ご主人様は愛玩奴隷をわかっていない ～皆から恐れられてるご主人様が私にだけ甘すぎます！～

４１～５０話

４６a、ご主人様は自分の感情をわかっていなかった

■まえがき■

ここからしばらくの間ガル様視点へと移ります。
視点の見分け方はサブタイトルを。


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こんなに眩しく愛おしい存在を俺のものにできるなど、にわかには信じられなかった。




半ば意地になっていたのだろう。
今日買うと決めたのだから、愛玩動物が無理だったとしてもそれに類するものは買って帰ってやる、と。

わざわざ一度魔族の国アスディウムを出国し、魔力の強さに物を言わせ強引に結界を突き破ってまで、国交のない人族の国プルシッカへと入る。

人族が魔族を恐れ一方的に国交を絶っているため、正規の手段では入国できないのだ。


大きな商店街へ出て治安の悪そうな路地を端から覗いていけば、すぐに目当ての店は見つかった。

「愛玩奴隷を見せてくれ」

人族に赤い瞳は生まれないらしいので、魔族とバレないようマントのフードを目深に被って背を屈め、奴隷商館の店番に声をかける。

「へい、ご予算はいかほどで？」

「特に決めてはいないが……気に入ったものがいれば、糸目はつけないつもりだ」

愛玩動物を買うつもりだったため２０００ゴールド程度なら持っているが、恐らく愛玩奴隷の方が値が張るだろう。
小切手を使えればいいが、もし使えなければ一度金を取りに戻ってもいい。

「そりゃ旦那、タイミングがいいですぜ！」

店番いわく、今日はちょうど近くで大規模な奴隷オークションが執り行われていると。
この店にいた愛玩奴隷も、めぼしいものはそのオークションに出品しているらしい。

会場の場所を聞き、店を後にする。