。勿論、俺も買う気満々でいた。えっと、過去形な。
本来であれば発売日前にフラゲ……フライングゲット出来てしかるべき立場にありながら未だ、それは俺の手元に無い。
何故か。
……俺の勤めるゲーム会社とは無縁……いや、正確には親交が薄く繋がりがあまりない……なデペロッパーが開発し、パブリッシャーが発売するゲームであるからだ。
そもそも真のゲーマーならフラゲなんかスンナって話ではあるがなと一応自戒しておく。
ようするに俺は自覚して『真』と名乗っても差し支えが無いゲーマーだ。
だというのに、俺はその日モニターの前に座っていなかった。
何故か。
「ちょ、先輩、なんなんスか朝っぱらから!いい加減目的を教えてくださいよ」
「うるさいわねぇ、君も男なんだからさ、女性からの誘いには素直に従ってグダグダ言わずに着いてくればいいのよ」
ここまですっぱり強気に言い切られてしまうとだな……リアルにおいて押しの弱さミニマムの俺は黙り込むしかないのだ。ぶっちゃけ、こういう気の強いお姉さまキャラに弱い俺としてはもう、委縮するしかないのだった。
ハイ、お姉さま黙って従います。
仕方が無い、目的地および先輩の目的を想像で補ってみるか。
電車に揺られ、規則正しい音に目を閉じ色々想像を働かせてみたが……さっぱりわからんな。
全く検討が付かないとなると、邪念があっという間に意識を支配する。
ああ早くゲームしたいゲームしたいゲームしたい!
さっさと俺に今日発売のあれを触らせてくれ……!一日掛る要件じゃない事を祈る!
……先輩が怖いのでそれを口に出しては言えない俺。
まだ東に傾いている太陽がまぶしい。
在る程度は遮光してあるが、電車の中にも遠慮なく刺さり込んでくる。
くぅ、絶好の引きこもり日和じゃねぇか!こういう日は一日外に出ないで仕事場でゲーム……もとい、仕事するに限るぜ。
勿論雨の日も風の日も何時でも俺にとっては絶好のゲーム引きこもり日よりなわけだがな、フハハハハ!!
電車はどんどん郊外に向かっているな。まだ上司、斉藤先輩が電車を降りようとする気配は無い。……このままだとベッドタウンに突入だぞ?
まだ午前中だから都会から郊外に向かう電車の中はどんどんガラガラになっていく。当然だな、フツーなら仕事の為に郊外から都会へと人が移動する時間帯なんだから。
さてどういうつもりなのか。
人が少なくなるとなんとなく落ち着かない。
そわそわする俺の隣で静かに目を閉じて座っている先輩は……俺達の乗る車両にほとんど人が居なくなった時、突然俺に本日の出張理由を告げるのだった。
「今日はね、茂木の命日なの」
と、言われても鈍感な俺には茂木?はて、誰だっけと即座に理解が出来ないわけですが……。
先輩が、そっと薬指にはめている銀の指輪をはずす。
それで、少しずつ茂木という人の事を思い出し、彼の命日にどんな意味があり……。
そしてそれが俺にとってどういう意味があってどういう関係があるのかを思い出していた。
思い出す必要があるな、割と普段は忘れている事だ。
モギーカズマ。
本来であれば俺達の上司に居るべきだった人の名前。
俺達が関わったゲームプロジェクトの、主要人物で斉藤先輩の直属部下にして……恋人……とのもっぱらの噂である。
斉藤先輩にそれを直接聞いた事は無い。
彼は……プロジェクトが完成をみる前に交通事故に巻き込まれて亡くなってしまった。
……さすがに怖くて聞けねぇや。
ただ、彼女の薬指に意味深な指輪が嵌ったままである事で、俺は先輩の感情を慮るのみだ。
モギ-カズマ氏というのはその一方で、彼らによって作られたゲーム世界において『バグの主要』になってしまった人格、つまりキャラクターのオーナーであったりもしたのだ。
異世界、仮想現実を破壊しうる立場になってしまった者って事だな。
その世界で分かりやすく言えば、魔王。
便宜上はもう一つ格上の大魔王って所だろうか。
そして……俺はそれとどういう関係に在ったかって言うとだな。
俺と、俺の仲間達はゲーム愛を基準とした選抜によりテストプレイヤー枠を勝ち取り、件の開発途中新規ゲームへと挑んだ背景を持っている。
その世界へのアプローチの仕方はさまざまだが、結局のところ分かりやすい事をやるハメになった。
俺は、仮想世界を救う宿命を背負ったプレイヤー……『勇者』として彼と関わる事になった。ようするに、仮想世界勇者である当時の俺にしてみれば、茂木氏の仮想人格は倒すべき最大の敵だったって事だ。
仮想世界はトビラと呼ばれていた。
そこで、俺ってば勇者様筆頭だったわけだよ。
とすりゃ必然的に大魔王にとどめを指すのは俺の仕事って事になる。
王道の通り俺が、彼にとどめを刺した。
もっとも……現実的に言えばモギ-カズマはその当時すでに存在しない人物だったりもするんだよな。仮想現実の中の彼のキャラクター、大魔王ギガースも……同じく。
彼は、幽霊だった。
仮想世界をうろつくだけで、無害であれば放置してもよかったのだ。
実際、本来は無害であってしかるべきだったろう。
ところが堂々と世を歩きまわられ、その幽霊に姿に惑わされた者が居てだな……。連鎖反応として色々マズい事が起きて無害とは言えない状況になっちまった。
実際多くの犠牲者と呼べるものを排出したと言えるだろう。
ヘタすると世界そのもの、ゲームプロジェクトそのものが崩壊して『無かった事』になる可能性もあった。
俺達はそれだけは回避したかった、だからこそ……モギ-カズマであったものを敵とみなし滅ぼしたんだ。
そう云えばそんな事もあったと思い出している。
酷く観客的な話になっちまうのは……そいつが、夢の中の話であるからだ。
俺達が開発に携わったこのゲームは『ロニィ』と現在は呼ばれているもんでな、まぁ斬新な発想と超新システムという事でそれなりに流行っていたりする。
こいつには画期的で面白い特徴がある。実はロニィ、寝ている間にしか遊べないって代物なのだ。
覚醒時に出来る事はたかが知れている。
眠った分だけ遊べるゲームというわけではないので、例え依存したとしてもそれが寝過ぎに繋がる事もない。
睡眠時間どんだけ増やしてもプレイできる時間はシステムで決まっちまってるからな。より長くゲームがしたければ、より良い睡眠をする事が一番っていう、そういう眠らない現代人に6時間以上しっかり睡眠を取って貰おうという趣旨も含んでいる据え置き家庭用ゲーム機なのである。
ゲームは一日1時間、とか自制を求める必要もない。
もぅ、強制的にプレイ出来る容量枠が決まっていたりする。
夢を見る、その間に現実ではない世界に居る自分を体感する……。そしてその記憶を、現実では非常に断片的に思い出す事が出来る。ただそれだけ。
面白いだろ、全部の記録を現実に持ち帰る事が出来ないんだぜ?
だから、俺がモギ-カズマの仮想人格、ギガースをこの手でやっつけた事は思い出せるし、それがどういう理由によるものだったのかとか、シーンなんかもある程度は思い出せる。
でも、その時どんな事を考えていたかとか、何を感じたとか。
どう思っていたか、とか。
そういうのはてんでアウトだ、何をしても上手く思いだせない。
全く俺には想像がつかないし思い出せそうにない。
全ての思いは、夢を観客的にぼんやりと感じるだけ。
夢の中で実際『オレ』がどんな事を考えて、感じていたのかは全て『俺』の想像でしかなくなる。
中にいようが外にいようが俺は『オレ』である事は確かなのに。
感情だけは、どうにも同じではない事に薄々と気付いている。
「じゃ、墓参りッスか?」
「そう言う所」
「なんで俺が?」
「一同代表って事よ」
というか、一番ヒマそうな奴を選んだだけじゃないのか?
「あまり公に出来る事でもないし」
その理由はうっすらと分かる。
モギ-カズマの死は事実で、知っている人は知っているだろう。恐らくロニィウィキなんかには書かれちまってる事じゃぁねぇかな。何しろ、彼の死で一旦ロニィプロジェクト、旧名『MFCプロジェクト』は休止しかけたのは紛れもない事実なのだ。
茂木氏の交通事故は全く偶然の不慮の事故だったわけだけど、それでも特殊環境ゲーム開発者という肩書の都合、マスコミからある事無い事書かれた事実がある。大分昔の話ではあるが調べりゃ履歴はどっかから出てくるものだろう。
ロニィってゲームはぶっちゃけて、安易に『逃避』の為に使われている。
それでいい、逃げた先にあるのが楽園というわけじゃないからな。現実を放りだし逃げた者程、仮想で相応のアクシデントに見舞われるハメになる。仮想世界という形を取ってはいるがあくまでロニィは『夢』でその人にとっての世界を形成する。故に、抑え込み忘れようとしたものが別の形で自分に迫ってくるようになるのだ。
勿論、そこで再び逃げたっていい。それもまた自由ではある。
そうして逃げた先、目を覚ました所に在るのは逃げ出したはずの現実なんだけどな。
そんな手厳しいゲームであるにもかかわらずハマる連中は多い様だ。まぁ俺もその一人に数えられるんだろうが。
それだけ、人は現実を捨てて幻想世界に逃げたい願望を持っているのかもしれない。
さてそれで、このゲームの仕組みはざっと理解してもらえただろうか?
問題はこっからだ。
人間は、小賢しい生き物なんだよな。
あの手この手で快楽だけをむさぼろうとする。
違法ログインの類やコード改造は、ロニィにおいても無問題とは言えない。
とはいえ、今までのゲームとは仕組みが根本的に違うのでそー簡単にマン改造は出来ないのだが、それでもなんとかやっちまうバカは出る。そこまでやっちまう努力があるならなぜ、コツコツ地道に正規の方法でお前らは強くなれないのだ?そっちの方が断然にスゴい事だってのにな。
「現実をログアウトしたら、仮想世界のログイン待ちキャラはどうなる、か」
答えは出ている。
初回ログイン時に構築された行動ルーチンによって、プレイヤーによって創造されたキャラクターは仮想世界で一生を過ごす。プレイヤーが居ないとすれば永久COMと化すのだ。
これは、ログイン中であろうとログアウト後であろうと措置は同じだ。
言ったよな、ロニィにおいて一回のプレイ時間は決まっている。どんなに長く眠っていてもプレイ時間、正確には容量、なのだが、それをを引き延ばす事は出来ない。
つまりどういう事かって?
例えばだ。
ロニィにログイン……すなわち、ゲームをするべく夜就寝するだろ?そんで、そのままログインした状況で訳あってリアルプレイヤーが息を引き取ってしまったとする。
プレイヤーはその後、永眠するわけだが永眠した人の意識はロニィに残されたままであるのか?
といった話をしたいわけだよ。
どうなると思う?
その後ずっと、意識だけは仮想世界の中に取り残されソッチで生きていけるそう思うか?
バカな、それは単なる錯覚だ。
繰り返す、ロニィは一回のプレイ容量が決まってる。
使いきったら強制ログアウトだ。
その時プレイヤーが死んでいるか、生きているかなんて関係ない。そもそもリアルプレイヤーの意識が覚醒しそうになっても強制ログアウトだし、リアルプレイヤーの意識が無くなった時点でも強制ログアウトだ。
そうだとがっつり書いてあるし、中のエントランスでも説明してるっていうのに……永久に仮装世界に生きたい願う連中のなんと、多い事か。
そうして安易に命を落とした者が居ないでもないと言う事を……俺達は密かに、知っている。
ロニィを使用したまま自殺したというニュースは何度か表ざたになっている。
都度、まぁご想像通りのゴタゴタはあったと思いねぇ。くだらないアンチゲーム派の奴らは何も考えずにロニィを攻撃的に批判するが、よくよく考えるとそれがどんだけ幼稚であるのか、連中は赤面する事になるだろう。
バカな事に訴えられた事もある。が、全面的に因果関係無しとして訴えは悉く棄却されている。
あたりまえだ。
仮想世界に行く『夢を見る』ゲームだと最初から言っている。現実に仮想世界にイケてるわけじゃない。例えそのように錯覚してもだ、そもそも錯覚させるゲームだと最初から言ってるんだからあとは錯覚に惑ってバカな事をした連中の責任でしかない。
ゲームが悪い?バカ言うな。
全て現実を否定して、仮想に逃げ出したいだけの自分が悪いんだ。
ロニィは今も特に評判を落とすことなく新規登録者を増やし続けている。
それでも多分人は夢見てるんだろう。
その夢の世界の事を自分が死んだあとも夢見ていられるのだ……と。
死んでも、自分の生きていた爪痕をその世界には残す事が得出来る?
そりゃおかしな話だ。
現実でもそれは同じだってのに、どうしてそれにさっさと気が付かない?
生きていれば、自動的に世界に自分が、生きていたという爪痕は残るんだ。残したくないと思ってもどうしたって、そいつは残っちまうもんなんだよ。
「茂木の例は過去の、暴かれてはいけない失敗の一つでしょ」
モギ-カズマは、現実で失われているにもかかわらず仮想世界で『生きた』
だけど一つ大切なものが足りない。それは、もう永久に失われているから二度と元には戻らない。
モギ-カズマは幽霊として仮想世界をさまよって、仮想世界を脅かしてしまった。
もう二度と、繰り返してはいけない事として俺達は彼を葬ったのだ。
「……だから、あまり公に墓参りというわけにはいかない、と」
「その為にヤト君は彼の役割を背負ったんだから。やっぱり、君が代表で行かなくちゃ」
「なら、ヤトを連れてくるべきだ」
そのように無茶を言ってみる。
ヤトは……仮想現実における俺は、モギ-カズマ事ギガースの墓参りに行けない。
だって奴には墓が無い。
存在しない、居てはいけない。居た事すら知られてはいけない。
あれは、幽霊だったから。
もうどこにもいない。居てはいけない。
彼の墓は……かえるべき場所に。
現実の、町はずれの共同墓地にある。
終点にほど近い駅で降り、長い坂道を登って人気のない、墓地を往く。
斉藤先輩の後ろに付いて歩き、彼女が足をとめた墓の前で静かに目を閉じ手を合わせた。
許されるならここで夢を見るのもいい。
そして夢の中で俺が、ヤトが。
静かに手を合わせ……いや、そうじゃないな、奴の事だ。
テメェの所為で俺は今魔王業なんだよ!とがっつりファックポーズ決めてるのかもしれない。
そう思うとなんか笑ってしまった。
不謹慎だと、無言で思いっきり先輩から後頭部をぶたれる事になってしまうわけだが。
*** *** 了 *** ***
きっと強制ログアウトを解除したバカは居るのかもしれない。
それを開発した者のは永久にトビラ世界に住む為かもしれない。
第三のトビラは開かれている。
ならば、それも許されない事とは言い切れない訳で。
その人は小林さんという事にしておこうと思っている
(普遍的名前なのはこのシリーズのお約束です)
そして、永久ログインをしたその人は正しい時間計上と経験値計算が成されないという致命的バグが存在するものと想像します。
混沌としたその存在に、何時しかある程度の規則を生み、それに乗る事はエイトエレメンタラティスにおいては極めて合法。
彼は日に死に往きては生き返るという奇妙な生態をしているかもしれない。
もはや自分がログインキャラである事を何時しか忘れ去る事だろう。いや、知っているけれど毎日リセットが掛ってしまうからいちいちそんな事、鑑みる必要が無くなっているかもしれない。
その人は、トビラにおいて『悪の庭』に招致され滅びを献上する者として在るかもしれない。
劣化の王。
リンガの背景を考えていたらそー言う話になったんだけど、やっぱりシステムとしてよっぽどしないと成立しないという自分縛りを発見し、それでも突破してむしろ壊れた存在であるならリンガのようになるだろうなと……こんな小話です
ちなみに、リンガの話はGM8になります。
*** *** おわり *** ***
※本編終了後閲覧推奨、完全なる後日談です※
帰るべき所が無い。
そうとは知らず、どこか違和感を感じながら世界を漂う。
私は、幽霊。
もちろん、自分が幽霊である事すら知らずにいる。
ただただ自分が属する世界に違和感を持ち、どこか醒めない夢のようなすっきりとしない意識を抱え世にたゆたう。
何故自分がここにいるのかが失われている。
中心に、一つぶれない思いがあれば自分が誰で、何で、どこに帰るべきだったのかも思い出せたかもしれないのに。
でもそれが私には無かった。
無いままに、私はこの世界に取り残されてしまった。
私を見る事が出来る誰もが、私にこの世を歩く足が無い事を教えてはくれなかった。
私が幽霊である事を知っている、数少ないであろう者達は悪意から……それを私に秘密にしたようだった。
だから、感謝しよう。
私に本当の事を教えてくれた事を。
私の報われない思いに精いっぱいの答えを出そうとした君に感謝しよう。
私は本当に、本当に心から感謝している。
その君が最後に、とても苦しそうな顔をしているのを見ているのが辛かった。
だから最後に私は頭を下げた。
……君は最後まで私の為に苦渋の選択をしてしまう。
でもそれはこの世で君が、君である為に選択しなければいけない事なのだろう。
それは、私には失われてしまったもの。
必死に、何で自分がこの世に立っていたのか考えている。
足元に散らばる白い羽が舞散り、時々に血で黒く汚れたものが混じっているのに気付く。
ぼんやりとした私は、いつしか世界のすべてをぼんやりと見ていた。
ふいと、白い羽の底に美しく横たわる死を見出す。
寝ているようだ、安らやかに……今にも起きだしておはようと私を振り返りそう。
そう錯覚するも……ありえまい。そう、これこそが正しい姿。
私は本来このように静かに、横たわっているべきだった。
白い羽の底から現れた女性の躯をじっと見つめる。
そう、だ。
一つ、失われていたものを思い出している……そんな気がしてくる。
私は君に会いたかった。
もう永遠に、君に会えない事なんて考えたくなかった。
だから考えた事がない。
きっと、そう。
だからこそ、もう永遠に会えないという事実を受け入れる事が出来なかったのかもしれない。
君に会いたかった。
かえるべき場所に……君が居る事を思い出している。
でも私はそこに帰れない。
私は幽霊。
ここでは、そういうものが歩いていても大して違和感は無いのだが、かえるべき本当の場所ではそうではない事を……思い出している。
もう二度と会えない事を君も知っていた。
でも、きっと。
私と同じで君は、それでも私に会いたかったのだろう。
あらゆる思いは中途すぎて、世に残す未練は深すぎる。
そうして私は幽霊となった。
ただ会いたかった。
その為に一つ、叶わぬ願いを秘めたまま。
*** *** ***
*** *** ***
*** *** ***
唐突だが聞いてくれ、今日は某ビックタイトルゲームの発売日である。勿論、俺も買う気満々でいた。えっと、過去形な。
本来であれば発売日前にフラゲ……フライングゲット出来てしかるべき立場にありながら未だ、それは俺の手元に無い。
何故か。
……俺の勤めるゲーム会社とは無縁……いや、正確には親交が薄く繋がりがあまりない……なデペロッパーが開発し、パブリッシャーが発売するゲームであるからだ。
そもそも真のゲーマーならフラゲなんかスンナって話ではあるがなと一応自戒しておく。
ようするに俺は自覚して『真』と名乗っても差し支えが無いゲーマーだ。
だというのに、俺はその日モニターの前に座っていなかった。
何故か。
「ちょ、先輩、なんなんスか朝っぱらから!いい加減目的を教えてくださいよ」
「うるさいわねぇ、君も男なんだからさ、女性からの誘いには素直に従ってグダグダ言わずに着いてくればいいのよ」
ここまですっぱり強気に言い切られてしまうとだな……リアルにおいて押しの弱さミニマムの俺は黙り込むしかないのだ。ぶっちゃけ、こういう気の強いお姉さまキャラに弱い俺としてはもう、委縮するしかないのだった。
ハイ、お姉さま黙って従います。
仕方が無い、目的地および先輩の目的を想像で補ってみるか。
電車に揺られ、規則正しい音に目を閉じ色々想像を働かせてみたが……さっぱりわからんな。
全く検討が付かないとなると、邪念があっという間に意識を支配する。
ああ早くゲームしたいゲームしたいゲームしたい!
さっさと俺に今日発売のあれを触らせてくれ……!一日掛る要件じゃない事を祈る!
……先輩が怖いのでそれを口に出しては言えない俺。
まだ東に傾いている太陽がまぶしい。
在る程度は遮光してあるが、電車の中にも遠慮なく刺さり込んでくる。
くぅ、絶好の引きこもり日和じゃねぇか!こういう日は一日外に出ないで仕事場でゲーム……もとい、仕事するに限るぜ。
勿論雨の日も風の日も何時でも俺にとっては絶好のゲーム引きこもり日よりなわけだがな、フハハハハ!!
電車はどんどん郊外に向かっているな。まだ上司、斉藤先輩が電車を降りようとする気配は無い。……このままだとベッドタウンに突入だぞ?
まだ午前中だから都会から郊外に向かう電車の中はどんどんガラガラになっていく。当然だな、フツーなら仕事の為に郊外から都会へと人が移動する時間帯なんだから。
さてどういうつもりなのか。
人が少なくなるとなんとなく落ち着かない。
そわそわする俺の隣で静かに目を閉じて座っている先輩は……俺達の乗る車両にほとんど人が居なくなった時、突然俺に本日の出張理由を告げるのだった。
「今日はね、茂木の命日なの」
と、言われても鈍感な俺には茂木?はて、誰だっけと即座に理解が出来ないわけですが……。
先輩が、そっと薬指にはめている銀の指輪をはずす。
それで、少しずつ茂木という人の事を思い出し、彼の命日にどんな意味があり……。
そしてそれが俺にとってどういう意味があってどういう関係があるのかを思い出していた。
思い出す必要があるな、割と普段は忘れている事だ。
モギーカズマ。
本来であれば俺達の上司に居るべきだった人の名前。
俺達が関わったゲームプロジェクトの、主要人物で斉藤先輩の直属部下にして……恋人……とのもっぱらの噂である。
斉藤先輩にそれを直接聞いた事は無い。
彼は……プロジェクトが完成をみる前に交通事故に巻き込まれて亡くなってしまった。
……さすがに怖くて聞けねぇや。
ただ、彼女の薬指に意味深な指輪が嵌ったままである事で、俺は先輩の感情を慮るのみだ。
モギ-カズマ氏というのはその一方で、彼らによって作られたゲーム世界において『バグの主要』になってしまった人格、つまりキャラクターのオーナーであったりもしたのだ。
異世界、仮想現実を破壊しうる立場になってしまった者って事だな。
その世界で分かりやすく言えば、魔王。
便宜上はもう一つ格上の大魔王って所だろうか。
そして……俺はそれとどういう関係に在ったかって言うとだな。
俺と、俺の仲間達はゲーム愛を基準とした選抜によりテストプレイヤー枠を勝ち取り、件の開発途中新規ゲームへと挑んだ背景を持っている。
その世界へのアプローチの仕方はさまざまだが、結局のところ分かりやすい事をやるハメになった。
俺は、仮想世界を救う宿命を背負ったプレイヤー……『勇者』として彼と関わる事になった。ようするに、仮想世界勇者である当時の俺にしてみれば、茂木氏の仮想人格は倒すべき最大の敵だったって事だ。
仮想世界はトビラと呼ばれていた。
そこで、俺ってば勇者様筆頭だったわけだよ。
とすりゃ必然的に大魔王にとどめを指すのは俺の仕事って事になる。
王道の通り俺が、彼にとどめを刺した。
もっとも……現実的に言えばモギ-カズマはその当時すでに存在しない人物だったりもするんだよな。仮想現実の中の彼のキャラクター、大魔王ギガースも……同じく。
彼は、幽霊だった。
仮想世界をうろつくだけで、無害であれば放置してもよかったのだ。
実際、本来は無害であってしかるべきだったろう。
ところが堂々と世を歩きまわられ、その幽霊に姿に惑わされた者が居てだな……。連鎖反応として色々マズい事が起きて無害とは言えない状況になっちまった。
実際多くの犠牲者と呼べるものを排出したと言えるだろう。
ヘタすると世界そのもの、ゲームプロジェクトそのものが崩壊して『無かった事』になる可能性もあった。
俺達はそれだけは回避したかった、だからこそ……モギ-カズマであったものを敵とみなし滅ぼしたんだ。
そう云えばそんな事もあったと思い出している。
酷く観客的な話になっちまうのは……そいつが、夢の中の話であるからだ。
俺達が開発に携わったこのゲームは『ロニィ』と現在は呼ばれているもんでな、まぁ斬新な発想と超新システムという事でそれなりに流行っていたりする。
こいつには画期的で面白い特徴がある。実はロニィ、寝ている間にしか遊べないって代物なのだ。
覚醒時に出来る事はたかが知れている。
眠った分だけ遊べるゲームというわけではないので、例え依存したとしてもそれが寝過ぎに繋がる事もない。
睡眠時間どんだけ増やしてもプレイできる時間はシステムで決まっちまってるからな。より長くゲームがしたければ、より良い睡眠をする事が一番っていう、そういう眠らない現代人に6時間以上しっかり睡眠を取って貰おうという趣旨も含んでいる据え置き家庭用ゲーム機なのである。
ゲームは一日1時間、とか自制を求める必要もない。
もぅ、強制的にプレイ出来る容量枠が決まっていたりする。
夢を見る、その間に現実ではない世界に居る自分を体感する……。そしてその記憶を、現実では非常に断片的に思い出す事が出来る。ただそれだけ。
面白いだろ、全部の記録を現実に持ち帰る事が出来ないんだぜ?
だから、俺がモギ-カズマの仮想人格、ギガースをこの手でやっつけた事は思い出せるし、それがどういう理由によるものだったのかとか、シーンなんかもある程度は思い出せる。
でも、その時どんな事を考えていたかとか、何を感じたとか。
どう思っていたか、とか。
そういうのはてんでアウトだ、何をしても上手く思いだせない。
全く俺には想像がつかないし思い出せそうにない。
全ての思いは、夢を観客的にぼんやりと感じるだけ。
夢の中で実際『オレ』がどんな事を考えて、感じていたのかは全て『俺』の想像でしかなくなる。
中にいようが外にいようが俺は『オレ』である事は確かなのに。
感情だけは、どうにも同じではない事に薄々と気付いている。
「じゃ、墓参りッスか?」
「そう言う所」
「なんで俺が?」
「一同代表って事よ」
というか、一番ヒマそうな奴を選んだだけじゃないのか?
「あまり公に出来る事でもないし」
その理由はうっすらと分かる。
モギ-カズマの死は事実で、知っている人は知っているだろう。恐らくロニィウィキなんかには書かれちまってる事じゃぁねぇかな。何しろ、彼の死で一旦ロニィプロジェクト、旧名『MFCプロジェクト』は休止しかけたのは紛れもない事実なのだ。
茂木氏の交通事故は全く偶然の不慮の事故だったわけだけど、それでも特殊環境ゲーム開発者という肩書の都合、マスコミからある事無い事書かれた事実がある。大分昔の話ではあるが調べりゃ履歴はどっかから出てくるものだろう。
ロニィってゲームはぶっちゃけて、安易に『逃避』の為に使われている。
それでいい、逃げた先にあるのが楽園というわけじゃないからな。現実を放りだし逃げた者程、仮想で相応のアクシデントに見舞われるハメになる。仮想世界という形を取ってはいるがあくまでロニィは『夢』でその人にとっての世界を形成する。故に、抑え込み忘れようとしたものが別の形で自分に迫ってくるようになるのだ。
勿論、そこで再び逃げたっていい。それもまた自由ではある。
そうして逃げた先、目を覚ました所に在るのは逃げ出したはずの現実なんだけどな。
そんな手厳しいゲームであるにもかかわらずハマる連中は多い様だ。まぁ俺もその一人に数えられるんだろうが。
それだけ、人は現実を捨てて幻想世界に逃げたい願望を持っているのかもしれない。
さてそれで、このゲームの仕組みはざっと理解してもらえただろうか?
問題はこっからだ。
人間は、小賢しい生き物なんだよな。
あの手この手で快楽だけをむさぼろうとする。
違法ログインの類やコード改造は、ロニィにおいても無問題とは言えない。
とはいえ、今までのゲームとは仕組みが根本的に違うのでそー簡単にマン改造は出来ないのだが、それでもなんとかやっちまうバカは出る。そこまでやっちまう努力があるならなぜ、コツコツ地道に正規の方法でお前らは強くなれないのだ?そっちの方が断然にスゴい事だってのにな。
「現実をログアウトしたら、仮想世界のログイン待ちキャラはどうなる、か」
答えは出ている。
初回ログイン時に構築された行動ルーチンによって、プレイヤーによって創造されたキャラクターは仮想世界で一生を過ごす。プレイヤーが居ないとすれば永久COMと化すのだ。
これは、ログイン中であろうとログアウト後であろうと措置は同じだ。
言ったよな、ロニィにおいて一回のプレイ時間は決まっている。どんなに長く眠っていてもプレイ時間、正確には容量、なのだが、それをを引き延ばす事は出来ない。
つまりどういう事かって?
例えばだ。
ロニィにログイン……すなわち、ゲームをするべく夜就寝するだろ?そんで、そのままログインした状況で訳あってリアルプレイヤーが息を引き取ってしまったとする。
プレイヤーはその後、永眠するわけだが永眠した人の意識はロニィに残されたままであるのか?
といった話をしたいわけだよ。
どうなると思う?
その後ずっと、意識だけは仮想世界の中に取り残されソッチで生きていけるそう思うか?
バカな、それは単なる錯覚だ。
繰り返す、ロニィは一回のプレイ容量が決まってる。
使いきったら強制ログアウトだ。
その時プレイヤーが死んでいるか、生きているかなんて関係ない。そもそもリアルプレイヤーの意識が覚醒しそうになっても強制ログアウトだし、リアルプレイヤーの意識が無くなった時点でも強制ログアウトだ。
そうだとがっつり書いてあるし、中のエントランスでも説明してるっていうのに……永久に仮装世界に生きたい願う連中のなんと、多い事か。
そうして安易に命を落とした者が居ないでもないと言う事を……俺達は密かに、知っている。
ロニィを使用したまま自殺したというニュースは何度か表ざたになっている。
都度、まぁご想像通りのゴタゴタはあったと思いねぇ。くだらないアンチゲーム派の奴らは何も考えずにロニィを攻撃的に批判するが、よくよく考えるとそれがどんだけ幼稚であるのか、連中は赤面する事になるだろう。
バカな事に訴えられた事もある。が、全面的に因果関係無しとして訴えは悉く棄却されている。
あたりまえだ。
仮想世界に行く『夢を見る』ゲームだと最初から言っている。現実に仮想世界にイケてるわけじゃない。例えそのように錯覚してもだ、そもそも錯覚させるゲームだと最初から言ってるんだからあとは錯覚に惑ってバカな事をした連中の責任でしかない。
ゲームが悪い?バカ言うな。
全て現実を否定して、仮想に逃げ出したいだけの自分が悪いんだ。
ロニィは今も特に評判を落とすことなく新規登録者を増やし続けている。
それでも多分人は夢見てるんだろう。
その夢の世界の事を自分が死んだあとも夢見ていられるのだ……と。
死んでも、自分の生きていた爪痕をその世界には残す事が得出来る?
そりゃおかしな話だ。
現実でもそれは同じだってのに、どうしてそれにさっさと気が付かない?
生きていれば、自動的に世界に自分が、生きていたという爪痕は残るんだ。残したくないと思ってもどうしたって、そいつは残っちまうもんなんだよ。
「茂木の例は過去の、暴かれてはいけない失敗の一つでしょ」
モギ-カズマは、現実で失われているにもかかわらず仮想世界で『生きた』
だけど一つ大切なものが足りない。それは、もう永久に失われているから二度と元には戻らない。
モギ-カズマは幽霊として仮想世界をさまよって、仮想世界を脅かしてしまった。
もう二度と、繰り返してはいけない事として俺達は彼を葬ったのだ。
「……だから、あまり公に墓参りというわけにはいかない、と」
「その為にヤト君は彼の役割を背負ったんだから。やっぱり、君が代表で行かなくちゃ」
「なら、ヤトを連れてくるべきだ」
そのように無茶を言ってみる。
ヤトは……仮想現実における俺は、モギ-カズマ事ギガースの墓参りに行けない。
だって奴には墓が無い。
存在しない、居てはいけない。居た事すら知られてはいけない。
あれは、幽霊だったから。
もうどこにもいない。居てはいけない。
彼の墓は……かえるべき場所に。
現実の、町はずれの共同墓地にある。
終点にほど近い駅で降り、長い坂道を登って人気のない、墓地を往く。
斉藤先輩の後ろに付いて歩き、彼女が足をとめた墓の前で静かに目を閉じ手を合わせた。
許されるならここで夢を見るのもいい。
そして夢の中で俺が、ヤトが。
静かに手を合わせ……いや、そうじゃないな、奴の事だ。
テメェの所為で俺は今魔王業なんだよ!とがっつりファックポーズ決めてるのかもしれない。
そう思うとなんか笑ってしまった。
不謹慎だと、無言で思いっきり先輩から後頭部をぶたれる事になってしまうわけだが。
*** *** 了 *** ***
きっと強制ログアウトを解除したバカは居るのかもしれない。
それを開発した者のは永久にトビラ世界に住む為かもしれない。
第三のトビラは開かれている。
ならば、それも許されない事とは言い切れない訳で。
その人は小林さんという事にしておこうと思っている
(普遍的名前なのはこのシリーズのお約束です)
そして、永久ログインをしたその人は正しい時間計上と経験値計算が成されないという致命的バグが存在するものと想像します。
混沌としたその存在に、何時しかある程度の規則を生み、それに乗る事はエイトエレメンタラティスにおいては極めて合法。
彼は日に死に往きては生き返るという奇妙な生態をしているかもしれない。
もはや自分がログインキャラである事を何時しか忘れ去る事だろう。いや、知っているけれど毎日リセットが掛ってしまうからいちいちそんな事、鑑みる必要が無くなっているかもしれない。
その人は、トビラにおいて『悪の庭』に招致され滅びを献上する者として在るかもしれない。
劣化の王。
リンガの背景を考えていたらそー言う話になったんだけど、やっぱりシステムとしてよっぽどしないと成立しないという自分縛りを発見し、それでも突破してむしろ壊れた存在であるならリンガのようになるだろうなと……こんな小話です
ちなみに、リンガの話はGM8になります。
*** *** おわり *** ***
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