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CASE19 私と幼馴染みの異世界物語

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約束の時間に約束の場所

アゲハはもう待っていて、私もお父さん・お母さんと別れを告げてアゲハのもとに向かった。


大人数で学校の駐輪場にいたら目立つから

だから、家族は少し離れた場所から私たちの旅立ちを見守っている。


「おまたせ」


「空……時間ピッタリだね」


スマホで時間を確認していたアゲハ


私と同じでリュックにはたくさんの荷物。

久々にピアスをつけていて、ちょっと新鮮。


それから……目が赤い。



「アゲハ。目が赤いよ」


「空もだからね?」



私もまぁ……泣いたから。


私もアゲハも

日本が

家族が

嫌で行くんじゃない。


もちろん、ユートピアに戻るのも嫌じゃないけど、、、



人間って、大切な物が増えるほど、選ぶのが難しくなる。



そんな中、私はアゲハを選んだ。


私の物語は、アゲハがいないとダメなんだもん。




「そろそろ、時間だ」



16:59



私は持参したカッターでちょっとだけ指を切って

アゲハにカッターを手渡した。


アゲハも同じように指を切って



17:00



自分のカードに血を垂らした。




【ニンショウシマシタ ニジノ ソラ】



もう何回も聞いた機械音。


そういえばこの声、誰なんだろう?

本当に機械かな?



「へぇ……こんな感じなんだ」


再びユートピアに戻るのがはじめてのアゲハはそうつぶやいて

私の手を、強く握った。



周りが光はじめて

私たちは家族がいる方を向いて大きく手を振った。



大声を出したら、人に見られるかもしれない。

だから、無言のお別れ………。



「さようなら……」



私が小さく呟いたら光が眩しくなって


もう慣れたあの変な感覚があって………



意識を、手放した。








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