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完結後推奨 番外編 妄想仮想代替恋愛

◆トビラ後日談 A SEQUEL『妄想仮想代替恋愛 -6-』

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◆トビラ後日談 A SEQUEL『妄想仮想代替恋愛 -6-』
 ※本編終了後閲覧推奨、古谷愛ことアインさんメインの後日談です※

「テリーちゃん、ヤト、おはよう!」
 そして、二人の間にすっ飛んでいってつい、いつものようにテリーの肩に飛び乗ってしまった。
「ようやくちゃんと目を覚ましたな」
「相変わらず寝起きの悪い奴だな」
 ……テリーの肩はちょっと狭くなった。
 ううん、そうじゃなくて。多分あたしが大きく成りすぎたんだ。
 でもテリーはいい人だなぁ、きっと重くなっただろうに重いとか言わないし、そういう素振りも見せず姿勢も崩さずまっすぐ立ってる。
 ヤトなんか、乗っかると都度重いって邪険に扱うのに。
「何の話してたの?」
「……いや」
「何、内緒話なの?益々気になる!」
 少し困った様子でテリーはヤトを見やる。何?どんなナイショ話をしていたのよ!
「いいじゃん、俺は別に構わないって言ったぜ」
「こいつがなぁ、この無駄に回る口が無ければ何も悩まねぇんだが……」
「何言ってる、それが重要なんだろうが」
 何の話をしているのかよくわからない、その間よくよく見ると、テリー……ちょっと老けたね。慣れない事ばっかりでお疲れなのかも。
 深いため息を漏らしながら彼は、あたしの喉を指で撫でながら唐突に言う。
「お前、ちょっと俺ん所に来ないか?」
「え?」
 良く意味が分からずあたしは聞き返した。
「レズミオに来ないか?って聞いている」
 ……ここは、巫山戯て応対しヤトの反応を見てみよう。
「それはもしかして、プロポーズなのかしらっ!?」
 ところが、即座反応したのはテリーの方。
「バカ言え、俺には奥さんもいるし子供もいる!」
「……お前、何マジに答えてんの」
 ヤトからもバカにされてテリー、疲れたように額を抑えた。
 疲れてるみたいだ。あたし、素直に謝る事にした。
「ごめん、冗談だよ!大体、あたしヤトのプロポーズ蹴ったしね!」
「アインさん!ちょ、テリー、冗談だからな今のは。な、こいつの冗談!」
 分かってる、というように俯き加減のままテリーは無言で手を振った。
 あら、本当にお疲れみたい。
 冗談の判別が本当に付かないなんて、どうしたのかしら?
 心配で、あたしはテリーからヤトの頭に乗り移った。
 やっぱり、うわ、重い!とか言われたのでヤトの頭を軽く囓ってやるんだから!乙女に重いとか、禁句でしょ!
「……で、どうしたのテリーちゃん」
 小声で尋ねると、あたしの頭と自分の頭をごっちゃにして掻き乱してからヤトは小さく吐息を吐く。
「いやな、まぁ……なんというか。とりあえず座れ」
 ヤトから椅子のある方へ案内され、テリーは無言でそれに従った。
「お前、いつまでコッチにいるんだ?」
「今日一日郊外に出張、という事になっている。帰りは明日でもいい」
 その言葉にあたしとヤトは顔を見合わせた。
 この空気、どうにも……一晩ここに泊めてくれと言っているようなモノじゃない?
「メシは出すが……野宿だぞ」
「分かってる、何だったらほっといてくれてもいい」
「まだ虫は出るからな?」
「お前な、昔野宿上等で旅してただろうが。んなもんヘでもねぇよ」
「前に虫が多くてウザいとか散々グチったじゃねぇか」
「……気に触ったんなら謝る」

 おいおい、なんだこいつ?

 そんな具合の困った顔をヤトはあたしに向ける。
 確かに……どうしちゃったのだろうかとあたしも思わず、口を開いちゃってたわ。


 ……この森の奥では、年に数回秘密の会談が行われたりもするんだ。

 この場所を動けない『魔王』様の為に、各国の事情を知っている偉い人がここまで転移門でやって来て、それでちょっとした会議をするの。
 で、西方ファマメント国の実質大臣職補佐に押し込められたテリオス氏は、諸国のエラい人の前であたし達が住んでるこの場所を、結構ぼろくそにケチを付けるのね。
 やれ不便な場所だとか、虫が多くて不潔だとか、環境の上でどうしようもない事をグチグチ言う。こんなところにビップを呼ぶのはどうなんだ、とか。
 ヤト、割とそれを根に持ってる所があるよ。
 でも、それだったらんなトコに来るなよ、とか幼稚な口げんかをしているのがあたしは見ていてとても楽しかったりするんだ。

 ……ってもまぁ、みんな事情を知っている人達だからさ、二人の口げんかも含め苦笑いするだけなのよね。
 南国から来るのはミストラーデ国王だし、東方からはここに半分居着いているような紫魔導師のレッドだし。あと、天使教からの代表でハクガイコウを正式に纏い直したカイエン・ナッツ氏とか。遠東方からイズミヤ氏が、北西方からはキリュウあるいはユーステルが。中央大陸からはあの馬二頭立てのエルドロウがやってくる時もある。ディアスの使者は知らない人だったけど、付き添いにはあの重鎧のマース君がやって来てた。
 あ、それとは別に、マツナギとインティが遊びに来る事もあるよ。
 来客は、ホント多いわねー。

 とにかく、そういう全ての事情に精通した人達が集まった、秘密会談が定期的にあったりするの。

 みんなヤトをほっとけないんだよ。 
 何か都合を作って、ただ会って話をしたいだけ。
 多分、ただそれだけ。
 それだけの秘密会談。
 あとは集まってくる面子的に、社会情勢や政治的都合上堂々と会う事が出来ないというもあるらしい。
 ここ、魔王が隠れてるくらいなんだから秘密会談場としてはもってこいなのね。
 テリオス氏はここでそういう会議がある度、時にはちょっとキレ気味に、お約束のネタだと言わんばかりにド田舎であるこの場所をこき下ろすんだ。
 多分ね、テリーが文句たらたら言ってるのはわざとだと思うな。

 何でお前はこんな所に引っ込んだままなんだよ。
 こんな所に居ないで出てくればいいのに。
 その為に必要な事は、俺がいくらでもどうにかしてやる。
 こんな最低なトコに引っこんで居やがるな、バーカ。

 みたいな気持ちと、あと慣れない政治関係の仕事でストレスが混じってあの態度だったとあたしは思う。
 だって、本当に嫌ならもう二度と来ないでしょ?
 それなのに、こうやって都度来るんだもん。
 『親友』に向けてツンツンしてるだけだと思うな。

 テリーは『向こう』だと思った事ずばずば言うのに、こっちの世界ではてんで逆。
 都合、黙っていなければ成らない事が沢山あって、自分の気持ちとか考えとか、相手に言いたい事とか素直に言いたくても言えないっていう事情とか色々あるように思う。

 そんなテリオス氏事テリーちゃんが今日に限って大人しい。
 異常なほど素直だ。
 これはどうした事かしら?

 何か心情の変化でもあるのか、鬱になるような事件でもあったのか。心配を通り越してあたし、ワクワクしてきちゃった。
 他人の苦悩は密の味って奴かしら?
 やっぱりたまにログインはしてみるもんねぇ。
 それと……こっちの世界で私……フルヤ-アイは、そういう関係性の方を愛している証拠なのかもね。
 誰か個人を愛でてる訳じゃない。
 人間の知識を持って生まれ出た特別なクラスであっても感情は、有る程度は肉体の幼さに引きずられてる。まだまだ幼生と呼べるあたしにはどうしても、恋愛事情はままごとくらいにしか感じられないみたい。
 その人が本当に心配なら、楽しいなんて思うのも不謹慎でしょ?
 ようするにあたしはそこまで相手の親身になっていないって事だ。
 どこまでも『他人』だと突き放してる。


 コーヒーのおかわりを出すために、焙煎したての豆を砕きながらヤトは、椅子に乗り移ったあたしに少し救いを求めるような顔を向けてくる。
 もう、しょうがないなぁ。
 あたしは事情を聞き出すためにテリーに向けて首を回した。
「それにしても朝からこっちに来てるなんて、レッドは?」
 一緒に来てるんじゃないのかしら?
 まぁ、居ないならネタ的に好都合なんだけど。
「あいつは今魔導都市の仕事で忙しいらしい、転移門は勝手に潜るようにと道具を預かった」
「……で、何しに来たの?」
 そう、それ聞きそびれてるからとりあえず確認しよう。
「……しいて言うなら、休暇だ」
 額に手を当て、項垂れたままテリーは言った。
 と、沈黙が流れたのを察してテリーは顔を上げ、ヤトとあたしが口を開く前に自分で言う。
「休暇ならもっとマシな所で取ればいいだろうとか言いたいんだろう、俺もそう思ったが……素直に言えば、この何もない所が一番恋しいと思っちまったんだ」
 へいへい、どうせここはマシなとこではありませんよ、と……ヤトはふて腐れているが、まんざらでもない感じだね。
「もしかしなくても、仕事が合わないって奴?」
 自分にいつもの元気が無い事は重々承知、というようにテリーは深い溜息を漏らしてばかりだ。
「仕事はまぁ、有る程度は慣れたぜ。何時までも合わねぇとか言ってる場合じゃねぇし……。それでも鬱ってる原因についちゃ、さっきそいつに話した」
 そうなんだ、と、あたしはヤトを窺う。
「贅沢だなって言われたよ、そうかもしれん」
「じゃぁ原因分かってるんだ、何なの?」
 さっきそれを二人は話していたという訳だ、あたしはヤトに首を向ける。
「わかんないか?」
 あたしでも分かるような事?何かしら?あたしは首をかしげてみて……ああ、フルヤ-アイの知識を借りて思い至る。
「家族サービスとかの問題、かな?」
 ……大当たりみたい。
 テリー、大きく溜息を漏らして再び頭を抱える様にして項垂れちゃった。
「言っとくが、鬱憤晴らすのに手合わせとかは応じないぞ」
 この二人、昔闘士だった都合戦うのとか大好きらしいよ。アベちゃん曰く『戦いバカ』らしい。ヤト曰く、特にテリーがな、と言う通り近年においてヤトは自主的に武器を握りたがらない。
「それについちゃランドールの世話になってるから問題ない、大体お前、見るからに『剣闘士』の体付きじゃなくなっているのに気付いてないのか?」
 ヤトは笑いながら肩をさすっている。
 あたしはよく分かんないけど……筋肉の付き方が変わったってヤトがぼやいてるの聞いた事があるなぁ。
 ここで暮らすようになって、剣を帯びる事はあっても抜く事は滅多になくなっちゃってるし。
 日々戦ってはいるみたいだけど戦う相手が違うのよね。
 斧や鍬、草刈り釜を持って大自然と格闘しているだけだから、一対一の闘技技術は鈍る一方らしい。
「別に良いだろ、俺はもう剣闘士は卒業したんだから」
「……多聞、お前が思って居る程鈍っちゃいねぇと思うぜ、戦闘技術は体で憶えるもんだ」
「かもしれないが、俺はもう戦うつもりはないからな」
「なら、懐刀の一本でも用意しておいた方が良いだろう。ランドールの奴、お前へのリベンジ諦めてないからな」
「げ、まじか」
 嫌そうな顔で引いているヤトにテリーはようやく少しだけ笑った。
「日々労働でそんだけちゃんと肉体維持してりゃ、今でも問題なく剣は振れると思うがなぁ。しかし戦う意図がないと知ったとして……あの男は遠慮無くお前の首を切るぞ」
「確かにそういう奴だよなぁ……はぁ」
 戦う事の話になると元気に顔を上げる、楽しそうだ。
 アベちゃんが良く罵倒する通り、二人とも根は戦いバカだから、だろう。
「じゃ、ランドールん所に行って思う存分奴をぶん殴っておけばいいじゃないか。ついでにトドメとかも刺して置いてくれると俺的には助かるぞ」
「ばぁか、あいつ国直属機関にいるんだぞ?俺があいつん所に居るのバレたら意味ねぇんだよ。……悪いな……他に上手く逃げ込む場所が見つからないんだ」
 うん?と云う事は……テリーは国から逃げてきた?
 家族に居場所が割れない所を選んで、国に秘密で『休暇』を取ったって事?
「逃げてきたってはっきり言うじゃねぇか」
 ヤトの挑発気味な言葉にテリーはやっぱり溜息を返す。
「お前が都度アベルから逃げ回った意味がなんとなぁく分かってきた気がするぞ。女って、なんでああもめんどくさいんだ?」
 ……女、って事は……奥さんから逃げてきたって事?
 だよねぇ?テリオスさんは浮気とかするような人じゃないし。
「遅い、気付くのが遅いよテリーさん。てか、エズで変な女とかに絡まれた事無いのか?俺、あるぞ。嬉しくない事に都度アベル様が追っ払ってくれたけど」
「俺、気が付いてないだけでそういうのはあったのかもなぁ……レックスとか上手く追い払ってくれてたのかもしれん」
「レックスって誰?」
 エズ時代話だ!二人の話の腰を折りたくないけど、知らない人物名のパーソナル情報が欲しくて思わず口を出す。
「ああ、エズ時代に俺のコバンザメしてた奴だ」
 テリーは何という様子もなく教えてくれた。
 釣られるように普段は余り話をしてくれない、ヤトも応じる。
「有る程度頂点張ってると、自然とそういうのが出来るんだよな。派閥とか、縄張り争いとか」
「なんでガキはああいうのが好きなんだろうなぁ?」
 その当時、間違いなくガキだったろう事を承知でテリーは笑う。
「俺は、ずっとそういうのに巻き込まれたくなかったんだぞ。あんたに関わったから……いや、あんたが俺をひっぱりあげてくれたから、か」
 空のマグに出来立てのコーヒーを注ぎながらヤトは苦笑いしてる。
「迷惑だったか?」
「何言ってる、それについちゃぁちゃんと、礼を言っただろうが。……今の状況、俺は別に後悔してない」
「本当か?」
「アベルを振った以上、それ以外に選べる道なんてさほどねぇんだ」
「はっ……つくづくバカな野郎だな……まぁいい、それでこういう緊急の隠れ家があると思えば正直俺も有難い」
「大人しく明日には帰れよ、明日以降は働かざる者喰うべからずだからな」
「帰るよ、仕事がある」
 きっちりとした公族っぽい衣装の、襟元を緩めながらテリーはそっぽを向いた。
「明日で4連休が明ける、国の祝日でな、これといって行事があるわけでもない……公的機関があえて休むっていうのがあってそれの拡大版だ。正月みたいなもんかな」
「正月って、イシュタルのか?」
 ふっとテリーが苦い顔をした。
 よく見ると、テリーには中の人がいる青い旗が立っているね。
 多分、中の照井氏が『日本の正月』を例に出しちゃったみたい。
「イシュタルの正月は挨拶回りで一種お祭り騒ぎだろうが。ペランの正月だよ、ってもお前は知らんか」
 テリーは必死に思い出すコマンドを駆使して似た事例を出して誤魔化したと見える。
「へぇ、ペランにも正月ってあるんだな」
 それでなんとかヤトは誤魔化せちゃうんだね。細かい所には突っ込まない、興味がない限りどうでもいいと受け流しちゃうヤトだからかな。

 あたしは、今回中の人居るからと小さく目を瞬いてテリーに答えた。彼は何故か小さく溜息を漏らしている。……すでに何回目なのか数えられないよテリーちゃん。
「……で、連休で特に行事もない、休みの属性上舞踏会なんかも開けないってんでな。ついに一日中家に居なきゃならねぇという状況になったわけだよ」
「っても、それは毎年あるんだろ?」
「あるから今年はもう限界だって逃げ出してきたんだろうが。……最初は良かった、ツレはガキに付きっ切りだったからな」
「お前なー、奥さんと子供ほったらかしにしちゃまずいだろう」
 彼、4年前に結婚したんだっけ。あたしたちの『冒険』が終わって国に帰って、それでなんか……割と即座と云うタイミングで入籍したイメージがある。
 奥さんと子供が居る、と先ほど言った通り。なんでも、放蕩息子が名門ウィン家に戻るには、そういう手段を踏まなきゃいけなくなった、とかなんとかで……。
「奥さんと上手く行ってないって事?」
「イってなきゃガキは生まれてねぇだろうが」
「そう言う意味じゃなくて」
 テリーは苦笑して額を抑えた。
「ま、恋愛を経ての家族じゃねぇってのは確かだ。有る意味、都合のいい女としか認識出来てねぇ所とかあるかもな」
 ようするに家族関係が今回問題で、それで家族と一日中一緒にいるのが苦痛で逃げ出してきた……って事よね?
 奥さんとケンカしたって事?しかも、政略結婚だから別に愛しても居ないとか、そういう奴?
「酷い、それは酷いよ!」
 奥さんとお子さん放り出して来たって事でしょ?
 あたしは素直に憤って小さく鼻の穴から火を噴いて見せた。
「そうは言ってもお前、俺んとこの妻ってのは実際にゃ家で決められた……見ず知らずの女なんだぞ?相手もそうやって家の都合で嫁いだ事は分かってるんだ。酷いも何も、これがファマメント公族って奴の現実だろ」
「そうじゃなくて、アインは奥さんを愛する努力はしねぇのかって事を言いたいんだと思うけど」
 頬杖ついてるヤトから言われ、テリーは顔を歪ませた。
「分かってねぇのはお前らの方だ、俺は、その努力に疲れたからここに来ているんだ。酷いだと?……俺の努力も知らないで!努力はしているが限度ってもんがある!ああ、そうか分かった」
 怒った顔を少し緩め、眉間に寄った皺を解すように指で摘みながらテリーは続ける。
「あのな、だから……ツレの方も政略結婚って分かってんだよ、ようするに形式的な家族である事をあいつも分かり切ってんだ。恋愛したくたってしようが無ぇ、ぶっちゃけこいつはレズミオの文化らしい、どうしようもねぇ。それでもついつい、疑似とは分かっていても愛してるっていう形式をお互いに演じてしまう。本当は心なんか大して通っちゃいねぇのに」
 ヤトは無言で席を立ち上がった。
「……悪い」
 怒らせたのか、と思ったのかテリーは即座謝った。
「いや、珍しくグチ・マックスみたいだからな。その話、とことん聞いてやるよ」
 苦笑いを見やってテリーは同じ、苦笑いを返した。
「ちょっと早いが酒とツマミを用意してやる、スッキリ吐き出してから昼寝でもすりゃいい」
「………」
「昔、お前は黙って俺のグチを聞いてくれたよな」
「……ああ」
 それも、多分エズでの事なんだろう。
 フルヤさん、ここ脳内メモの用意ですよ!
「でも、俺が出来るのは聞く事だけだぜ」
「分かってる。……俺だって、あの時お前に何かしてやれた訳じゃねぇ」
「かもな」

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