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6. 私と×××中の幼馴染が、なぜか顔面蒼白になってるんですが※

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「徹、どうしたの?」

「……俺、ゴム、持ってない……」

徹は頭を抱えて顔面蒼白になっている。

「今までそんな相手もいなかったし、まさかこんな事態に陥るなんて思わねーし、ゴムなんて持ってねーよ!
トールに体を貸すって決めた後も、他のことで頭がいっぱいで思い付きもしなかった……!
大事な那奈の体のことなのに……バカすぎるだろ俺!!!」

しかしすぐに、思い直したように呟いた。

「……まぁでも、トールとナンナさんの時に気付いてたら、かなり悲惨だったよな。
俺たちが先で、本当によかった……」

そう言って、徹が脱ぎかけていたスウェットパンツを、着始めた。

「俺達だけならまだしも、トールとナンナさんは『また後日』って訳にはいかねーもんな。
俺、買って来るわ」

「大丈夫だよ、徹!」

「え?」

「私、持ってるから!」

「は?」

徹がスウェットパンツを中途半端な位置まで上げた状態で固まっている間に、私は鞄に入れていたポーチから、コンドームの箱を取り出した。

「ほらね!」

「~~~何で那奈が持ってんだよ!」

そう言った後、なぜか徹がまた顔を青くした。

「ま、まさか、那奈、……そういう相手が、いるのか?」

もー!この期に及んで、何でまたそういう発想になっちゃうかなぁ。
私には、徹しかいないのに。

「もし徹がその気になってくれた時に無かったら、徹はしてくれないって思ったから!でも、そんなチャンス絶対に逃したくないと思って!だから徹の部屋に来る時はいつも持ってたの!」

徹がまた固まった。
そして、今度は顔を赤くして、額を押さえて言った。

「もー何でお前は!そういうタチが悪いことばっか言うんだ!」

俺の気も知らないで……と徹が呟く。
私はまたえへへ、と笑った。

「ねぇ、私、付けてもいい?」

私も徹のモノに触ってみたい!
驚いた徹は、少し逡巡した後、いいぞ、と言った。

私は緊張しながら、箱を開けて、中から1つ取り出す。

徹の方を見ると、服と下着を脱ぎ終えていた。徹も少し、緊張しているようだ。

私は、徹の足の間に移動して、正座する。
ドキドキしながら視線を落としていく。
すると、徹のお腹に沿うように、そそり立つモノがあった。

幼い頃、見たことがあったような覚えがあるけど、ーーーぜんぜん違った気がする。

「おっきい……」

私が思わず口にしたら、徹は小声で、もーお前は……と呟き、項垂れた。

私は恐る恐るそこに手を伸ばす。
指先が徹のモノに触れると、徹が息を呑むのがわかった。
手のひらを竿の部分に沿わせると、徹はピクッと震えた。
……出来心で先端にキスをしたら、徹がビクンッと跳ねた。

うわあ!可愛い!!!

徹の体が跳ねるのが可愛くて、私は先端にまたキスをしたり、ペロッと舐めてみたり、竿の部分をぎゅっと握ったり、それを上下させてみたりしたら。
……徹に突然肩を掴まれ、離された。
私を睨む徹は真っ赤になって、ちょっと涙目になっている。

可愛い!可愛いよ!!徹!!!

「……これ以上はダメだ!まだ付けないなら、自分で付けるから渡せ」

「えへへ、ごめんごめん!ちゃんと付けるね」

私は袋を開け、少し緊張しながらゴムの表裏を確認し、徹の先端に載せてスルスルと根元に下ろしていく。
その途中、徹が刺激に耐えている様子がほんと可愛くて。……またイタズラしたくなったけど我慢した。

徹が、先ほどよりも余裕のない様子で私に口付けながら、私をベッドに倒していく。
私の背中が完全にベッドに付くと、徹は体を離し、私の足を上げ、徹のモノを私の入り口に宛てがおうとしたのだが。

「ひやんっ」

徹のモノが私の秘部の上の方に擦れた瞬間、とんでもない快感が私を襲った。

徹はゴクリと喉を鳴らした後、ーーーニヤリと笑った。

そして私にキスをして、徹が腰を動かした。
徹が動くたび、徹のモノが私の秘部を上下に動く。

「ああんっ……ふわあっ……ひゃんっ……」

唇が合わさる隙間から、私の口からとんでもない声が出る。

キスと秘部の刺激だけでもどうにかなりそうなのに、更に徹は、片手で私の胸の先端を弄び始めた。

「ダメだよぉっ……徹ぅ……もう、無理ぃ……」

びっくりするぐらい甘い声が出てしまった。
見上げれば、徹も切羽詰まったような
顔をしていた。
徹は、私の頭を撫でて言った。

「そうか……うん。俺も限界だ。
……じゃあ、那奈、いいか?」

「……うん」

徹は、今度こそ私の入り口に先端を宛てがった。

私はゴクリと唾を飲む。

ーーー何だか急に緊張してきた。
痛いって聞くけど、どれぐらい痛いんだろう……?

「那奈、挿れるぞ」

「……うん」

「今日は状況が状況だから、那奈が痛くてもやめてやれないけど……」

ナンナさんとトールさんのことがなければ、私が痛がったらやめるつもりだったのか!
徹は本当に優しい。

「大丈夫だよ!どんなに痛かったとしても、私、徹と結ばれる方が嬉しいもん」

徹は眉を下げた。

「うん。……那奈、ありがとう」

「えへへ」

徹はまた私の頭を撫でて、キスをしてくれる。

そして、徹が少しずつ私の中に入ってきた。

正直に言うと、ーーーめちゃくちゃ痛かった。

だけどちょっとでも痛がったら、さっきはああ言ってたけど、徹は気にして、やめちゃったり萎えちゃったりしそうな気がする。だから、痛いってことは表情に絶対出さないようにした。

でも、徹にはバレてるみたいで、徹自身もすごく辛そうなのに、ずっと私の頭を撫でたりキスをしたり、私の気持ち良いところを愛撫したりしてくれた。
徹の優しさをこんなにも感じることができて、幸せすぎて涙が出てしまいそうだった。だけど、徹のことだから、痛みによる涙だと勘違いしちゃうだろうなと思って必死に耐えた。

ーーーそして。

「……ぜんぶ入ったけど。
那奈、大丈夫か?」

「うん……!」

わあああああああ!徹と完全に繋がったんだ!やったーーー!!!幸せ!幸せすぎるよー!!!

……と私の脳内では悲願の成就にファンファーレが鳴り響き、喜びはしゃいでいたけれど。
実際は、震える声でひとこと伝えるのが精一杯だった。

「しあわせ……」

そう口に出した瞬間、急に幼かった頃の幸せな思い出とか、成長してからのままならない想いとか、それが今こうして実った幸福感とかが止めどなく溢れてきて、我慢していた涙がうっかり出てしまった。

ーーーそのせいで、恐れていた事態が起きた。
やっぱり徹は私を心配してしまったのだ。

「お、おい、那奈!……ぬ、抜くか?」

「大丈夫!痛いからじゃないよ?
……幸せすぎて……」

そう言葉にしたら余計に感極まってしまって、また涙がポロポロ出てきて。
徹は焦りながら、私の頭を撫でて、徹の指で私の涙を拭ってくれた。そのうちに、徹は唇や舌でも涙を拭ってくれて、その感触がくすぐったくて、私はクスクス笑ってしまった。

私が落ち着いたのを確認して、徹が言った。

「……動いても大丈夫か?」

「うん」

「なるべく早く終わらせるから」

「……ありがとう」

そういうのって早く終わらせたりできるものなんだ!
最後まで私に優しい徹は、私の中で動き始めた。

徹が私の中に入った状態で、動かないでいるのは相当辛かったんだと思う。徹の背中に手を回したら、かなり汗ばんでいた。

徹は私のために我慢してくれたんだと思うと、また涙が込み上げた。でも、徹にこれ以上心配させたくなくて、必死で涙を堪えた。

涙を堪えるうちに、痛みとは違う何かを感じるようになってきた。
先ほどの強すぎる快感とは違う、じんわりとした欲望。

ーーーずっと、ずっと、こうしていたい。もっと、もっと、徹と一つになりたい。いっそこのまま溶け合って混ざり合ってしまえたらいいのに。

切なくて、私の口からはまた甘い声が漏れた。

「ぁっ……徹っ……徹ぅ……」

「はぁっ……那奈……ふっ」 

徹も、とても切なそうな顔をしていた。
でも、たぶん私が感じている切なさとは違っているみたいで。
……まるで今生の別れのような表情だった。

徹、大丈夫だよ?私はずっと徹のそばにいるよ?だからさ、徹も私のそばにずっといて。

「徹ぅ……」

痛みと快感でうまく言葉が出ず、代わりに徹の背中に回した手で徹をギュッと引き寄せキスをした。

その瞬間。

「那奈っ……」

徹が一際強く私に腰を押し付けて、私をギュッと抱きしめた。その瞬間、私の中の徹のモノがビクリと動き、その後何度もドクドク脈打ち……。

ーーー私の視界は白く弾けた。
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