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六章『ピクルス編』
第986話 0メートル
しおりを挟む「うおお!!」
俺は跳ねる、低く沢山跳ねる。左右に揺れたり、フェイントを交える。
「その体でよくそこまで鍛えたもんだぜ!」
「はぁ!!」
横からと見せかけて正面から斬りつける。
イズクンゾが大口を開けた。
「『悪魔の舌』」
イズクンゾの舌でバチンと弾かれる。そしてギャリギャリと地面を舐め削りながらカメレオンのように伸びる舌で俺を攻める。
「鞭のようだろ? 悪魔の舌ってのは饒舌熱鞭なぁ~んつってぎゃははー!」
「自分の! ネタで! 笑うな!」
1本の鞭にここまで苦戦するとは、それだけ速いし狙いも鋭いのだ。ちょこまか動くハンバーガーの俺を執拗に追いかけ回す。
「ちょろいな、二枚舌!」
「なっ!」
舌が2つに割れた!
「捕らえた」
「しまった! ぐ!」
「容易いなぁ、勇者くん。ま、仕方ないぜ。俺様はこうなるように頑張ってきたんだ、こうならねぇとならねぇ、なぁ?」
「離せ!」
「勇者の味はどんな味?」
「や、やめろ!」
「いただきまぁす」
ガジっ。
「ばっがああああ!!!」
痛い痛い痛い痛い!! アイナに噛まれた時の痛みを思い出す!!
「もぐもぐ、はっはっはっ、痛がるハンバーガーなんて珍しいぜ! ぎゃーはっはっはっ!! ……うっ!?」
「ぶえええええええ!!!!」
イズクンゾがゲロを吐いた。
「がっはぁ!!! げええええええ!!」
「イズクンゾ様!」
吐くのに必死で俺を離した、スカリーチェもその場に落ちた。
ど、どうしたと言うんだ。
よく分からないが隙は隙だ。俺はMAXソードの魔力を使って体を再構築する。
「まっずうううううううううううううううう!!!!!」
「はぁああああああ!!!??」
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