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六章『ピクルス編』
第943話 悪愛の魔女24
しおりを挟む「死角移動(キリングラン)」
あの巨体でも使えるのか。スカリーチェの背後に回り込む。しかし三又槍(トライデント)で離れた場所に瞬間移動(テレポート)する。
「無駄だ」
「クスクス」
ギアは左腕でスカリーチェを殴る。水中でもお構い無しだ。当たれば粉微塵になるだろう。
「な」
しかしスカリーチェはそれを漆黒の右手で受け止めた。
「まさか、目以外にもスキルがあるポメ!?」
「『苛烈平等の右腕』どんな力関係も等しく平等にするスキルっス」
「それも封じてやる」
ギアは今度は左手を握り光らせる。そしてそれに連動してスカリーチェの体も光る。
「ありゃりゃ、これも封じられちゃったっスね。あーあ、つまらないっスね」
「面白くする気もねぇ」
「でも、それじゃあそっちは両手が使えないじゃあないっスか」
「見抜いてやがったか」
なるほどスキルを無効にするためには一つにつき腕一本使わないといけないのか。たしかに両腕とも光り続けている。
「追い詰めてるつもりかも知れないっスけど、10年とちょっとではそれが限界っスよ」
「何勘違いしてやがる」
「え?」
「これから俺にぶち殺されるやつが何言ってるって言ってんだよ。ポラニア」
「ポメー!!」
ポラニアがまた髑髏ボタンの危なそうなボタンを押した。
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