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五章『チーズ編』
第806話 絶者ギア
しおりを挟むこれで俺の仕事は終わりか。
「ぎゃははーーっ!! もう終わったぞ! 瞬殺だ! 強いぞすごいぞ!」
俺がその場を立ち去ろうとすると、勇者パーティが掴みかかってきた。たしかジゼルとか言ったな。
「貴様! よくもバーガーを!」
「うるせぇな耳元で騒ぐんじゃねぇ」
この新調したキラーキラーキラー、通称ゴッドキラーは無敵だ。仕事の終わった今、俺は何をすることは無い。
「にゃはは……一撃で殺すにゃんて」
なんだよ、みんなしてそんな目で見やがって、またその目か。よくわかんねぇな。
「ギア!」
三騎士が立ち上がった。こいつは、クゥっつったか。こいつもクレームか?ここに長居するのは面倒くさそうだ。
「魔王をこのままにしていていいのか!? こいつはいずれ世界を滅ぼすぞ!」
「どうでもいい」
心底どうでもいい話題だ。世界なんてどうとでもなればいい。俺は仕事を終えて元の世界に戻るだけだ。知ったことではない。
「おいパロム。レイの洗脳を解除しろ。あと監視虫も取れ」
「くく、もちろんだとも」
パロムが翼を鳴らす。
「終わりか?」
「終わったよ。向こうに行って確認してきたらいい」
これで本当に終わった。早く帰って次の仕事しねぇとな。
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