異世界創造NOSYUYO トビラ

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エピソード

ナッツさんの特別解説コーナー

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異世界創造NOSYUYO『トビラ』
○ Q & A ナッツさんの特別解説コーナー○

*** このたびは、MFC専用ワールド『トビラ』へご参加いただき誠にありがとうございます ***
 こちら、ややこしくてきっと余計な、でもちょっと気になるアレとかコレについて僕、天使教の上級神官カイエン・ナッツがまッたりお答えするコーナーだよ。



◆◆ 場合によってはネタバレ含むかもしれないから閲覧は自己責任ね!! ◆◆



※ ツッコミがあったら解説するかもしれません(2020/1/26更新)※
※ ゲーム用語解説をヤボったいけど移植するべきか、迷っています ※


 ■このコーナーについて■(10/24追加)

 てゆーか、この取扱説明書ってページ自体もアレだよね?そんなツッコミは不可かい?
 元々、データベースについての解説話が長くなってしまってその為に置いてあった『ゲームその他についての説明ページ』にて、解説するに微妙な分類になった所……こんなちょっと方向性が間違ったページが『別に』出来てしまったという経緯です。
 移設に伴い、新規更新した分は『上』に追加していきますね。


 ■緑色の金属?■(20-1/26追加)

 緑色の金属、というのは具体的な名前を出すと『ミストレアル』の結晶体の事で、金属っぽく見えるんだけど実際には金属じゃない。現段階魔導師協会でも完全に状態や属性を解明できていない希少物質の事だよ。
 まず、第一に希少。
 生成法も存在しない、あるいは魔導師的には『シンク』中って感じかな。どこかから出土するものでもない。歴史が伝える所この物質を唯一効果的に駆使していた例は、第6期前半に存在した伝えられる魔物使いセカンディラードだけ。しかもこれ、あまり知られていない事みたい。有効的な利用方を見出したのが彼だけで、今残存するミストレアル結晶体の殆どが彼が加工した装飾品ばかりだという事実があるんだけど、その歴史は殆ど失われているかな……。
 実際今は如何いう風に使われているか、っていうと。この黄緑色の希少物質はね、は稀に、死霊が装備している事があるらしい。彼らを浄化すると場合によってはその場に残るのだそうだ。だからって墓場からは出土しない。死体が身に付けているんじゃなくて、死霊に付随している謎物体なんだ。
 これらの話や実際に研究した最先端の報告上、ミストレアルは肉体に残るものではなく幽体に依存するモノあるらしい。見た目は金属なのにねぇ。
 とにかくかなり理解しにくい特性があるんだけど……これで納得できるかな……?

 で、近年魔導都市でこれを持ってる人間が確認され、ぜひとも外して研究しようとしたそうなのだけどね。その人も稀な特性を持って居たばっかりに、取り外せなかったばかりか見えない触れえない状態にしてしまったという『事故』があったそうだ。……研究筋では有名な話だそうです。

 ミストレアルは先の『古代』に使われていたものらしい。同じく古代から生きている木であるドリューアートの大樹はミストレアルが無いと育たない、というのは結構昔に解明されていたみたいだね。何かしら関連があるのかもしれない。第4期の説話は……実際には今の時代までまともに伝わってない。でも、天使教の極秘書物には北方に、木の姿で表わされるとんでもない怪物の説話があったりするよ。
 ええと、叡智……だったかな?
 それは僕の番外編でちょっとだけやるから、興味が在ったらそっちを見てね。



 ■ バルトアンデルト あるいは バルトアンデルス ■(20-1/26追加)

 ちょっと先に作者さんのリアル知識を入れるね。

 これは靴屋ハンス・ザックスが創作したとされる『存在』であるそうだ。獣が混じった姿で混沌とした図が描かれた本を指さす、無数の仮面を踏みつけにする偶像的な絵は、グリンメルスハウゼン作の『阿呆物語』に登場する。日本の創作に現れ始める発信元となった書は、ドイツ文学者の故、池内紀先生の「『幻獣の話』講談社現代新書 1994」ではないかと思われる。(あるいはオーフェン某。どっちが先か微妙)モンスターとして登場するに多分、大分歴史が浅い方だと思われる。『時間に関する怪物』を趣味で蒐集していた筆者は、20年以上前からあれこれと原本探しなどをしていたようで、とっくに廃版の『阿呆物語』もわざわざ探し出して手に入れたりしてたそうだ……。
 と、まぁ、ちょっと思い入れがある『怪物』らしいです。

 ドイツ語の『すぐに』『他のものに』という意味を組み合わせた造語で、千変万化と訳されている。定まらない時間の怪物ではないか、という風に池内センセイが某本で解説されているのを読み、まさしく定まらない時を現す『怪物』に相応しいと思った、とかなんとか。
 いやぁ、時間っていうのはカミサマ的なのは結構いるんだけど、怪物化されている事象は案外少ないんだよね。実際、神と悪魔は表裏一体、歴史が、支配者が変われば神も魔へと落ちるモノだから、時間の神様蒐集してるのと大して変わりないと思うんだけどね……。

 少しSF的に僕の見解入れるけど、時空という考え方をしてみると少し分かるんじゃないかな。物事を理解・評価するには二点以上が必要で、その差異によってはじめて認識される~とかいう事をヤトが頭悪いなりに必死に比喩を立ててやってるだろう?つまり時間と空間の『次の状態』あるいは『その前の状態』が存在するから全ては認識が可能だ……という現象が『時間』である、っていう。難しいか。うん。
 時間は24時間を示す時計じゃない。それは、人間が訳の分からない現象を理解しやすくするために与えた形に過ぎない。では時間とは?とか、筆者さんはそういうの考えると楽しくて堪んないっていうヘンタイの部類なのでこの話はこの程度で終わらせようねぇ……。

 『不動たるは不倶戴天の敵』と云う、激しく移り変わり定まらない物事を意味するしていて、八精霊大陸世界ではこれが無い事には世界は始まらない。そういう重要で根本的な理だったりするらしいよ。あんまりにも大前提になっているからって8精霊に数えないくらい。だから、9番目と言われているよ。

 ちなみにね、8精霊大陸って全体的に一つ数が余計なんだよ。天体が大体同じだから、星座の概念もあるんだけど、エレメンタラティスだと黄道13星座でへびつかい座も含んでるんだよね……。


 ■方位神について■(20-1/26追加)

 方位神っていうのはようするに神様だね。
 大陸座(八精霊)は元々あまり神様という側面は持っていなかったんだ。突然それがキャラクターをもって肉体を得て現れたのはそう、この物語の発端の通り八期になってから。
 大陸座という考え方の普及はまさしく『トビラ・元年』からなんだよ。
 そんな大陸座に対して、昔からキャラクター(人格)があって仮想神様として語られているのがこの、方位神。実際には神様じゃないんだよね、少なくとも古くからある西方の神学ではそのように教えられるんだけど……専門的だから一般的じゃない。だから多くの一般人は『ようするに神様』として崇める対象にしている事が多いね。

 ○中央座ブレクト(あるいはグレクト)○
 賭け事の神様と言われているのは、中央座が運とか金とかを意味している所為かな?エズあたりだと結構中央神をかたどったモチーフを見かけるんじゃないのかなと思う。
 賽子とか、盾とかで現される事が多いかな。

 ○北方座イン・テラール○
 悪い意味での賢者という称号を持っていて、慈悲なき平等という肩書を持つおっかない神様だね。むしろ邪神とまで言われている場合もある。え?南方の方では恋をしたという説話がある?おかげさまで嫉妬深い、何かと悪い側面を背負いがちな神様だ。
 悪い子はイン・テラールに攫われるぞ、っていう脅しが真面目に通用する地域があるよ。

 ○南方座ルミザ○
 長い間眠って沈黙している聖剣士と認識されているね。
 方位神同士の戦争があったという伝承があるんだけど、その戦いに決着をつけた英雄。死人を守るって考えられていて南方カルケードでは西方ディアスやファマメントとかなりこの辺り、教義が違う(おかげで戦争始めちゃったくらい)
 邪悪な心だけを斬る剣を振るう事が出来る、っていう伝承を持って居る。それが転じて悪いものを追い払う神様っていう側面が強い。

 ○東方座ラウェイ○
 東方ペランの魔導都市を作ったと言われる魔導師の祖の一人。三兄弟なんだけど、兄が水鏡、弟が炎と例えられてラウェイは風に例えられるらしい。かなり落ち着きがない性格であったという伝承があるんだそうだ。シュラードの次に実在した感覚が強いけど、魔導都市では神様として祭っている訳ではないのでシュラードやルミザみたいに『神』っていう側面がやや薄い気がする。

 ○西方座シュラード○
 西方ディアスで西教という宗教を作ってしまった、最も神様という属性が強い方位神。伝承ではディアス国の祖と伝えられていて、エルエラーサ王朝を開いた王様の事なんだって。おかげで色んな伝承や伝説が多く残っているんだけど、どこまで本当なのかも微妙な所だね。

 ○北東座ファーステク○
 医学神と言われている方位神で、北東から東方コウリーリス北方の森のどこかに今も、住んでいるといわれている。うーんと、人間というより怪物という伝承の方が多いんじゃないのかな。

 ○北西座アスフレイ○
 シュラードを守護する騎兵といわれているね。ディアス国における四方騎士団がもっとも強烈に意識している方位神だと思うよ。神を守る盾を持った勇ましい戦士の肖像とかがシュラード神の偶像の隣にあったらそれがアスフレイの偶像だよ。

 ○南東座ランティル○
 上位9方位内もっとも伝承が少ない方位神なんだけど、それは伝わる地域がディアス国によって西教に塗り替えられた所為だと言われているね。モチーフとしては竜として表わされるかな?今のディアス国がある付近に縁があってあの辺り一帯の地域にはたいてい『竜』の文字が入っているんだけど、ディアス国の所為でその地域の名前や伝承が消去されちゃったみたい。

 ○南西座フレージ○
 運命を司る女神、として有名かな。運命を予言する存在らしいね、黄金色あるいは黄色で表わされて、この色のローブで占い師である事を意味する。昔は黄金色のローブを纏った占い師が沢山居たそうだけど、8期では精霊使いが極端に減ってる事情、あまり見かけなくなったかな。

 ○全部で17方位神○
 このほかにも南南西とか、北北東とか、色々あるんだけど方位神っていのは定まって一人とは限らないらしくて、名前や伝承も色々ごっちゃになって今に伝わっているから僕もそんなに詳しい方じゃない。魔導都市になら、研究している魔導師がいるかもしれない。
 実在を証明する手立てがもはや無いに等しいからねぇ、あくまで歴史や伝承、物語やモチーフとして語られる概念でしかないのが方位神だよ。


 ■精霊干渉と精霊属性の事■(20-1/26追加)

 方位神と来たからには精霊についても説明しなくちゃだよね?
 精霊の、八精霊については前にやったけどじゃぁぶっちゃけて精霊って何って言えば―――化学記号や化学方程式を抽象的に言い換えたものであって、学派による名称の違いによって『精霊』と表現する場合がある、という事かな。
 記号とか。わけのわかんないものよりは、火や水などの自分たちの目に見えるもの、感じられる概念になぞらえて抽象的にした方が、一般の人には理解されやすいよね?
 精霊学は化学式によってすべての因果関係を細かく分解はしないんだ。魔導師に言わせると大雑把すぎるって言うけどね。とにかく学問として成り立っているんだからそんなの、いいじゃない、と僕は思ったりする。
 というわけで。
 精霊学と魔導学および科学はすこぶる相性がよくない。
 魔法使いは精霊使いには成れないとも言われているらしいけど、そもそも精霊使いの存在が希少だから、真実は闇の中だね。でも知り合いの精霊使い気質のある人を例えると確かに、マツナギもリオさんも魔法は使えないんだよねぇ。あと某のティナちゃんとか。
 作中精霊属性(アトリビュート)の解説をちょろっとリオさんがやるんだってさ。それの補足をしてくれって事らしいけどそこまで設定しなくてもいいんじゃない?とか……突っ込みは受け付けていないそうです。そうですか……その解説を僕にやれと。
 そこまでしなくてもいいのに、実は設定されている事情についての暴露話ですね了解しました。

 *イーフリート はナーイアスト と相互相性が悪い
  ドリュアート /ユピテルト と一方的に相性が良い
  逆に オレイアデント/ジーンウイント と一方的に相性が悪い

 △ ナーイアスト はイーフリート と相互相性が悪い
  ジーンウイント/ドリュアート と一方的に相性が良い
  逆に ユピテルト /オレイアデント と一方的に相性が悪い

 ☆ ユピテルト  はオレイアデントと相互相性が悪い
  イーフリート /イシュタルト  と一方的に相性が良い
  逆に ドリュアート /ジーンウイント と一方的に相性が悪い

 ■ オレイアデントはユピテルト  と相互相性が悪い
  イシュタルト /ナーイアスト  と一方的に相性が良い
  逆に ジーンウイント/ファマメント  と一方的に相性が悪い

 ◇ ジーンウイントはドリュアート と相互相性が悪い
  ナーイアスト /ファマメント  と一方的に相性が良い
  逆に イシュタルト /ユピテルト  と一方的に相性が悪い

 ◎ ドリュアート はジーンウイントと相互相性が悪い
  ファマメント /オレイアデント と一方的に相性が良い
  ドリュアートから一方的に相性の悪い相手はいない

 < ファマメントはバルトアンデルトと相互相性が悪い
  オレイアデント/ジーンウイント と一方的に相性が良い
  ファマメントはすべての精霊から一方的に相性が少し悪い

 Ⅵ バルトアンデルトはファマメントと相互相性が悪い
  バルトアンデルトに繋がる精霊はいない
  また バルトアンデルトは一方的にすべての精霊に強い影響を及ぼす

 † イシュタルト は どの精霊とも 中立関係にある
  ユピテルト /イーフリート  から一方的に相性が良い
  逆に ナーイアスト /ドリュアート  と一方的に相性が悪い

 ややこしいねぇ。まず全体的にイシュタルトは中立なんだけど一方的な相性は存在していて、ドリュアートは対立関係は持っているけど全体的には好かれる傾向にある。ファマメントは全体的に全部と相性悪い。実際、ファマメント属性の人はそんなに多くないとも言う。AB型みたいに絶対数が少ないのだとか。
 で、
 ヤトはドリュアートね。僕はジーンウイントでテリーがユピテルト、アベルがイシュタルト。
 アインはイーフリート、レッドはナーイアスト。マツナギがオレイアデントで……あと残りの某人がファマメントだね。こんな風に、ものっそいわかりやすい『属性』つけて考えてあるわけだ。こういうの、厨二病っていうんだよね★


■魔導師協会と魔法についての違いとかあれこれ■(10/24追加)

 『魔術師』と『魔導師』に種類が分かれていて、この二つひっくるめて『魔法使い』である、とかその辺りの事を詳しく解説するね。

 魔導師協会は、一部地域では魔協とか略される場合もあるとか、ないとか。
 東方ペランストラメールの魔導都市ランに、伝説の青き三魔導が立ち上げた『魔法技術を管理・研究・行使』する為の機関が『魔導師協会』。ここに属しているの魔法使いを基本的に『魔導師』と言うよ。

 魔法を使いたい、魔法使いになりたいなら魔導師協会に属して『魔導師』になるのが一番の近道と云われるね、もっともそれは人間や人間寄りの人達の都合だ。世の中には習う必要無く魔法を使える種族、あるいは稀に人も存在する。そういう人がもっとうまく使いたいという願いも『魔導師協会』は叶えてくれるだろう。
 魔導師協会に属する事で、魔導師協会が集めて管理している魔法行使の技術や方法論などを自由に閲覧する権利が得られ、魔導師として名乗る事が許されるんだ。
 魔導師になった後、協会の規定に縛られたくないと思ったら脱会も可能で、その場合魔導師と名乗る事は出来なくなり、魔法使いあるいは魔術師と名乗る必要が出てくるんだね。
 
 魔法というのは単純に言うと……『魔力』によって『ことわり』を『歪ませる』力。

 時に約束を裏切っても良いという『ジーンウイントの囁き』という理力によってこの世界にもたらされている手段の一つなんだ。
 魔法というのは使う人、使い方次第ではあるけれど大きな力には変わり無い。
 この力を世界に齎したのは、伝承上は世界にあだなす『悪魔』と伝えられる。強い力ではあるけれどうまく制御出来なければ暴走させて悲劇を生みだす事になる……その教訓を刻む為にも、そういう昔話が付随されたという説もあるけれど、幾分古い話だからもう本当の所は良く分からないとされているよ。
 魔法という力の未来を先読みし、統率しようとしたのが魔導都市ランを興した魔導師の祖にあたる青の三魔導なんだって。彼らが魔導師都市ランを作る前までは、魔導師・魔術師・魔法使いという名称の違いは結構曖昧だったのではないか、と考えられている様だ。これは歴史研究家らが割と明らかにしている事だよ。

 今在る魔導師の始まりは第6期前半、何の変哲もない小さな村でしかなかったランに、魔法を使う者に技術を教え共に研究する『魔導師』を三人の青魔導師が制定してからだね。この『魔導師』達を、組織としてまとめる法を作ってそれが『魔導師協会』という組織になって今に至るんだ。

『魔導師協会』には階級制度があって、魔導師特有の模様を有するマントの色で実力が示されているよ。
 子弟関係を結んでいる場合上下関係が強く、魔法についての禁忌なども制定されている。
 色々と定められている法はあるみたいだけど、最悪禁忌を踏まない限りは大抵許されていると考えてもいい……って、魔導師のレッドが言ってたよ。
 禁忌を破ると協会から『邪術師』認定を受け、国家にも指名手配が回ってしまう事になるそうだ。
『魔導師協会』はそうやって不当で危険な魔法を開発したり、使ったりする人を世界に排出しないように見張っている機関でもある。

 次に魔法そのものについて解説するね。

 魔法を使う能力、つまり魔法素質には『先天』と『後天』があり、人間は基本的にほとんどが『後天』だと云われているよ。
 一部の魔種は生まれた時から魔法を使う能力が備わっていて、そういうのを『先天』と云う訳だ。
 僕、有翼族のカイエン・ナッツは『先天』だ。
 『後天』の場合は魔法を使う技術を習わないと魔法が使えない事が多い。この、習う人は魔導師である必要は無いんだけど、魔法を使う事に特化したのが魔導師だからやっぱり先生としては一番良いだろう。先天だと、後天の都合が良く分からないから魔法を教えるのにも苦労するんじゃないかな……僕も感覚的に言って、魔法が使えない人に魔法を教えるなんて、どうすればいいのかちょっと、検討つかないもの。
 ちゃんとした先生に習えば、誰でも魔法を使える、とされている。
 どの程度使うか、使えるか、というのは個人差が出るだろうけれどね……。

 さて、『先天』の場合は誰かに教わらなくても魔法を使う事が出来る事が多い。なんというか、その種族ごとに色々千差万別だけど、僕は空を飛ぶ事に特化している種族だから、それに関する魔法は手足を動かすのと同じ感覚で使えると思ってもらって構わないよ。人間一人、いくら大きな翼があるったって理論的に考えて、そう軽々と空を飛べるはずないだろう?有翼族はある程度自分の重さを無効にしたり、浮遊させる動力系とかの魔法を時に無意識に働かせて空を飛んでいるんだよ。
 で、自分が使っているのが魔法という手段だと自覚が出来ると、もっと自分が出来る魔法の種類を増やす事もあるし、不要と思えば必要最低限にとどめる人も居るだろう。

 『先天』の人は、独学で魔力を使う事が出来るので一々魔導師に魔法を教えて貰う必要が無い。その為、魔導師協会には属さない事が多いんだ。もちろんもっと魔法を使いたければ魔導師になってもいいんだ。
 でも、話を聞くに『先天』の魔種(魔物から派生した種族)は魔導師協会の敷居が高いっぽいよねぇ……。
 レッドだって『先天』だからね、いろいろ苦労したっぽいよ。

 というわけで、魔導師協会に属しているのは『後天』の人が大半なんだね。

 しかしごく稀に修練をいくら積んでも魔法が使えない人がいるんだ。
 魔法は誰にでも備わる力なんだけど、ごくごく稀にこの素質の元になる『魔力』を全く持っていない人もいるんだってさ。
 この、魔力を全く持ってない場合はどうあがいても魔法が使えない。
 じゃぁこの『魔力』が大量に備わっていれば、魔導師あるいは魔術師として有能かというと……そうでもないんだって。
 『魔力』の量は魔法技術には結びつかない、というのが魔導師の中では定説だそうだ。少ない魔力でも工夫をして魔法を使う、というのに魔導師は特化しているからね。魔導師の多くが最初は魔法を使えない『後天』だからこそ技術を磨いた経緯があるんだ。
 魔導師曰く、魔法とは技術力とセンスが何より重要で、魔力の量やら質やらは最後の要因なんだって。
 ゆえに魔導師の実力は努力第一、技術第二、魔力第三要素というね。

 この『魔力』というのは誰にでも潜在的にある力と云われる。

 魔法が使えない人でも、何らかの方法で魔法を受けたり、関与したり、魔法を帯びた道具を使う時に潜在的な魔力を使っているとされている。備わる魔力によって結果値を変える事もよくある事で、魔法を使わない人が魔法道具を使う時に起こる事故はその辺りのマッチング問題だ、ってレッドが言ってるね。

 魔力値ゼロのリオさんは魔法の直接影響を一切受けないという特徴があるし、魔力値異常のヤトは属性によって親和と拒否反応が極端に現れたりする。

 そう、リオさんには例えばだけど……魔法による暗示系の魔法が一切通らない。読心とか、睡眠魔法とか、そういう魔法はリオさん一切シャットアウトする。それは彼女が魔力を一切持ってないからだ。
 じゃぁ逆にヤト氏はめちゃくちゃ魔法耐性が無い、と云う話では無いんだ、これが。あとは魔法との相性、魔法を行使した者との相性の問題になるそうだけど、シャットアウトする場合も在れば、100%クリティカルヒットの場合もあるし、ヘタをすれば相手がファンブル(大失敗)して100%跳ね返してしまう場合もあるのだそうだ。それもまた、難儀な体質だよねぇ……。

 魔法には後天魔導師の使う『理論式(フォーミュラ)』と、先天魔術師の使う『祈願系』の大まかな分類があって、その下に8精霊理力属性と方位神による加護制約があって様々な種類に細分化しているよ。
 例えば火を興す魔法は、
 理論的な技術の上に興す『魔導師の魔法』と、火を燃え上がれと願った先に火の手が上がる『祈願系』がある。勿論、魔導師や先天魔術師が、この二つの方法論を混ぜて使う事も可能だよ。
 火の球を投げる魔法は、
 理論的な技術の上に火球を飛ばす『魔導師の魔法』
 火を『祈願』で呼び出して理論的に任意の場所に飛ばす複合魔法、
 火を理論的に起こして目的の場所に『祈願』で飛ばす複合魔法、
 火の球を『祈願』で任意の場所へ飛ばす『祈願魔法』
 みたいに少なくとも、4パターン以上の魔法行使理論がある事になる。
 
 まず第一の属性に理論と祈願の二つの種類があると考えても問題はないね。
 火・水・風・土……とかの属性は、その下にくっつくものだと言える。
 この二つの違いは、物理法則性を解いた上で改めて理論的に状況を組立てた上で魔法という『歪み』を生み出す事と、単純に感情によってものごとをどうしたいといった願いによって『歪み』を生み出す違いになる。
 分かり易く言うなら……そうだなぁ、後天の人は感情的に魔力を魔法に還元して理力を曲げるのが苦手だから、理論的に物事を理解、再構築して魔法を習得する必要がある。
 逆に先天の人は最初から感情的に魔力を使って理力を曲げられる、って事だ。理論はあんまり関係ない。
 リモコンを操作すればテレビが動く、みたいな感覚で魔法を使う。先天はリモコンの理論を必要としていない。逆に後天魔導師はテレビを動かす為のリモコンが無いから自分で作る、って感じかな。

 そんな訳で、後天である魔導師は基本的に『祈願系』が苦手である事が多いねぇ。勿論、魔法行使の研究と鍛錬を第一とする魔導師の事だ、苦手を克服している場合も少なくないけど、効率的な都合魔導師はフォーミュラで魔法を使う事が多い。
 逆に先天の魔法使いは『理論式』を習得してない事が多いので、自分の感覚だけを信じて魔法を使う。
 僕先天で、レッドは……あ、一応は後天って事で魔導師に弟子入りしたんだ?え、秘密です?
 ……そう、レッドはフレイムトライブっていう貴族種の血が強い魔種だけど……彼は昔の事をあまりはっきり教えてくれないから、もしかすれば本当に後天で才能開花したのかもしれない。本来なら魔導師名乗る必要ない位の種族の筈だから、その通りに魔法素質が高いとすれば、魔導師として極めていけばそりゃぁ、強力な魔法使いなるよねぇ。
 さっきも言った通り、そういう事情もあって魔導師協会では『先天』である事が多い『魔種』の魔導師入りを良く思わない所があるようだ。

 ちなみに僕は先天でありながら、独学で理論式もある程度納めているんだよ。独学だから魔導師協会には属してないけど、魔導師協会から漏れたなー的な古い書物などにも縁がありましてねぇ ふふふ……。

 さて次に属性の事を話そう。

 魔法のパワー関係は属性に縛られる事になると云えるね。
 まず、理論か祈願か、
 次に8精霊属性と方位神加護。
 詳しい影響力については精霊の関係図を参照の事、この次のトピックだよ。

 魔法を打ち消したりするには当然、逆属性を使う事になるよ。逆属性でなければ打ち消せないとは限らないけど、工夫が必要だね。こういう工夫に魔導師はトコトン強いんだ。
 さらに、魔法は先行した方が強いという理論があるので発動した魔法を止めるには、発動した魔法以上のパワーを必要とする。
 それから、トビラにはあまり使い手が出てきてないけど魔法は理力干渉(精霊干渉)に非常に弱い。
 ただ、この約束事は魔法による理力干渉にも当てはまるので、召喚によって直接的に理力を呼び出した魔法はほとんどの魔法を打ち消すほどの力があったりする。
 じゃぁ、理論と祈願のパワーバランスは祈願が上かって云うと実はそうじゃない。祈願魔法は術者の状況によって能力が上下し不安定なので、基本的には理論式の方が魔法は強いとされている。
 でも、最強であろう『理力召喚』は理論式だけでは成り立つ事は稀で、祈願でしか実行できない。
 祈願系が呼び出した魔法が、理論的に純粋であればあるだけ理論魔法を凌駕するんだ。
 いやぁ、ややこしいパワー関係になってるんだねぇ。このあたりはレッドが一番詳しい訳だけど……レッドはここのページはノータッチですって言って、来てくれないんだよ。
 ブログでやってた番外編で人柱勇者に付き合っていますので勘弁してください、だそうだ。
 ……それも、手が空いたら移植予定だそうだ。日記クオリティは誤字脱字全部放置なので大変っぽいけど……。

 最後に魔導師協会についてもう少しうんちくを。

 魔導師協会は多く過去から積み上げられ、研究し、効率の良い魔法の使い方を教えてくれる所だと先に書いたね。
 この魔導師協会に入るには魔導師に弟子入りするのが一般的な方法なんだ。魔導師の掟は僕は余り詳しくないけど、なんでもアリで自由がモットーの魔導師にも一応『やっちゃいけない』があったりして、本編でレッドが言っていたのだけ拾えば……
 生命の意図的な再生である『三界接合』、『直死魔法』、『悪魔召喚』、『時間の魔法』は禁忌のようだ。
 他にもありますからね、とレッドが言ってるけど詳しくやると長くなるので割愛します。

 ええっと……禁忌なのに地下にもぐって使う奴は使う、というのが魔導師のどーしようもない本質みたいだけどね……。

 技術の隠ぺいという意味で、魔導師達は独特の言語を使うね。主に古代語(エイシャントタングル)を愛用している。古代語については別の項目を設けているから、そちらを参照してほしい。
 魔導師を開いた始祖三魔導兄弟の一人で長兄が、自分達が開発研究した技術や知り得た魔導式をすべて収めた聖典というのがあるんだけど―――これは『青の霹靂書』あるいは『リバティ』と呼ばれている。
 なんでも、全ての技術が失われた言語でこの書物に収められているとされ、魔導師達は未だにこれを全て解読できずにいる、とか。
 故に現在でも多くの魔導技術はすでにこの聖典に収められていて解読不能のままなんだそうだ。技術を開発する事で逆に聖典を読み解くことが出来る場合があるらしく、そうやって新しく作ったと思ったけど実はすでに聖典に収められていた技術の事を『サルベージ』と呼んているね。
 逆に、収められているけど解読不能で失われている技術を『シンク』というらしい。


 ■八精霊大陸の精霊についての基礎知識■(10/24追記)

 この八精霊って概念はね、戦士ヤトでも知ってる基本的な知識だから作中あえて説明しないで端折ってしまう事もあったかもしれない。
 てゆーか、端折ってここのコーナーあてにされた気配もしないでもない。

 ちなみに、同じ世界設定で別の時代の話である……精霊使いさんのお話だと、端折らないで何度でも作中で繰り返すのは仕様なんだそうですよ。(こちら、まだサルベージ出来ていません超長編だそうです)

 という事で詳しく天使教・児童学習マニュアルに基づいて説明しようかな。
 
 □ ファマメント
 空と欲望を司る根源精霊で『不確定混沌』とした常態を示す。
 空や月、蝕の形で示されていて、実は八精霊には含まれない特殊な『時間の精霊バルトアンデルト』と対関係にあるという、ちょっと特殊な精霊。ある期間……というのは具体的には第三期までの事ながら、八精霊からは仲間外れになっている背景を持っているそうだ。
 □ イーフリート
 火と死を司る根本精霊で『終りある実行』という常態を示す。
 矢印、三角形の形で示されていて、当然『水の精霊ナーイアスト』と対関係だね。この対関係というのは対立と、背中合わせと、縁を結んだペアという意味が含まれているよ。要するに反発関係だとは限らなくて、延長線上同じ、であったりもするんだ。
 □ オレイアデント
 闇と大地の根源精霊で『見えない確定項目』という常態を示す。
 四角形、二色対比で示されていて、『光の精霊ユピテルト』と対関係にある。安定や、白黒のはっきりとした結果を示す事が多い。
 □ ユピテルト
 光と陰陽の根源精霊で『矛盾と相対関係』を意味する。実は、光の精霊なのに影も内包しちゃってるんだよ。
 超多角形、ぼやけた影を含む対照図で示されていて、物事がはっきりしているという事を示す『闇の精霊オレイアデント』と対関係にあり、不定、不安定を示す符丁でもある。
 □ ジーンウイント
 風と自由の根源精霊で『規格破壊』を意味する。
 不安定な四角形、翼の記号で示されていて『輪の精霊ドリュアート』と対関係にある。全ての理を破壊して守らなくてもいい、というなんとも不条理な事を約束している精霊だったりする。自由である事がどれだけ『大変か』という事を知らしめている。
 □ ドリュアート
 輪と森の根源精霊『現状維持』という状態を示す。
 輪、円、たまに木や木の葉の形などで示されていて、『自由の精霊ジーンウイント』と対関係にある。結束、束縛のイメージよりは、自由の果てに安定を求めても良いという救いを示しているとも云う。
 □ イシュタルト
 理と力の根源精霊で『中立主張』の常態を示す。
 一つ目、剣の形で示されていて、唯一対関係を持たない特殊な精霊だとされる。対関係が無いから掴みどころのない存在であり、よくわからない事を揶揄しているよ。一つ目の紋章の事を『イシュタルトの目』あるいは『(イシュタルトの)第三眼』と言う。
 □ ナーイアスト
 水と命を司る根源精霊で『結果の始まり』を意味する。
 二点を結ぶ線、涙形などで示されていて、『火の精霊イーフリート』対関係にあるんだけど、実は意味するところは同じで切り口が『生』か『死』かの問題でしかなかったりするんだ。

 ついでに……

 □ バルトアンデルト
 時間と運命を司る根源精霊で『確定変動』を『司る』。
 示す形は特にない。『空の精霊ファマメント』と対関係である。

 バルトアンデルスについては別にあとで一項目設けるよ。
 最後に……リアルの方で、偽科学とか言われる『血液型性格診断』ってあるでしょ?あれ、一応八精霊大陸にも似たようなモノがあるんだけど、独特でね、八精霊で性格属性(これをアトリビュートって言う)として割と真面目に信じられている。
 このアトリビュートを診断できるのは精霊使いだけって事になっているから、まぁ精霊使いが稀少になった今はあんまり使われていないのかな?

 ・ファマメント …独占欲が激しい、包容力がある
 ・イーフリート …熱しやすく冷めやすい、人情にあつい
 ・オレイアデント…感情が表に出ない、義理がたい
 ・ユピテルト  …裏表がある、はっきりしている
 ・ジーンウイント…束縛を嫌う、楽天的
 ・ドリュアート …規則に縛られやすい、温和
 ・イシュタルト …天の邪鬼、攻撃的
 ・ナーイアスト …熱くなりにくいが冷めにくい、冷徹。

 他にもいろいろ流派とか尾ひれがついたのがあるけれど……リアルと似たようなものだね。


 ■古代種・古代言語について■(10/24追記)

 東方の魔導師的には古代、古い失われたという意味を『エイシャント』とか何とか言うらしい。この言語っからして古代語って事だよ。
 プレイヤー視点で見れば、要するに日本語以外全部の『外国語』が『古代語』という括りになっているみたいだ。
 世界的な意味で『古代』というのは具体的には第三期までを指して、新世紀は第五期からとされているよ。第四期は混迷期とされる。もっとも、六期以前はあんまり昔すぎていまいちよくわかってないみたいだけどね。
 その当時の色々書物とか遺物とか残っていてしかるべきだって?
 もちろんあっちこっちにあるんだけど、価値を見出されずに破壊されたり破棄されたりもするみたい。古くて放置されれば風化、劣化もする。
 考古学的な事は西教が一番最先端なんだけど、彼らは西教が出来た近辺から現代までの考古学に力を注いでいるから、それ以前は疎かどころか、むしろ隠ぺいに走ってあえて破棄したりしていたのではとか……今は言われているよ。
 西教の興りは伝えられる所第五期から、つまり新世代だ。

 一番近年で『古代種』と認定されたのは龍族種になるだろう。もっとも、認定された時にはすでに絶滅してたけどね。古代種ってのはつまり、4期までに栄えていた種族って事だ。新世代前から在る種族を古代種と呼べるわけだね。古代種は、現代生物とは少々規格が異なると考えられている。で、龍族種はすでに絶滅しているんだけど、遠東方イシュタル国に割と末裔が残っているらしい。おかげで稀に、イシュターラーは龍族種に先祖がえりをするそうだ。ウチのアベルがまさしくそれだねぇ、本来の古代種『龍族』がどういう特徴を持っていたのかを正しく伝える書物が無いので、アベルがどのくらいのクオリティで龍族を発現しているかは分からない事ではあるものの……。どうにも、彼女の家の都合がちょっと閉鎖的だったので先祖がえりを出しちゃったみたいだ。
 ちなみに、僕、有翼族も古代種に近い方だと云われているよ。でも完全に古いままではなくて、もうだいぶ新世代と交配を重ねた後で再発現して種として再構築されたんじゃないかーって感じの研究が、ファマメント国にあったりする。うん、僕がヒマでやった研究だけどね。


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