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本編
0.3%の奇跡※ side. りん
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まるで動物だ。
「ぁあんっ、あんっ、ああんっ、そこっ、イイっ、イイのぉっ、もっとぉ」
私は四つん這いになり、お尻を高く突き出す。
奴は後ろから、私のお尻を掴んで腰を振る。
物語みたいな、私だけの王子様なんていない。
その現実を、絶望を、忘れ去るため。
今日も私は獣になる。
「りんちゃん、奥、好きだねぇ。じゃ、もっと、奥気持ち良くしてあげるね」
奴は抽送をやめ、私のお尻にグリグリ、と自分の腰を押し付ける。
「ぁあああああぁぁっ」
全身に震えが走る。
王子様からの愛なんてなくても快楽は得られる。
「うおっ、気持ち良!りんちゃん、イッた?俺も一回出しちゃうねっ」
奴はまた抽送を再開した。
程なくして、私のナカで奴のモノがビクッと痙攣する。
「ぁあああああんっ」
「ぅあっーーー」
今日も奴は中出しだ。
私の処女を頂かれた時から、奴は避妊なんて一切しない。
こんな関係になる前、私は月経困難症の治療で処方されたピルを、奴の前で飲んだ。
今思うと、本当に迂闊だった。
何故なら、奴にとってピルは、治療薬ではなく避妊薬だったからである。
そのせいで「この女、中出しOKのセフレに丁度良い」と目を付けられた。
それから毎週のように金曜夜、居酒屋に呼び出され、甘い言葉で誘われ、毎回お持ち帰りされている。
そこから日曜の夜まで、なんだかんだ甘い言葉で引き留められる。
「月曜もウチから出勤しなよ」とかフザけたことを抜かすので、いつも「バカじゃないの」と言って家に帰る。
そんなことの繰り返し。
そんなに中出ししたいなら、私以外にもピル服用中のセフレ作ればいいのに。
という訳で、私は奴に言った。
「私以外にもピル服用中のセフレ作ればいいのに」
「えー、りんちゃん以外にいらないよー」
まぁ、そりゃそうだ。
奴にとって私は『呼び出したら必ず来る、誘えば必ずヤレる、中出しOKの、勘違いしない』女。
こんな都合の良い女、一人いれば、わざわざ他の女に本気になられるリスクを取りに行く必要はない。
変な女に刺される事態を避けるため、奴は他に女を作らない。
とはいえピルの避妊効果は100%ではなく、99.7%だ。
0.3%の確率で妊娠する。
1000回ヤれば、3回妊娠する計算。
1000回と聞くとすごい数に思えるが。
……んーと、奴には何回中出しされたんだ?
奴とこんな関係になって3年。
流石に4週に1回の生理の時は挿れない。
金曜の夜から日曜の夜まで、毎週10回ぐらいは中に出されてるかな。
とゆーことは……。
365日×3年÷7日×3/4週×10回=1173回 小数点以下切り捨て
えっ?!1000回超えてるじゃん!
そんなにヤッてるのか。
「私とアンタ、もう1000回以上ヤッてるみたいだよ」
「何、なんか計算アプリ開いてるなーって思ったら、そんなこと計算してたの?」
「ピルの避妊効果は99.7%って知ってる?」
「知ってるー!100%じゃないんだよね」
あれ、知ってたのか。
「だから、今までアンタとの間に3回はデキてる可能性があったってこと」
「ふぅん、でもデキなかったね」
あれ、引くかと思ったけど。
何で残念そうなんだ?
「あのさ、もしデキたらさ、りんちゃん、俺と結婚してくれる?」
あ、わかった。コイツ、子どもが欲しいんだ!
で、結婚をチラつかせてでも、都合の良い女に産ませたいって訳ね。
でも、そこまでアンタの都合に付き合う気はない。
「中絶費用を請求する」
「ええ~!俺とりんちゃんの子供、堕ろさないでっ!もし嫌なら、結婚してくれなくてもいいから!お願いっ!子供だけは産んでっ!」
意外だ。そこまで必死に子供を欲しがるなんて。
てっきり奴は結婚も子供も嫌うタイプかと思っていた。
「そしたら妊娠出産養育もろもろの費用を請求するけど?」
「うん、請求して!でさ、俺、りんちゃんと子どもに毎日会いにいくね!」
「ヤだよ!アンタに会う暇なんかある訳ない」
「じゃあさ、俺、りんちゃん家に住み込みで家事と育児するよ!」
何言ってるんだか。私が呆れていると、奴は言った。
「じゃあ、0.3%に賭けて、子作りしよっか」
そんなに子どもが欲しいか。
だったら0.3%になんか賭けてないで、ピル服用してない都合の良い女を見つければいいのに。
「りんちゃん次は座ってしよー!本当は対面でキスしながらしたいけど、りんちゃん下付きだから後ろからがいいね」
「座ってするのはいいけど、キスはヤだって言ってるじゃん」
「ええ~!俺とりんちゃんの仲なんだから、そろそろいいじゃん」
「ヤだ」
「キスしたら、もっと気持ち良くなれるよ?もっと嫌なこと忘れられるよ?」
「……別にキスしなくても気持ち良いし忘れられるもん」
「えー、気持ち良いって言ってもらえるのは嬉しいけどさー、……りんちゃん厳しい」
「しつこい。まだ何か言うなら帰る」
「待って待って、もう言わないから。帰っちゃダメ。後ろから挿れて、指でおっぱいとクリ弄ってあげる。舌で耳も攻めてあげるよ。いーっぱい気持ち良くしてあげるから、おいでー」
奴は座って手を広げる。
私は頷いて、言われるままに奴と同じ向きで座り、奴のモノに腰を落としていく。
甘い甘い言葉に誘われて、私は今日も理性を手放す。
本能に身を委ねて、獣になるのだ。
「あんっ、あぁっ、きもち、いいよぅっ」
「……たら、……させて。そしたらもーっと気持ち良くしてあげる」
「うん、うん、いいからぁっ、おねがいっ、もっと、きもちよく、して」
だって余計なことなんて、考えたら、死にたくなる。
◇
「あたし、ハルくんと付き合い始めたんだよね」
中学一年生の春休み。
離任式の日の通学路。
クラスメイトの宣言に衝撃を受けた。
だって、ハルくんは、私の……。
私の、何だろう?
よく考えたら、私の、何でもないや。
そっか、私、ハルくんに、期待してたのか。
中性的な可愛い顔立ち。
線が細くて。
声も可愛くて。
背はそんなに高くないけど、アイドルっぽくて人気だった男の子。
クラス委員だった私は、放課後よく先生の手伝いをしていて。
その後、自習しようと教室に戻ると、ハルくんがたまにいて。
たぶんハルくんは放課後の女の子からのお呼び出しの帰り。教室に寄ってたのかなと思う。
「あっ、りんちゃん、おつかれさま」
「うん、ハルくんもお疲れー」
誰にも労われることのないクラス委員業。
深い意味はなかったかもしれないけど、ハルくんの「おつかれさま」で報われた気持ちになった。
その後、特に会話するでもなく、私が教室で自習していたらハルくんはお昼寝してた、なんてことが何度か。
ハルくんは寝顔も可愛かった。
でもハルくんは、一年生から二年生に上がる春休み、急に転校することになった。
女の子はみんな、最後のチャンスとばかりに告白しようと色めき立った。
そんなある日、また放課後の教室で、ハルくんに会った。
「ハルくん、転校するんだね」
「うん」
「いつだっけ?」
「3月31日」
「そっか。離任式は来るの?」
「ううん。朝から引っ越しだから、式は出れない」
「そっか」
「……あのさ、りんちゃん」
「何?」
「もしよかったら、連絡先、教えて?」
「ごめん、私、スマホ持ってないんだ」
中学生のスマホ所持率は79%。
うちのお堅い両親は、自分の子供時代と比較して「中学生にはまだ早い」と持たせてくれない。
私はスマホを持っていない方の21%の方に甘んじていた。
「でもね、もしかしたら春休み、買ってもらえるかもしれない」
学年末の通知表の成績がオール5なら、親にスマホを買ってもらう約束を取り付けた。
オール5の割合は学年の1~2%。
1年生はまだ受験戦争前だから、頑張れば可能性はあるかもしれない。
「……じゃあさ、離任式の日、朝、俺が学校来たら、会えたりする?」
「え?」
「その時スマホ買ってもらえてたら、連絡先、教えてよ」
「……うん」
ハルくんはモテるから、私なんて眼中にないと思って、自覚する前に諦めてた。
なのに、わざわざ、私の連絡先を聞くために、引っ越しの日に学校に来てくれると言う。
ーーーハルくんは私の、王子様かもしれない。
バカな私は、すっかり期待してしまっていたようだ。
そして、奇跡的に学年の1~2%に入った私は、春休みにスマホを手に入れた。
ハルくんとの連絡先交換を、心待ちにしていたのに。
離任式の日の朝、ハルくんの彼女の「付き合い始めた」宣言で、私の期待は完全に打ち砕かれた。
ハルくんには「スマホは買ってもらえなかった」という嘘を告げて帰ることに決めた。
約束の場所に向かう。ハルくんは既にいた。先ほどのハルくんの彼女……とはまた違う女の子と腕を組んで。
私は思った。
ーーー誰でもいいんかい!
男という生き物の現実を、初めて垣間見た中学一年生の3月31日。
今思えば、中学生男子なんて、いや、男なんてそんなものなんだけど。
当時の私は若かった。
ハルくんに一言、「誰でもいいんかい!」って言ってやりたい気持ちになったけど、お取り込み中のところ邪魔をするのもアレなので。
私はハルくんに会わず、踵を返した。
◇
ーーー私にも、いつか『私だけの王子様』が現れるのかな。
そう期待していた時代が私にもありました。
今思えば、バカバカしい。
私の男運はハルくんの後も散々だった。
中二の時に初めて告白してきた先輩は、返事をする前に三股であることが判明したり。
ーーー中学生で三股かよっ!
高校に入って告白してきた飲食店のバイトリーダーは、バイト先の若い女性全員と関係を持ってることが判明したり。
ーーーお前のせいで店潰れたらどうすんだっ!
大学の名物カップルに「今日もお熱いな」と思ったその日。その彼氏から「君だけが好きなんだ。君が交際OKしてくれたら彼女と別れるよ」と言われたり。
ーーーテメェ、ついさっき、彼女にベタベタ触ってキスまでしてただろうがっ!
それで「君だけ」なんて誰が信じるかあああああ!
信じてほしいなら、せめて!先に!別れてから!言いやがれえええええ!!!
痴漢、ナンパ、彼女持ちや既婚者からの一夜の誘い。
「誰でもいいんかい!」とツッコミたくなる男に遭遇する度、私の心が抉られていく。
ある時、気付いた。
『誰でもいい』は男の本質なんじゃないか?
連日報道される男性有名人の女性問題。
歴史を見ても、側妃愛妾側室後宮ハーレム等々、一夫多妻制の多さよ。お世継ぎ問題という建前で、男の夢が見事に反映されてますね。
幼い頃から物語の王子様に憧れて育った反動。
ヒロインはお互い唯一無二の王子様と末永く幸せに暮らすのに。
ーーー私にも、いつか『私だけの王子様』が現れるのかな。
そんなもの、実在しない。
幻の、架空の、想像上の生き物だ。
……という訳で、私は筋金入りの男性不信になった。
◇
突如、会社の飲み会で始まる不倫の武勇伝。
既婚男性たちがこぞって語り出し、未婚男性たちがゴクリと喉を鳴らす。
あーあ。尊敬してた上司、信頼してた同僚が、アルコールによって、『誰でもいい』男共に変貌した。
それから会社の飲み会なんか一切参加しなくなった。
仕事と彼氏で手一杯の女友達は、私の相手をしてくれず。
でも、一人は寂しい。
だから、毎週金曜、女将さんが相手してくれて虫除けしてくれる近所の居酒屋に通うようになった。
そこで奴に目をつけられた。
奴は見るからにチャラかった。
高身長に甘いマスクで細マッチョ。
何度も美女をお持ち帰り(しかも毎回違う)してるのを見かけた、これ以上ない『誰でもいい』男。
最初から警戒していたはずなのに。
でもさ、似てたのよ、ハルくんに。少しだけ。
あんなに厳重に張り巡らしていた男避けバリケードの隙間を潜って、居酒屋で絡まれた回数は5回。
5回目にピル服用を目撃され、甘い甘い言葉で誘われた私はお持ち帰りされ、処女を奴に頂かれた。
酔いと快楽から醒めた瞬間、逃げ出そうとしたら捕まった。
「初めては痛くて楽しめなかったでしょ?2回目からはもっと気持ち良くしてあげられるよ?」
え?確かにちょっと痛かったけど、初めても気持ち良かったよ?
アレよりもっと気持ち良いの?
「イヤなことは、ぜーんぶ忘れさせてあげる」
そうして私は理性を手放し、本能に身を委ねる快楽を刷り込まれた。
イヤなことなんて考えなくていい。
物語みたいに、私だけの王子様なんてどこにもいないという現実。絶望。
嫌気が差したはずの『誰でもいい』男共と、今の私は何ら変わりないという現実。絶望。
そんなもの全て消し去ってくれる。
◇
「あんっああんっイッちゃうよぉ」
奴の宣言通り、座ったまま後ろから乳首を弄られクリを弄られ、耳を舐められ、あっという間に波が押し寄せた。
「うん、イッちゃって。りんちゃんイクと、俺もすっごく気持ち良くイけるから。一緒にイこうね」
「あっあんっぁああああああぁっ」
「ふっ、くぅっ」
「はぁ、はぁ……」
息が整った後、突如訪れる虚無感。
ヤッてる時はイヤなこと全部忘れられるのに。
快楽が過ぎ去ると「またやっちゃった」っていう後悔と諦め混じりの気持ちに襲われる。
そもそも私、何で、これ以上ない『誰でもいい』男と毎週毎週ヤッてるんだろ。
さっきの話。
こんな奴の子供がデキて結婚なんてしたら。
奴は私と子供を置いて、毎週のように他の女とヤりに出かけるんだろうね。いや、毎日かも。
奴が刺されるのは自業自得だが、とばっちりで私や子供が刺されるのはまっぴら御免だ。
バカバカしい。
もし0.3%が現実に起きたら、奴とはサヨナラだ。
子供が欲しいらしい奴には悪いが、私と子供の安全が最優先だ。
何も告げずに一人で育てよ。
◇
……なんてことを考えていたら。
0.3%が現実に起きた。
自宅のトイレ。妊娠検査薬が示すのは陽性。
まぁ、ピルの避妊効果は100%じゃないとわかった上で、奴に中出しを許し続けた私が悪い。
幸い私には一人で子育てできるぐらいには収入がある。
贅沢はできないだろうけど。ささやかな幸せを楽しみながら、親子二人でひっそり生きていこう。
スマホには奴からの呼び出し。
ああ、今日は金曜か。
もう奴と会うことは一生無いだろう。
『もう行けないわ。バイバイ』
そっと奴の連絡先をブロックした。
◇
「で、何でアンタがここにいるのよ?!」
「えっへへー!GPSアプリとこっそり作った合鍵!」
奴の連絡先をブロックしたその日、会社帰りに産婦人科に寄って、家に帰ってきた。
体調がかなり悪い。これって妊娠初期の体調不良?
無理……立てない。
私は自宅で死んだように蹲っていた。
そんな時、突如玄関のチャイムが鳴る。
動けなくてそのまま蹲っていたら、突如鍵を開けるガチャリという音。
合鍵なんてすっかり疎遠になった家族にも渡してないのに。
ドアが開いた瞬間は、犯罪者かと思って心臓が止まるかと思った。
だけど、そこに立っていたのは奴だった。
うっかりホッとしそうになって気付く。
……いや、これ、ストーキング行為だ。紛れもなく、立派な犯罪者だわ。
すると、奴は床で蹲る私を抱き上げ、頬擦りする。
「りんちゃん、俺の子、身籠ってくれたんだね?!俺、嬉しいよ」
「え?何で?」
「テーブルの上に、妊娠おめでとうって書いたチラシがあるよ?」
まずい、バレた。
さっき妊婦健診で産婦人科からもらったやつ。そのまま置いといた私がバカだった。
……いや、違うな。犯罪行為に手を染めて、勝手に入ってきた奴が全面的に悪い。
「うん、デキてたから。飲めないしヤレないし刺されたくないから、アンタとはもう会わない。さよなら」
「ええー、結婚しようよ!父親がいた方が何かと都合良いでしょ?」
「ヤだよ!」
「じゃあさ、結婚してくれなくてもいいから、住み込みで家事と育児させてよ!今もしんどいんでしょ?」
「そんなのアンタに頼む訳ないでしょ?早く帰って!」
「やだよ!俺、0.3%の賭けに勝ったんだから、キスさせてもらわなきゃ」
「は?」
「だって、こないだ、言ったよね?」
「言ってない!」
「言った!俺が『0.3%の賭けに勝ったら、キスさせて。そしたらもーっと気持ち良くしてあげる』って言ったら、『うん、いいから、おねがい、もっと、きもちよくして』って」
「それってヤッてる時の言葉でしょ?そんなのいちいち聞いてないから、無効!」
「ダメ!させてよ」
「ヤだ!!!」
ーーーヤだよ!!絶対にヤだ!!!
キスなんかしちゃったら、私、戻れなくなるじゃん!
これまでだって、何度も何度も期待させるようなことを言って!
その度に、アンタみたいな『誰でもいい』男に、期待しそうになるのを必死に抑えてきたのに!
何で追いかけて来るのよ!
何でそんな必死になるのよ!
期待なんかしちゃったら、私、もうアンタなしで立てなくなるじゃん!!
『誰でもいい』アンタに期待して、依存するなんて、そんな怖いこと、……臆病な私に、できる訳が、ないよ。
私の頬に涙が伝う。
「……そんなに、イヤ?」
奴は絶望したような顔になる。
何で?何でそんな顔をするの?
「わかったよ。じゃあさ、最後に1つだけ、お願い、聞いて」
「え?」
「キスしてくれなくても、結婚してくれなくても、住み込みさせてくれなくても、俺の子ども産んでくれなくても、もう二度と会えなくてもいいからさ」
「え?何でアンタが泣いてるの?」
「一回でいいから。13年前みたいにさ、最後に、もう一度だけ。『ハルくん』って呼んでよ」
「……え?」
「りんちゃんのこと、13年前からずっと好きだったから」
ーーー私だけの王子様は、実在したのかもしれない。
「ぁあんっ、あんっ、ああんっ、そこっ、イイっ、イイのぉっ、もっとぉ」
私は四つん這いになり、お尻を高く突き出す。
奴は後ろから、私のお尻を掴んで腰を振る。
物語みたいな、私だけの王子様なんていない。
その現実を、絶望を、忘れ去るため。
今日も私は獣になる。
「りんちゃん、奥、好きだねぇ。じゃ、もっと、奥気持ち良くしてあげるね」
奴は抽送をやめ、私のお尻にグリグリ、と自分の腰を押し付ける。
「ぁあああああぁぁっ」
全身に震えが走る。
王子様からの愛なんてなくても快楽は得られる。
「うおっ、気持ち良!りんちゃん、イッた?俺も一回出しちゃうねっ」
奴はまた抽送を再開した。
程なくして、私のナカで奴のモノがビクッと痙攣する。
「ぁあああああんっ」
「ぅあっーーー」
今日も奴は中出しだ。
私の処女を頂かれた時から、奴は避妊なんて一切しない。
こんな関係になる前、私は月経困難症の治療で処方されたピルを、奴の前で飲んだ。
今思うと、本当に迂闊だった。
何故なら、奴にとってピルは、治療薬ではなく避妊薬だったからである。
そのせいで「この女、中出しOKのセフレに丁度良い」と目を付けられた。
それから毎週のように金曜夜、居酒屋に呼び出され、甘い言葉で誘われ、毎回お持ち帰りされている。
そこから日曜の夜まで、なんだかんだ甘い言葉で引き留められる。
「月曜もウチから出勤しなよ」とかフザけたことを抜かすので、いつも「バカじゃないの」と言って家に帰る。
そんなことの繰り返し。
そんなに中出ししたいなら、私以外にもピル服用中のセフレ作ればいいのに。
という訳で、私は奴に言った。
「私以外にもピル服用中のセフレ作ればいいのに」
「えー、りんちゃん以外にいらないよー」
まぁ、そりゃそうだ。
奴にとって私は『呼び出したら必ず来る、誘えば必ずヤレる、中出しOKの、勘違いしない』女。
こんな都合の良い女、一人いれば、わざわざ他の女に本気になられるリスクを取りに行く必要はない。
変な女に刺される事態を避けるため、奴は他に女を作らない。
とはいえピルの避妊効果は100%ではなく、99.7%だ。
0.3%の確率で妊娠する。
1000回ヤれば、3回妊娠する計算。
1000回と聞くとすごい数に思えるが。
……んーと、奴には何回中出しされたんだ?
奴とこんな関係になって3年。
流石に4週に1回の生理の時は挿れない。
金曜の夜から日曜の夜まで、毎週10回ぐらいは中に出されてるかな。
とゆーことは……。
365日×3年÷7日×3/4週×10回=1173回 小数点以下切り捨て
えっ?!1000回超えてるじゃん!
そんなにヤッてるのか。
「私とアンタ、もう1000回以上ヤッてるみたいだよ」
「何、なんか計算アプリ開いてるなーって思ったら、そんなこと計算してたの?」
「ピルの避妊効果は99.7%って知ってる?」
「知ってるー!100%じゃないんだよね」
あれ、知ってたのか。
「だから、今までアンタとの間に3回はデキてる可能性があったってこと」
「ふぅん、でもデキなかったね」
あれ、引くかと思ったけど。
何で残念そうなんだ?
「あのさ、もしデキたらさ、りんちゃん、俺と結婚してくれる?」
あ、わかった。コイツ、子どもが欲しいんだ!
で、結婚をチラつかせてでも、都合の良い女に産ませたいって訳ね。
でも、そこまでアンタの都合に付き合う気はない。
「中絶費用を請求する」
「ええ~!俺とりんちゃんの子供、堕ろさないでっ!もし嫌なら、結婚してくれなくてもいいから!お願いっ!子供だけは産んでっ!」
意外だ。そこまで必死に子供を欲しがるなんて。
てっきり奴は結婚も子供も嫌うタイプかと思っていた。
「そしたら妊娠出産養育もろもろの費用を請求するけど?」
「うん、請求して!でさ、俺、りんちゃんと子どもに毎日会いにいくね!」
「ヤだよ!アンタに会う暇なんかある訳ない」
「じゃあさ、俺、りんちゃん家に住み込みで家事と育児するよ!」
何言ってるんだか。私が呆れていると、奴は言った。
「じゃあ、0.3%に賭けて、子作りしよっか」
そんなに子どもが欲しいか。
だったら0.3%になんか賭けてないで、ピル服用してない都合の良い女を見つければいいのに。
「りんちゃん次は座ってしよー!本当は対面でキスしながらしたいけど、りんちゃん下付きだから後ろからがいいね」
「座ってするのはいいけど、キスはヤだって言ってるじゃん」
「ええ~!俺とりんちゃんの仲なんだから、そろそろいいじゃん」
「ヤだ」
「キスしたら、もっと気持ち良くなれるよ?もっと嫌なこと忘れられるよ?」
「……別にキスしなくても気持ち良いし忘れられるもん」
「えー、気持ち良いって言ってもらえるのは嬉しいけどさー、……りんちゃん厳しい」
「しつこい。まだ何か言うなら帰る」
「待って待って、もう言わないから。帰っちゃダメ。後ろから挿れて、指でおっぱいとクリ弄ってあげる。舌で耳も攻めてあげるよ。いーっぱい気持ち良くしてあげるから、おいでー」
奴は座って手を広げる。
私は頷いて、言われるままに奴と同じ向きで座り、奴のモノに腰を落としていく。
甘い甘い言葉に誘われて、私は今日も理性を手放す。
本能に身を委ねて、獣になるのだ。
「あんっ、あぁっ、きもち、いいよぅっ」
「……たら、……させて。そしたらもーっと気持ち良くしてあげる」
「うん、うん、いいからぁっ、おねがいっ、もっと、きもちよく、して」
だって余計なことなんて、考えたら、死にたくなる。
◇
「あたし、ハルくんと付き合い始めたんだよね」
中学一年生の春休み。
離任式の日の通学路。
クラスメイトの宣言に衝撃を受けた。
だって、ハルくんは、私の……。
私の、何だろう?
よく考えたら、私の、何でもないや。
そっか、私、ハルくんに、期待してたのか。
中性的な可愛い顔立ち。
線が細くて。
声も可愛くて。
背はそんなに高くないけど、アイドルっぽくて人気だった男の子。
クラス委員だった私は、放課後よく先生の手伝いをしていて。
その後、自習しようと教室に戻ると、ハルくんがたまにいて。
たぶんハルくんは放課後の女の子からのお呼び出しの帰り。教室に寄ってたのかなと思う。
「あっ、りんちゃん、おつかれさま」
「うん、ハルくんもお疲れー」
誰にも労われることのないクラス委員業。
深い意味はなかったかもしれないけど、ハルくんの「おつかれさま」で報われた気持ちになった。
その後、特に会話するでもなく、私が教室で自習していたらハルくんはお昼寝してた、なんてことが何度か。
ハルくんは寝顔も可愛かった。
でもハルくんは、一年生から二年生に上がる春休み、急に転校することになった。
女の子はみんな、最後のチャンスとばかりに告白しようと色めき立った。
そんなある日、また放課後の教室で、ハルくんに会った。
「ハルくん、転校するんだね」
「うん」
「いつだっけ?」
「3月31日」
「そっか。離任式は来るの?」
「ううん。朝から引っ越しだから、式は出れない」
「そっか」
「……あのさ、りんちゃん」
「何?」
「もしよかったら、連絡先、教えて?」
「ごめん、私、スマホ持ってないんだ」
中学生のスマホ所持率は79%。
うちのお堅い両親は、自分の子供時代と比較して「中学生にはまだ早い」と持たせてくれない。
私はスマホを持っていない方の21%の方に甘んじていた。
「でもね、もしかしたら春休み、買ってもらえるかもしれない」
学年末の通知表の成績がオール5なら、親にスマホを買ってもらう約束を取り付けた。
オール5の割合は学年の1~2%。
1年生はまだ受験戦争前だから、頑張れば可能性はあるかもしれない。
「……じゃあさ、離任式の日、朝、俺が学校来たら、会えたりする?」
「え?」
「その時スマホ買ってもらえてたら、連絡先、教えてよ」
「……うん」
ハルくんはモテるから、私なんて眼中にないと思って、自覚する前に諦めてた。
なのに、わざわざ、私の連絡先を聞くために、引っ越しの日に学校に来てくれると言う。
ーーーハルくんは私の、王子様かもしれない。
バカな私は、すっかり期待してしまっていたようだ。
そして、奇跡的に学年の1~2%に入った私は、春休みにスマホを手に入れた。
ハルくんとの連絡先交換を、心待ちにしていたのに。
離任式の日の朝、ハルくんの彼女の「付き合い始めた」宣言で、私の期待は完全に打ち砕かれた。
ハルくんには「スマホは買ってもらえなかった」という嘘を告げて帰ることに決めた。
約束の場所に向かう。ハルくんは既にいた。先ほどのハルくんの彼女……とはまた違う女の子と腕を組んで。
私は思った。
ーーー誰でもいいんかい!
男という生き物の現実を、初めて垣間見た中学一年生の3月31日。
今思えば、中学生男子なんて、いや、男なんてそんなものなんだけど。
当時の私は若かった。
ハルくんに一言、「誰でもいいんかい!」って言ってやりたい気持ちになったけど、お取り込み中のところ邪魔をするのもアレなので。
私はハルくんに会わず、踵を返した。
◇
ーーー私にも、いつか『私だけの王子様』が現れるのかな。
そう期待していた時代が私にもありました。
今思えば、バカバカしい。
私の男運はハルくんの後も散々だった。
中二の時に初めて告白してきた先輩は、返事をする前に三股であることが判明したり。
ーーー中学生で三股かよっ!
高校に入って告白してきた飲食店のバイトリーダーは、バイト先の若い女性全員と関係を持ってることが判明したり。
ーーーお前のせいで店潰れたらどうすんだっ!
大学の名物カップルに「今日もお熱いな」と思ったその日。その彼氏から「君だけが好きなんだ。君が交際OKしてくれたら彼女と別れるよ」と言われたり。
ーーーテメェ、ついさっき、彼女にベタベタ触ってキスまでしてただろうがっ!
それで「君だけ」なんて誰が信じるかあああああ!
信じてほしいなら、せめて!先に!別れてから!言いやがれえええええ!!!
痴漢、ナンパ、彼女持ちや既婚者からの一夜の誘い。
「誰でもいいんかい!」とツッコミたくなる男に遭遇する度、私の心が抉られていく。
ある時、気付いた。
『誰でもいい』は男の本質なんじゃないか?
連日報道される男性有名人の女性問題。
歴史を見ても、側妃愛妾側室後宮ハーレム等々、一夫多妻制の多さよ。お世継ぎ問題という建前で、男の夢が見事に反映されてますね。
幼い頃から物語の王子様に憧れて育った反動。
ヒロインはお互い唯一無二の王子様と末永く幸せに暮らすのに。
ーーー私にも、いつか『私だけの王子様』が現れるのかな。
そんなもの、実在しない。
幻の、架空の、想像上の生き物だ。
……という訳で、私は筋金入りの男性不信になった。
◇
突如、会社の飲み会で始まる不倫の武勇伝。
既婚男性たちがこぞって語り出し、未婚男性たちがゴクリと喉を鳴らす。
あーあ。尊敬してた上司、信頼してた同僚が、アルコールによって、『誰でもいい』男共に変貌した。
それから会社の飲み会なんか一切参加しなくなった。
仕事と彼氏で手一杯の女友達は、私の相手をしてくれず。
でも、一人は寂しい。
だから、毎週金曜、女将さんが相手してくれて虫除けしてくれる近所の居酒屋に通うようになった。
そこで奴に目をつけられた。
奴は見るからにチャラかった。
高身長に甘いマスクで細マッチョ。
何度も美女をお持ち帰り(しかも毎回違う)してるのを見かけた、これ以上ない『誰でもいい』男。
最初から警戒していたはずなのに。
でもさ、似てたのよ、ハルくんに。少しだけ。
あんなに厳重に張り巡らしていた男避けバリケードの隙間を潜って、居酒屋で絡まれた回数は5回。
5回目にピル服用を目撃され、甘い甘い言葉で誘われた私はお持ち帰りされ、処女を奴に頂かれた。
酔いと快楽から醒めた瞬間、逃げ出そうとしたら捕まった。
「初めては痛くて楽しめなかったでしょ?2回目からはもっと気持ち良くしてあげられるよ?」
え?確かにちょっと痛かったけど、初めても気持ち良かったよ?
アレよりもっと気持ち良いの?
「イヤなことは、ぜーんぶ忘れさせてあげる」
そうして私は理性を手放し、本能に身を委ねる快楽を刷り込まれた。
イヤなことなんて考えなくていい。
物語みたいに、私だけの王子様なんてどこにもいないという現実。絶望。
嫌気が差したはずの『誰でもいい』男共と、今の私は何ら変わりないという現実。絶望。
そんなもの全て消し去ってくれる。
◇
「あんっああんっイッちゃうよぉ」
奴の宣言通り、座ったまま後ろから乳首を弄られクリを弄られ、耳を舐められ、あっという間に波が押し寄せた。
「うん、イッちゃって。りんちゃんイクと、俺もすっごく気持ち良くイけるから。一緒にイこうね」
「あっあんっぁああああああぁっ」
「ふっ、くぅっ」
「はぁ、はぁ……」
息が整った後、突如訪れる虚無感。
ヤッてる時はイヤなこと全部忘れられるのに。
快楽が過ぎ去ると「またやっちゃった」っていう後悔と諦め混じりの気持ちに襲われる。
そもそも私、何で、これ以上ない『誰でもいい』男と毎週毎週ヤッてるんだろ。
さっきの話。
こんな奴の子供がデキて結婚なんてしたら。
奴は私と子供を置いて、毎週のように他の女とヤりに出かけるんだろうね。いや、毎日かも。
奴が刺されるのは自業自得だが、とばっちりで私や子供が刺されるのはまっぴら御免だ。
バカバカしい。
もし0.3%が現実に起きたら、奴とはサヨナラだ。
子供が欲しいらしい奴には悪いが、私と子供の安全が最優先だ。
何も告げずに一人で育てよ。
◇
……なんてことを考えていたら。
0.3%が現実に起きた。
自宅のトイレ。妊娠検査薬が示すのは陽性。
まぁ、ピルの避妊効果は100%じゃないとわかった上で、奴に中出しを許し続けた私が悪い。
幸い私には一人で子育てできるぐらいには収入がある。
贅沢はできないだろうけど。ささやかな幸せを楽しみながら、親子二人でひっそり生きていこう。
スマホには奴からの呼び出し。
ああ、今日は金曜か。
もう奴と会うことは一生無いだろう。
『もう行けないわ。バイバイ』
そっと奴の連絡先をブロックした。
◇
「で、何でアンタがここにいるのよ?!」
「えっへへー!GPSアプリとこっそり作った合鍵!」
奴の連絡先をブロックしたその日、会社帰りに産婦人科に寄って、家に帰ってきた。
体調がかなり悪い。これって妊娠初期の体調不良?
無理……立てない。
私は自宅で死んだように蹲っていた。
そんな時、突如玄関のチャイムが鳴る。
動けなくてそのまま蹲っていたら、突如鍵を開けるガチャリという音。
合鍵なんてすっかり疎遠になった家族にも渡してないのに。
ドアが開いた瞬間は、犯罪者かと思って心臓が止まるかと思った。
だけど、そこに立っていたのは奴だった。
うっかりホッとしそうになって気付く。
……いや、これ、ストーキング行為だ。紛れもなく、立派な犯罪者だわ。
すると、奴は床で蹲る私を抱き上げ、頬擦りする。
「りんちゃん、俺の子、身籠ってくれたんだね?!俺、嬉しいよ」
「え?何で?」
「テーブルの上に、妊娠おめでとうって書いたチラシがあるよ?」
まずい、バレた。
さっき妊婦健診で産婦人科からもらったやつ。そのまま置いといた私がバカだった。
……いや、違うな。犯罪行為に手を染めて、勝手に入ってきた奴が全面的に悪い。
「うん、デキてたから。飲めないしヤレないし刺されたくないから、アンタとはもう会わない。さよなら」
「ええー、結婚しようよ!父親がいた方が何かと都合良いでしょ?」
「ヤだよ!」
「じゃあさ、結婚してくれなくてもいいから、住み込みで家事と育児させてよ!今もしんどいんでしょ?」
「そんなのアンタに頼む訳ないでしょ?早く帰って!」
「やだよ!俺、0.3%の賭けに勝ったんだから、キスさせてもらわなきゃ」
「は?」
「だって、こないだ、言ったよね?」
「言ってない!」
「言った!俺が『0.3%の賭けに勝ったら、キスさせて。そしたらもーっと気持ち良くしてあげる』って言ったら、『うん、いいから、おねがい、もっと、きもちよくして』って」
「それってヤッてる時の言葉でしょ?そんなのいちいち聞いてないから、無効!」
「ダメ!させてよ」
「ヤだ!!!」
ーーーヤだよ!!絶対にヤだ!!!
キスなんかしちゃったら、私、戻れなくなるじゃん!
これまでだって、何度も何度も期待させるようなことを言って!
その度に、アンタみたいな『誰でもいい』男に、期待しそうになるのを必死に抑えてきたのに!
何で追いかけて来るのよ!
何でそんな必死になるのよ!
期待なんかしちゃったら、私、もうアンタなしで立てなくなるじゃん!!
『誰でもいい』アンタに期待して、依存するなんて、そんな怖いこと、……臆病な私に、できる訳が、ないよ。
私の頬に涙が伝う。
「……そんなに、イヤ?」
奴は絶望したような顔になる。
何で?何でそんな顔をするの?
「わかったよ。じゃあさ、最後に1つだけ、お願い、聞いて」
「え?」
「キスしてくれなくても、結婚してくれなくても、住み込みさせてくれなくても、俺の子ども産んでくれなくても、もう二度と会えなくてもいいからさ」
「え?何でアンタが泣いてるの?」
「一回でいいから。13年前みたいにさ、最後に、もう一度だけ。『ハルくん』って呼んでよ」
「……え?」
「りんちゃんのこと、13年前からずっと好きだったから」
ーーー私だけの王子様は、実在したのかもしれない。
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