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四章『トマト編』
第364話 怪物の眠る森13
しおりを挟む会議室には聖騎士大隊長のオショー、勇者の俺と相棒のアイナ、そしてこの任務の間だけ冒険者たちの リーダーを務めているフォーカードの計4名がいる。
口火を切ったのはオショーだ。
「では、怪物の眠る森の攻略会議を行います」
「はい!」
アイナは紙とペンを持っている。秘書係だ。
「先程、二度目となる伝令を出しました。この伝令が届けば半月ほどで援軍が来ると予想されますな」
フォーカードが質問した。
「その間はどうする?」
ここは俺たちの考えを言うべきだろう。
「あの棘の魔人、ニードルハックと言ったか、やつは魔人を捕食していた」
「それは私も見た」
「その前には魔物も食べていた。魔物や魔人は同族を捕食することでも力をつけるんだったよな?」
「その通りだ」
「単純計算でニードルハックは魔人二人分以上は強くなっていると見ていいだろう」
現実は魔力の吸収効率もあって、そう上手くはいかないらしいがな。
「この森で一体だけ強い個体が生まれた場合。そいつがこの森の魔物を食い荒らし瞬く間に成長。なんてこともあり得るだろう。俺たちに時間はほとんど残されていないのかもしれない」
それを聞いたオショーが唸った。
「むぅ。勇者様の言葉も頷けますな」
「だから俺は全軍で怪物の眠る森に突入して、手当たり次第に脅威の排除をしたいと思う」
「全軍とはそれはまた思い切りましたな。ここの警備はどうされるのです?」
「それはもう移動するしかない。怪物の眠る森は深い。だが食料となる魔物もいるし、森での生活に長けたアイナや、冒険者たちもいる。それにここにいるのは鍛え抜かれた聖騎士や冒険者たちだ。森で自給自足しながらの進撃は十分に可能だと思う」
それを聞いたフォーカードが顎に手を当てて呟く。
「それなら魔人たちの動向を探り、同時に伝説の剣を探せる」
「脅威の排除と、目的の達成。この2つが同時に行えるというわけですな」
「戦略について俺は素人だ。俺が勇者だからといって甘やかさないでくれ」
「いえ、時として大胆な行動力が要求されることもありますぞ。それには決断する勇気が必要です。勇者様は今それを我々に示したのですぞ。聖騎士側として賛成します」
「ああ、オショーさんの言う通りだ。こういう時こそ何より攻めの姿勢でいることが重要だ。冒険者側も勇者様の意見に賛成させてもらおう」
「よし! ならば全軍を持ってして怪物の眠る森を攻略するぞ!」
「おおー!!」
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