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四章『トマト編』
第337話 自立
しおりを挟む学校初日が終わった。挨拶も程々に俺たちは帰路についた。
「バーガー様、気を使わせてしまってごめんなさい」
「いいんだ、それにしても学校はいいところだな」
「はい! あんなに子供たちがいるところは始めてです!」
明日からも学業に励むぞい!
俺たちが宿屋につくとスーとヒマリがいた。
「あ、バーガーたちなの!」
「バーガーさん、アイナさん、おかえりなさい」
「ただいま!」
「学校はどうでしたか?」
「ああ、余裕のよっちゃんだったよ」
「よっちゃん?」
「・・・・・・ごほん、いや、こっちの話だ。それでなんで宿の外にいるんだ?」
「実は今日から王宮で暮らすことになりました」
「え、そうなのか?」
「はい、聖騎士の宿屋があるのが王宮内なのですが、そこで寝泊まりした方がいいと、・・・・・・王さまに」
「王さまから直々にか、すごいな」
「はい、ありがたいお話ですし、王さまのお言葉だったのでその場で受けてしまいました。勝手に決めてしまってごめんなさい」
「いやいいんだ、その方がいい、こっちとしては寂しくなるけど、王宮に行けば会えるんだしな。もう行くのか?」
「はい」
「そうか、気をつけてな」
「ありがとうございます」
ヒマリはペコりとお辞儀をして去っていった。
これで宿には俺とアイナとスーだけになった。
「ぼくはここにいるの、寂しくないの」
「そうだな、じゃあ飯にするか」
食いしん坊属性が2人もいるからな、人数が半分ていどになったくらいで食費は変わらないだろう。
女将にとりあえず10人分の料理を注文する。もはや『とりあえずビール』みたいな感覚だ。
「スーは今日何してたんだ?」
「うーんとね、日向ぼっこしてたの!」
よし。平常運転だな。平和って素敵。
「国民に迷惑かけてないか?」
「大丈夫なの! お金ならあるの!」
「それ王さまからもらった金じゃないか」
俺たちも王さまに少なからず金銭的な援助を受けている。
あの学校に入れたのも王さまのお陰だ。
「スーはいいとして、アイナ、これからは俺たちで稼いで自給自足するぞ」
「はい! 学費に生活費、その他すべて私が稼ぎます!」
ダメンズファクトリーか君は!
「いやいやいや、それじゃ俺がダメになるだろ。クエストをクリアしてお金を一緒に稼ぐんだ!」
「はい!」
自立、生前では考えられなかったな。
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