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四章『トマト編』
第398話 モンスターパニック3
しおりを挟む聖騎士たちが魔法で迎撃しようとしている。
それはまずい! 俺は叫んだ。
「ニードルハックはクリスの魔法反射能力を持っている! 魔法は効かないぞ!」
聖騎士たちは慌てて詠唱を中断する。周りにも伝えてくれている。
「勇者様! しかしこのままでは!」
そう、このままでは押しつぶされてしまう。
オショーが俺の前を走りすぎる。遅れて風が吹く。
「私が戦いますぞ。他のものは本体から剥がれ落ちた魔物を仕留めて回ってくだされ!」
「はっ!!」
聖騎士たちが散開する。
オショーといえど、カマさんのスキルが使えないとなると戦いようがないんじゃ?
その間にもニードルハックが迫る。
オショーが人間離れした跳躍を見せる。背の高い木々よりもさらに高いジャンプだ。
たぶん足元に風を発生させて跳躍力を強化しているのだろう。マントがたなびいている。もしかしたら飛べるのかもしれない。
ニードルハックは右手を広げて俺たちを押し潰そうとする。
「勇者様! そのまま進んでくだされ!」
オショーの自信に満ちた言葉に、俺は魔法を使わないことを決める。
「アイナ! 全速力だ!」
「はい!」
俺はバンズのクラウン部分を動かしてオショーを見る。
オショーが雄叫びをあげた。
「うおおーーッ!!」
オショーの振り上げたカマさんがニードルハックの腕に激突する。
ニードルハックの手のひらの魔物が吹き飛ばされる。
その衝撃で元の位置に押し戻すことができた。かなりの力だ!
「やるにゃ! あのおじいちゃん」
「ああ、俺たちも負けてられないな」
「エリー降ってくる」
ジゼルの言う通り、吹き飛んだ魔物の一部は無傷のまま降ってくる。
「ジゼル!」
「君(グッド)に幸(スピード)あれ!」
ジゼルの持つ最高の全能力上昇魔法だ。かけられたエリノアが落ちた魔物たちに疾風のごとく襲いかかる。
「にゃあ!」
魔物たちが体勢を立て直す前に首を跳ねていく。
しかし周りにも次々に落ちてくる。
周囲の聖騎士たちが叫んだ。
「ここは我々にお任せを!」
聖騎士たちが道を阻む魔物を押し出していく。
「すまない! ジゼルとエリノアはここで彼らを援護してやってくれ!」
「オーライ!」
「残ったものは俺とアイナに続け!」
「おおーー!!」
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