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41~50話
47a、ご主人様は足りない何かをわかっていなかった ※
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腕の中で眠るマヤを見る。
よほど平和な環境で育ってきたのだろう。
警戒心など欠片もなく、口元には微かに笑みさえ浮かべている。
安心しきってすやすやと眠るマヤを起こしてしまわないよう、そっと抱きしめる腕に力を込める。
今日は初めてマヤの笑顔が見られた。
愛玩奴隷というだけあって、小作りな身体もくるくると変わる表情も本当に、愛されるための存在なのだと実感する。
すっぽりと腕の中に収めて、その所有権さえ自分にあって。なのに何故、まだ足りないなどと感じるのだろうか。
初日に湯船で眠ってしまった時もそうだったが、マヤは一度眠るとそう簡単には起きないらしい。
起こさないよう慎重に風呂に入れ、傷の手当てをする。
職業柄怪我が多いため、傷薬程度であればそこそこ上等な物が常備してあるのだ。
寝衣を着せて抱え上げれば、むにゃむにゃと何言か発しながら俺の方に身をすり寄せてくる。
こてんと頭が凭れかかった拍子に、マヤの額に唇が触れた。
ちゅ……
ぽっと、胸に小さな明かりが灯った気がした。
温かな感覚の理由を確かめようと、もう一度額に唇を寄せる。
ちゅっ
マヤは変わらずすうすうと寝息を立てて気持ちよさそうに眠っている。
……ああ、これだったのか。
マヤに口付けるたび、足りない何かがほんの僅かに満たされるような気がした。
よほど平和な環境で育ってきたのだろう。
警戒心など欠片もなく、口元には微かに笑みさえ浮かべている。
安心しきってすやすやと眠るマヤを起こしてしまわないよう、そっと抱きしめる腕に力を込める。
今日は初めてマヤの笑顔が見られた。
愛玩奴隷というだけあって、小作りな身体もくるくると変わる表情も本当に、愛されるための存在なのだと実感する。
すっぽりと腕の中に収めて、その所有権さえ自分にあって。なのに何故、まだ足りないなどと感じるのだろうか。
初日に湯船で眠ってしまった時もそうだったが、マヤは一度眠るとそう簡単には起きないらしい。
起こさないよう慎重に風呂に入れ、傷の手当てをする。
職業柄怪我が多いため、傷薬程度であればそこそこ上等な物が常備してあるのだ。
寝衣を着せて抱え上げれば、むにゃむにゃと何言か発しながら俺の方に身をすり寄せてくる。
こてんと頭が凭れかかった拍子に、マヤの額に唇が触れた。
ちゅ……
ぽっと、胸に小さな明かりが灯った気がした。
温かな感覚の理由を確かめようと、もう一度額に唇を寄せる。
ちゅっ
マヤは変わらずすうすうと寝息を立てて気持ちよさそうに眠っている。
……ああ、これだったのか。
マヤに口付けるたび、足りない何かがほんの僅かに満たされるような気がした。
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