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51~60話
俺のもの【上】 ※
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汗で額に張りついた髪を、長い指先がするりとどかしてくれる。
「大丈夫か……?」
「はぁ、はぁっ……、ど、どうにか……」
全身火照っているのに濡れた胸はスースーするし、ヨルグの口が離れてもまだジンジンと痺れが残っているような気がするけれど、一応無事である。一応。
「でも、ごめんなさい……」
額に触れていた手が、ピクリと止まった。
たった今身をもって知ったけれど、ヨルグは相当な『胸好き』らしい。それなのに私の胸ときたら、小さな自分の手にもすっぽりと収まってしまうほどの慎ましさなのだ。
しかも今は仰向けに寝ているせいで、より一層奥ゆかしさを発揮している。
頭によぎるのは娼館街で見た光景。たくましいヨルグの腕に押しつけられた、腕が埋まりそうなほど豊満な胸。
あの感触をヨルグはどう思ったのだろう。あれほどのボリュームがあれば、大きな手をしたヨルグにとってももっと触りごたえがあっただろうに……。
「胸……おっきくないので、物足りないですよね……」
「なぜだ?」
「えっ? えっと、小さいころは牛乳が苦手であんまり飲まなかったせいか――ふゃっ!?」
散々舐められて敏感になった胸に、再びヨルグの舌が触れる。形を思い知らせるかのようにゆっくりと輪郭をなぞり、仕上げにちゅっと先端吸い上げて。
すり、と胸に頬をすり寄せながら、感嘆のため息を一つ。
「はぁ……。どこもかしこも小さくやわらかく、食べてしまいたいほど愛おしくて堪らないというのに……」
たしかに、結構食べられたような気はする。
「ちっちゃくてもいいんですか? 腕を挟めるくらい、おっきくなくても?」
「腕……? どんなサイズだろうとリズの胸がいい。これは俺のものだ」
左右の手で私の胸を包み、ヨルグが所有権を主張する。いつの間にやら私の胸はヨルグのものになっていたようだ。
「――ふふっ」
私の想いを伝えたことで見せてくれるようになった、むき出しの好意。不安なんて一瞬で吹き飛ばしてしまう子どものような主張も、何もかもが愛おしい。
この抱えきれないほどの幸せを、ヨルグも感じてくれていればいいのに。
名残惜しそうにもう一度頬擦りをして、ヨルグの唇がお腹へと下りていく。
ちゅ、ちゅ、ちゅ……
「んっ……ふ、くすぐった……」
手のひらで全体を味わうように撫でられながら、やまない口づけの雨が降る。
そろそろ下腹に到達してしまう――と思った矢先、シュルンと腰のリボンが解かれた。
両サイドをリボンで結んでいただけの下着もどきが、あっけなく役目を放棄してハラリとシーツに落ちる。
「えぁ……」
薄布越しではない空気の感触。私の身体を覆うのは、首まで捲り上げられたぶかぶかのシャツだけになった。
「大丈夫か……?」
「はぁ、はぁっ……、ど、どうにか……」
全身火照っているのに濡れた胸はスースーするし、ヨルグの口が離れてもまだジンジンと痺れが残っているような気がするけれど、一応無事である。一応。
「でも、ごめんなさい……」
額に触れていた手が、ピクリと止まった。
たった今身をもって知ったけれど、ヨルグは相当な『胸好き』らしい。それなのに私の胸ときたら、小さな自分の手にもすっぽりと収まってしまうほどの慎ましさなのだ。
しかも今は仰向けに寝ているせいで、より一層奥ゆかしさを発揮している。
頭によぎるのは娼館街で見た光景。たくましいヨルグの腕に押しつけられた、腕が埋まりそうなほど豊満な胸。
あの感触をヨルグはどう思ったのだろう。あれほどのボリュームがあれば、大きな手をしたヨルグにとってももっと触りごたえがあっただろうに……。
「胸……おっきくないので、物足りないですよね……」
「なぜだ?」
「えっ? えっと、小さいころは牛乳が苦手であんまり飲まなかったせいか――ふゃっ!?」
散々舐められて敏感になった胸に、再びヨルグの舌が触れる。形を思い知らせるかのようにゆっくりと輪郭をなぞり、仕上げにちゅっと先端吸い上げて。
すり、と胸に頬をすり寄せながら、感嘆のため息を一つ。
「はぁ……。どこもかしこも小さくやわらかく、食べてしまいたいほど愛おしくて堪らないというのに……」
たしかに、結構食べられたような気はする。
「ちっちゃくてもいいんですか? 腕を挟めるくらい、おっきくなくても?」
「腕……? どんなサイズだろうとリズの胸がいい。これは俺のものだ」
左右の手で私の胸を包み、ヨルグが所有権を主張する。いつの間にやら私の胸はヨルグのものになっていたようだ。
「――ふふっ」
私の想いを伝えたことで見せてくれるようになった、むき出しの好意。不安なんて一瞬で吹き飛ばしてしまう子どものような主張も、何もかもが愛おしい。
この抱えきれないほどの幸せを、ヨルグも感じてくれていればいいのに。
名残惜しそうにもう一度頬擦りをして、ヨルグの唇がお腹へと下りていく。
ちゅ、ちゅ、ちゅ……
「んっ……ふ、くすぐった……」
手のひらで全体を味わうように撫でられながら、やまない口づけの雨が降る。
そろそろ下腹に到達してしまう――と思った矢先、シュルンと腰のリボンが解かれた。
両サイドをリボンで結んでいただけの下着もどきが、あっけなく役目を放棄してハラリとシーツに落ちる。
「えぁ……」
薄布越しではない空気の感触。私の身体を覆うのは、首まで捲り上げられたぶかぶかのシャツだけになった。
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