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三章『ギア編』
第207話 転移魔法陣
しおりを挟むすでに立ち上がっていたゲーティーが、メアの隣に佇んでいる。結構強く蹴ったんだけどな。
「ゲーティー、これはどういうことよ!」
「いやぁ、バレてしまいました、やはり私はパーティに参加しない方が良かったみたいですねぇ」
「それは、貴方がパーティに出席したいからって······ああっ、もういいわ!」
メアはイラついたように、俺に向かって歩いてくる。後ろのセラが動こうとしたので片腕を上げて制止する。
「ふん! すっかりお偉いさん気取りが板についてきたじゃない!」
「そっちこそ、こそこそと悪巧みをしやがって、小悪党かよ」
「ぐぬぬー!」
と、話しつつもメアの後ろに目を向ける。なんだあれは、床に描かれた円形の模様が輝いてやがる。
「おいメア、それはなんだ?」
「教えるわけないじゃない!」
「チッ、おいレイ、あれはなんだ」
「あれは魔法陣ですね」
メアが「なんで言うのよ」と叫んでるが無視だ。
「魔法陣ってなんだ?」
「前に教科書見ながら教えたじゃないですかー」
「俺に関係なさそうなことは、復習してなかったからな」
「もう、意外とそういう所ありますからね。えーっとですね、魔法陣っていうのは、ああいうふうに文字を床に書いて魔法を発動させることをいいます」
「ほう、ならあれは何か魔法を使うために書かれているのか」
「はい。そしてですね、発動時には魔法陣の文字や模様が通った魔力で光りだします。つまり光っている魔法陣は発動しているってことです」
「あん? つまりあの魔法陣は、何かしらの魔法を発動したってことか」
「そういうことです」
俺はメアに視線を戻す。さっきは俺のいきなりの登場に驚いていたようだが、時間が経つにつれて余裕が出てきている。
「なにかしやがったな」
「へーんだ」
メアは舌を出して俺をバカにする。そんなことはどうでもいい、一体何をした?
「あれが何の魔法陣かわかる奴いるか?」
「さすがに私もそこまでは分からないです」
「見たことのない魔法陣ポメね」
レイとポラニアがダメとなると、わかる奴はいないか。
「あの魔法陣には見覚えがあるぞ」
そのセリフを言ったのは以外にもセラだった。
「本当か?」
「確か······あれは、転移龍、ドラゴンカーセックス様の転移魔法陣だ」
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