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六章『ピクルス編』
第1141話 ヒーロー真拳6
しおりを挟む無数に迫る超巨大確殺の槍を俺のエア月牙天衝が粉砕する、無機物にだって俺の渾身の一発芸は届くんだな、当たり前のことだが。
「呪いの槍が!?」
「呪いがなんだ、こっちは筋肉だ!」
残った超巨大確殺の槍を掴むと自分の胸に当ててみた。
まぁ、無傷だ。
「俺の細胞一つ殺せない軟弱な槍だ、人を呪う暇があったら一回でも多く腕立て伏せをしたほうがいいに決まっているだろ!!」
「ギャハハハ!! おー、強い強い、恐ろしいぜ、ならこれならどうだ!!」
「やってみろ!」
しかしイズクンゾは動かない、ただ笑っている。
「まさか!」
「いま過去に刺客を送った、過去の弱い時のお前か、胎児の状態か、そもそも産まれないようにして存在を抹消してやることも可能だぜ!」
「なんだ、そんなことか」
「あぁー? そんなことだとぉ?」
過去。
高校生時代の番重岳斗、忌まわしき事件の日。
イズクンゾがボロ雑巾にされて校舎から投げ飛ばされた。
「げほー!! な、なんだぁ!? こいつ暴れ回ってやがる! この時点で俺様より強いぃ! もう少し過去に行くか!」
中学生時代の番重岳人。
「ガキが、いきなりだが死ねぇ!!」
「やだ! なに! こわい!」
中学生岳人がイズクンゾを弾き飛ばす、技あり、突き出し一本だ。
「つ、強すぎるー! こいつマジで、ダメだ、次はーー」
失敗。
「次はーー」
失敗。
「まぁいいぜ、もう親を殺してやるぜ!」
「そこまでだ」
「あ!? な、なぜここに、ここは過去だぜ!?」
現代の番重岳人がいた、しかし別の時代の岳人だ。
「ん? いや過去が五月蝿いから来てみただけだが?」
「そんな隣の部屋がうるさいから注意しに来たみたいなノリで」
「分かってるじゃあないか、なんかよく知らんキモイ糸おばけめ喰らえ壁ドンパンチ」
「ギャッ!!」
消滅した。
「ふ、未来で何かあったな? ま、俺は、俺たちは、過去だけを守っていればいい、未来にも俺はいるのだから!」
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