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ヴィオラが時計を見た途端、慌てた表情でレイラの方を振り向いた。
「大変です! お嬢様、そろそろ行かないと間に合いません!」
「あらっ! 急がないと!!」
ヴィオラに促され、レイラは急いで馬車に乗る。
貴族は基本、学校に行く際は馬車を使用する。
本当は、学園には家から近い為歩いて行きたかったレイラだったが、カーチスやヴィオラ。さらには、使用人達にまでも一昨日の夜に反対されてしまったのだ。
カーチス達は馬車で行くと思っていたみたいだった。レイラの「徒歩で行くのが楽しみです!!」と、言う言葉を聞くまで……。
それでもレイラは、最初は諦めてなかった。護身術を学んでいて強いと、ヴィオラもいるんだから危なくないと言っても誰一人首を横には振らなかった。
唯一、レオンは「良いんじゃない? レイラって、他の令嬢より強いし」と、柔らかな笑みを浮かべ優雅に紅茶を啜りながら言ってた。そんなレオンに対し、他の人達は「強くても殿下の婚約者なんですから、形だけでもきちんと馬車に乗っていって下さい! 」と、すごい形相で言われたのでレイラは渋々了承をしてしまった。
本当は、帰り道に寄り道とかをレイラはしてみたかったのだ。
(寄り道をして、街を見たり美味しそうな食べ物を食べたりしてみたかったのに~。だけど、あんなに必死に言われたらしょうがないわよね。それよりも、もう物語が始まってしまうのね……。)
馬車に乗りながら、景色を見るために外を見ているがレイラはそればかり考えてしまい、景色を楽しむ余裕なんてなかった。
これからレイラは、ユーリとガーネットの仲良いところを見ないといけないんだと思うと、憂鬱になり溜め息をつきたくなってしまった。
分かっていても、小さい頃から一緒の婚約者が違う令嬢と仲良くするのは気分が悪い。
(こんな思いをしたくなくてユーリ様を避けていたのに、全然婚約解消する気配がないし……。)
「ハァー……行きたくないわ……。」
「いや。まだ着いてもいないのに、何言っているんですか。それに、一昨日の夜はあんなに学園に行くのを楽しみにしていたのに、いきなりどうしたのですか?」
「一昨日の夜は、馬車で行かないと思っていたから……楽しみな事があったのに。それに残念ね、ヴィオラ。行かなくても私は分かってしまうのよ? たとえば、ユーリ様に将来婚約を破棄されてしまうとか……。」
「寝言は寝て言ってください」
ヴィオラは、呆れた様な表情で直ぐ様反論をした。
(本当かもしれないのに……。今は嫌われていないみたいだけれど、ガーネット様にユーリ様がもう一度会ったらどうなるか……。あれから、ガーネット様は可愛く成長しているに違いないわ! 今は、ユーリ様が私の事を好きだと言っていても、ユーリ様はヒロインであるガーネット様に惚れてしまうかもしれない!)
レイラがそんなことを考えていると、それを見たヴィオラが小さく呟いた。
「ユーリ様がお嬢様を離す訳無いじゃないですか。ちょっと会わなかっただけであんな状態だったのに……。」
「……あんな状態って? 」
「おっと……申し訳ございません。今のは、忘れてください」
(気になる。ユーリ様に何かあったのかしら? この頃、ユーリ様を避けていたからか何があったか分からないわ……。)
ヴィオラはその時の事を思い出したのか、困った様な顔をしている。
どんな状態だったのか凄く気になり、レイラはヴィオラの方に前のめりになってしまう。
馬車の中ということを忘れ近づいた為、レイラとヴィオラの距離がぐっと近くなる。
「……レイラ。僕という婚約者が居ながら浮気かい? お仕置きしないといけないね?」
レイラがヴィオラを問い詰める為に詰め寄っていると、いきなり聞きなじみのある声が聞こえ、後ろからお腹に腕が回され後に抱き寄せられた。レイラが恐る恐る後ろを振り返ると、ユーリが笑顔でレイラを見下ろしていた。
(お仕置き!? ユーリ様が言ったら、本当にしそうだから怖いわ。お仕置きされたら、私の心臓が持たないと思うの。何をするのか分からないけれど……。)
「ユ、ユーリ様!? 浮気では、ないですからね!? だって、私の婚約者様はユーリ様だけだもの!!」
「フフッ。そっか、嬉しいな~」
真っ赤な顔をしながら言い訳をしているレイラを、ユーリは嬉しそうな顔をしながら抱き締める。
前に座っていたヴィオラは、ユーリが居た事を分かっていたみたいで「またか」と、言う顔をしている。
(……ヴィオラったら、ユーリ様が居るって言ってくれても良かったじゃない! 言ってくれたら、ユーリ様が怒る事も私が恥ずかしい思いをする事も無かったのに!! でも、いつの間にか学園に着いていたのね。全然気づかなかったわ……。)
レイラを乗せた馬車は、いつの間にか学園に着いており。門の前に止まっていた。
馬車を見つけたユーリは、レイラを迎えに馬車の近くまで来た時にヴィオラに詰め寄っているレイラを見つけてしまったのだった……。
「大変です! お嬢様、そろそろ行かないと間に合いません!」
「あらっ! 急がないと!!」
ヴィオラに促され、レイラは急いで馬車に乗る。
貴族は基本、学校に行く際は馬車を使用する。
本当は、学園には家から近い為歩いて行きたかったレイラだったが、カーチスやヴィオラ。さらには、使用人達にまでも一昨日の夜に反対されてしまったのだ。
カーチス達は馬車で行くと思っていたみたいだった。レイラの「徒歩で行くのが楽しみです!!」と、言う言葉を聞くまで……。
それでもレイラは、最初は諦めてなかった。護身術を学んでいて強いと、ヴィオラもいるんだから危なくないと言っても誰一人首を横には振らなかった。
唯一、レオンは「良いんじゃない? レイラって、他の令嬢より強いし」と、柔らかな笑みを浮かべ優雅に紅茶を啜りながら言ってた。そんなレオンに対し、他の人達は「強くても殿下の婚約者なんですから、形だけでもきちんと馬車に乗っていって下さい! 」と、すごい形相で言われたのでレイラは渋々了承をしてしまった。
本当は、帰り道に寄り道とかをレイラはしてみたかったのだ。
(寄り道をして、街を見たり美味しそうな食べ物を食べたりしてみたかったのに~。だけど、あんなに必死に言われたらしょうがないわよね。それよりも、もう物語が始まってしまうのね……。)
馬車に乗りながら、景色を見るために外を見ているがレイラはそればかり考えてしまい、景色を楽しむ余裕なんてなかった。
これからレイラは、ユーリとガーネットの仲良いところを見ないといけないんだと思うと、憂鬱になり溜め息をつきたくなってしまった。
分かっていても、小さい頃から一緒の婚約者が違う令嬢と仲良くするのは気分が悪い。
(こんな思いをしたくなくてユーリ様を避けていたのに、全然婚約解消する気配がないし……。)
「ハァー……行きたくないわ……。」
「いや。まだ着いてもいないのに、何言っているんですか。それに、一昨日の夜はあんなに学園に行くのを楽しみにしていたのに、いきなりどうしたのですか?」
「一昨日の夜は、馬車で行かないと思っていたから……楽しみな事があったのに。それに残念ね、ヴィオラ。行かなくても私は分かってしまうのよ? たとえば、ユーリ様に将来婚約を破棄されてしまうとか……。」
「寝言は寝て言ってください」
ヴィオラは、呆れた様な表情で直ぐ様反論をした。
(本当かもしれないのに……。今は嫌われていないみたいだけれど、ガーネット様にユーリ様がもう一度会ったらどうなるか……。あれから、ガーネット様は可愛く成長しているに違いないわ! 今は、ユーリ様が私の事を好きだと言っていても、ユーリ様はヒロインであるガーネット様に惚れてしまうかもしれない!)
レイラがそんなことを考えていると、それを見たヴィオラが小さく呟いた。
「ユーリ様がお嬢様を離す訳無いじゃないですか。ちょっと会わなかっただけであんな状態だったのに……。」
「……あんな状態って? 」
「おっと……申し訳ございません。今のは、忘れてください」
(気になる。ユーリ様に何かあったのかしら? この頃、ユーリ様を避けていたからか何があったか分からないわ……。)
ヴィオラはその時の事を思い出したのか、困った様な顔をしている。
どんな状態だったのか凄く気になり、レイラはヴィオラの方に前のめりになってしまう。
馬車の中ということを忘れ近づいた為、レイラとヴィオラの距離がぐっと近くなる。
「……レイラ。僕という婚約者が居ながら浮気かい? お仕置きしないといけないね?」
レイラがヴィオラを問い詰める為に詰め寄っていると、いきなり聞きなじみのある声が聞こえ、後ろからお腹に腕が回され後に抱き寄せられた。レイラが恐る恐る後ろを振り返ると、ユーリが笑顔でレイラを見下ろしていた。
(お仕置き!? ユーリ様が言ったら、本当にしそうだから怖いわ。お仕置きされたら、私の心臓が持たないと思うの。何をするのか分からないけれど……。)
「ユ、ユーリ様!? 浮気では、ないですからね!? だって、私の婚約者様はユーリ様だけだもの!!」
「フフッ。そっか、嬉しいな~」
真っ赤な顔をしながら言い訳をしているレイラを、ユーリは嬉しそうな顔をしながら抱き締める。
前に座っていたヴィオラは、ユーリが居た事を分かっていたみたいで「またか」と、言う顔をしている。
(……ヴィオラったら、ユーリ様が居るって言ってくれても良かったじゃない! 言ってくれたら、ユーリ様が怒る事も私が恥ずかしい思いをする事も無かったのに!! でも、いつの間にか学園に着いていたのね。全然気づかなかったわ……。)
レイラを乗せた馬車は、いつの間にか学園に着いており。門の前に止まっていた。
馬車を見つけたユーリは、レイラを迎えに馬車の近くまで来た時にヴィオラに詰め寄っているレイラを見つけてしまったのだった……。
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