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三章『ギア編』
第263話 スターライト18
しおりを挟むルフレオは呪文を唱えた。
「隕石(メテオ)!」
降り注ぐいくつもの隕石が影人間(シャドーピープル)にピンポイントで直撃する。隕石の威力は凄まじく一撃で絶命させる。
影人間(シャドーピープル)を際限なく生み出していた影の水たまりにも命中、クレーターに変える。
アリスは飛び除けて回避する。
「その精密な魔力さばき、賞賛に値しますわ」
アリスは不敵に笑う。大技を破られたというのにまだ余裕があるようだ。
「魔法使いは複数の敵と同時に戦えんとな」
「じゃあもう少し趣向を凝らしてみましょうか」
アリスの視線は私に向けられる。微笑をたたえたその表情とは裏腹に冷たい視線が私に突き刺さる。
「防衛戦はいかがかしら?」
アリスは私に向かって右手を向ける。
「いかん! 逃げるんじゃ!」
「消化液(ディジェスティブ・ジュース)」
アリスの右手から放たれたのは生物を溶かし殺す水魔法。
オレンジ色の液体はとても速い。避けきれない。
「隕石盾(メテオシールド)!」
空から急降下する隕石の盾が私の前に突き刺さる。
だがすぐに消化液を受けてドロドロに溶けて消える。
「まさか卑怯だとは言わないわよね、御老公」
「戦争に汚いもくそもないわい」
この戦い。私が足を引っ張ってしまっている。私はどうすれば・・・・・・。
『南瓜を狙うんだYO』
「おばぁちゃん!?」
今の声は確かにおばぁちゃんのものだった。お告げを受けた私は叫んだ。
「南瓜を狙って!」
「なっ!」
アリスは驚いた顔をしている。ここにきて初めて見る表情だ。
ルフレオは頷くと呪文を詠唱した。
「隕石槍(メテオスピア)!」
降ってきた隕石の槍をルフレオは素早く引き抜き南瓜の魔物に向けて投擲する。
隕石の槍はぐんぐん加速していく。
「硬化(ハードニング)!」
アリスは南瓜の魔物に硬化魔法をかける。南瓜の魔物自体も根っこをうごめくかせて防御態勢をとる。
それでも隕石槍(メテオスピア)の威力を殺しきれない。根っこがブチブチと引きちぎれ、ボディに大きく穴が空く。
「中に誰かいる」
こちらを見ている。ここからじゃよく見えない。けどアリスが乗っている人を庇ったのは確かだ。
「防衛戦はどうかのぉ?」
ルフレオは口角を歪ませる。
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