124 / 1,167
二章『パテ編』
第124話 キラーキラー18
しおりを挟む
「旋風裂閃!」
高速回転する4本の腕が、紅蓮の獅子を2頭同時に切断する。
消える紅蓮の獅子の影からエリノアが飛び出す。追撃を加えようというのだ。
「次はお前か! レーザー、!?」
レーザー光線を放とうとしたキラーキラーの頭部が爆発する。アイナの火の矢だ。
「ぶっ!? なんだ! 囲まれてんのか俺! うおッ!!」
エリノアの斬撃を胴体に受けて、キラーキラーはたたらを踏む。それでも4本の足で体勢を立て直す。
あの巨体を退かせるとはエリノアのパワーが段違いに上がっている証拠だ。これが根性値というやつか!
「やるな猫! だが、これは受けられるかな!」
キラーキラーの4本の腕をすべて使った乱舞だ。自動操縦の時よりも断然速い!
エリノアは自分と同程度の大きさの武器を腕力で弾いている。折れずの剣でなかったら剣ごと真っ二つに引き裂かれているだろう。
そんなとき、ジゼルが詠唱を始めた。
「過ぎたるは純黒」
ジゼルの左手に黒い魔力の炎が灯る。
「求めるは純白」
今度は右手に白い魔力の炎が灯る。両手を胸の前で合わせる。2つの魔力を混ぜている。
「過去と未来を今に、黒白(ブラックホワイト)」
ジゼルの両手から黒い稲妻と白い稲妻が混ざりあったものが放たれる。
キラーキラーの上半身を狙っているのでエリノアに被害はない。
そしてキラーキラーは避ける素振りすら見せない、直撃だ!
「ふん!」
しかし弾かれてしまう。
「このキラーキラーのボディには魔法は効かない! まんまり!」
やはり魔法対策をしていたか、どうりで俺の魔法も効かないわけだ。
「この血だらけの猫も厄介だが、後衛がさっきから邪魔だな、ちょいレーザー!」
「うニャ!」
キラーキラーは威力を抑えた予備動作なしのレーザー光線をエリノアに向かって撃つ。だがさすがはエリノア、ノーモーションのレーザー光線を野生の勘か何かで察知して回避する。しかし、
「後衛を倒した後に、あの前衛を倒してやる!」
キラーキラーは全速力で俺たちに向かって駆け寄ってくる。
止めに入るエリノアに、キラーキラーは後ろ走りになり、エリノア目掛けてちょいレーザーを放つ。くっ、エリノアが間に合わない!
「クソ! 勇者の俺の出番というわけだな!」
俺は魂(マテリア)の実体化(ライズソウル)を発動させようとする。これならば対抗できる!
がしかしキラーキラーはいきなり止まった、
急ブレーキだ。地面がベロンとめくれる。キラーキラーは俺をまじまじと見つめている。
「喋るハンバーガーだ······まさか勇者······!?」
「あ、ああ」
「君たちは魔王が差し向けた追手じゃ?」
「違うぞ」
キラーキラーはわなわなと震えている。そして、
「俺の夢は勇者パーティに入ることだった······」
キラーキラーはそう呟いた。
高速回転する4本の腕が、紅蓮の獅子を2頭同時に切断する。
消える紅蓮の獅子の影からエリノアが飛び出す。追撃を加えようというのだ。
「次はお前か! レーザー、!?」
レーザー光線を放とうとしたキラーキラーの頭部が爆発する。アイナの火の矢だ。
「ぶっ!? なんだ! 囲まれてんのか俺! うおッ!!」
エリノアの斬撃を胴体に受けて、キラーキラーはたたらを踏む。それでも4本の足で体勢を立て直す。
あの巨体を退かせるとはエリノアのパワーが段違いに上がっている証拠だ。これが根性値というやつか!
「やるな猫! だが、これは受けられるかな!」
キラーキラーの4本の腕をすべて使った乱舞だ。自動操縦の時よりも断然速い!
エリノアは自分と同程度の大きさの武器を腕力で弾いている。折れずの剣でなかったら剣ごと真っ二つに引き裂かれているだろう。
そんなとき、ジゼルが詠唱を始めた。
「過ぎたるは純黒」
ジゼルの左手に黒い魔力の炎が灯る。
「求めるは純白」
今度は右手に白い魔力の炎が灯る。両手を胸の前で合わせる。2つの魔力を混ぜている。
「過去と未来を今に、黒白(ブラックホワイト)」
ジゼルの両手から黒い稲妻と白い稲妻が混ざりあったものが放たれる。
キラーキラーの上半身を狙っているのでエリノアに被害はない。
そしてキラーキラーは避ける素振りすら見せない、直撃だ!
「ふん!」
しかし弾かれてしまう。
「このキラーキラーのボディには魔法は効かない! まんまり!」
やはり魔法対策をしていたか、どうりで俺の魔法も効かないわけだ。
「この血だらけの猫も厄介だが、後衛がさっきから邪魔だな、ちょいレーザー!」
「うニャ!」
キラーキラーは威力を抑えた予備動作なしのレーザー光線をエリノアに向かって撃つ。だがさすがはエリノア、ノーモーションのレーザー光線を野生の勘か何かで察知して回避する。しかし、
「後衛を倒した後に、あの前衛を倒してやる!」
キラーキラーは全速力で俺たちに向かって駆け寄ってくる。
止めに入るエリノアに、キラーキラーは後ろ走りになり、エリノア目掛けてちょいレーザーを放つ。くっ、エリノアが間に合わない!
「クソ! 勇者の俺の出番というわけだな!」
俺は魂(マテリア)の実体化(ライズソウル)を発動させようとする。これならば対抗できる!
がしかしキラーキラーはいきなり止まった、
急ブレーキだ。地面がベロンとめくれる。キラーキラーは俺をまじまじと見つめている。
「喋るハンバーガーだ······まさか勇者······!?」
「あ、ああ」
「君たちは魔王が差し向けた追手じゃ?」
「違うぞ」
キラーキラーはわなわなと震えている。そして、
「俺の夢は勇者パーティに入ることだった······」
キラーキラーはそう呟いた。
0
お気に入りに追加
17
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
愚かな父にサヨナラと《完結》
アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」
父の言葉は最後の一線を越えてしまった。
その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・
悲劇の本当の始まりはもっと昔から。
言えることはただひとつ
私の幸せに貴方はいりません
✈他社にも同時公開
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
〈完結〉妹に婚約者を獲られた私は実家に居ても何なので、帝都でドレスを作ります。
江戸川ばた散歩
ファンタジー
「私」テンダー・ウッドマンズ伯爵令嬢は両親から婚約者を妹に渡せ、と言われる。
了承した彼女は帝都でドレスメーカーの独立工房をやっている叔母のもとに行くことにする。
テンダーがあっさりと了承し、家を離れるのには理由があった。
それは三つ下の妹が生まれて以来の両親の扱いの差だった。
やがてテンダーは叔母のもとで服飾を学び、ついには?
100話まではヒロインのテンダー視点、幕間と101話以降は俯瞰視点となります。
200話で完結しました。
今回はあとがきは無しです。
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる