ご主人様は愛玩奴隷をわかっていない ~皆から恐れられてるご主人様が私にだけ甘すぎます!~

南田 此仁

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61~70話

69e、私は対処法をわかっていない

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ガルの動きがピシリと固まる。
心なしか顔からも血の気が引いている気がする。

あまりにも深刻な様子に、私は慌てて言葉を続けた。

「あのっ、別にガル様が嫌とかじゃなくって!! ……月のサワリ? が来たんです」

「月の……ああ、なるほど」

ガルはふぅーと細く息を吐き出すと、確かめるようにしっかりと私を抱きしめ直し、頭頂部に鼻先を埋めた。

「だから、今日から一週間はお風呂を別々に……」

「俺は気にしないぞ?」

「私が気にするから駄目ですっ! 順番は、ガル様が先に入ってくださいね」

順番についてはガルを尊重する意味合いもあるが、自分が最後に湯を抜くのであれば湯船に浸かってしまっても平気だろうという打算もある。

「……承知した」

ガルは渋々私を下ろすと、後ろ髪引かれるように振り返り振り返り浴室へと入っていった。





「っはぁー……」

広い湯船で手足を伸ばす。
ガルと一緒に入っても狭いと感じたことはないけれど、一人で入るとまた随分と広く感じる。

「ガル様がすごく大きいもんね」

ガルの姿を思い描いて、ふふっと笑いを溢す。

いつだってガルはその広い胸に私を受け止めて、逞しい腕で抱きしめ、大きな手の平で優しく頭を撫でてくれる。
ガルの腕の中は温かくって何よりも安心できる、私だけの大切な場所だ。

大切な……

「……」

ザバッ

湯から上がって栓を抜くと、大切な場所に収まるべくさっさと着替えてガルの元へと戻った。





「ん……ふっ、……っ」

向かい合って横になり、ベッドの中で深い口付けを受ける。
大きな手の平は髪の感触を楽しむように後頭部を撫で、もう一方の手はしっかりと腰に回されている。

「んぅ……っ、……っはぁ……あ、あのっ!」

「ん?」

唇に残った唾液をぺろりと舐めて、優しいあかが見つめ返す。

「き、今日は……できませんよ……?」

「マヤの負担になるようなことをするものか」

ちゅ、とおでこに口付けられ、腕の中にすっぽりと囲われた。

厚い胸に頬を寄せ、低い鼓動に耳を傾ける。

ドクン……ドクン……

太ももを押し返す質量はちょっと気になるけれど……ゆったりとした鼓動に飲み込まれてゆくように、とろりと瞳を閉じた。
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