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CASE18 私の選択

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お父さんもお母さんも

私の選択に、驚きはしなかった。


ていうか想定の範囲内だったみたいで


畏まって言った私が馬鹿みたいなくらい………普通に受け入れた。



「……反対されると思ってた」


「だって、反対したって聞かないでしょ?私の娘だから」


お母さんの言葉が妙に納得………。


「早く伝えたほうがいいんじゃないか?アゲハくんと桃華ちゃんに」


お父さんに言われて部屋に戻って二人に【会って話がある】ってLINEして

リビングに戻ろうとして………中に入ることができなかった。


お母さんの泣き声とお父さんが慰める声。


二人とも、反対しなかったけど………反対できなかっただけなのかもしれないね。


ごめんね、お母さん。


だけど私………やっぱり気持ちは変わらない。



リビングに戻らず部屋に行って

スマホを見ると桃華からLINEの返事。



【いつでもおっけー!暇だし!!暇だし!!暇すぎてつらっ!!!】



桃華らしいLINEに笑って

アゲハからは返事がない。




返事が来たのは3日後で……“スマホを見ていなかった”がアゲハの言い訳だったけど

タイヨウくんから調子が良くないって聞いていたから、“見ていない”じゃなくて“見れない”が正しいんだと思う。


会う約束をしたのは、ユートピアから帰ってきてちょうど3週間後

アゲハの家でって事に決まった。





**********




約束の日


お父さん・お母さんも一緒に


思い出せないくらい久しぶりに、アゲハの家に上がった。



記憶にあるままの、お洒落な部屋。


ソファに深く座っているアゲハはだいぶやつれた。

たぶんもう……限界は近いと思う。


「……いらっしゃい。どうしたの、今日は。改まっちゃって」


「まぁ……報告を。桃華にも言いたかったからみんないる場がいいなぁと」



アゲハと向かい合う形で座った私はちょっと気まずい。


会話………みんな、ないんだもん。



だけどすぐに桃華がやってきて

桃華はアゲハを見てビックリしていた。




「ヤダ!アゲハくんどーしたのっ!?なんか、死……………しっ、シラナカッタヨー、ソンナカンジナンテ………」


親の前で“死”って言葉言ったよね?

最後すごいカタコトだったし、、、


苦笑いの桃華に対して

「死にそうに見えるかもしれないけど、大丈夫だよ」

って、、、サラリと言ったアゲハ。


桃華はすっごい謝ってるけど、桃華のおかげで私は気まずさはなくなった。



「で?空、どうしたの??」


桃華に促されて

周りの人を見渡した。


私の家族、アゲハの家族、そして桃華。


お父さん・お母さんは私を見て頷いて

『頑張れ』って、言われた気がした。




「あのね、二人に報告があるの」



少し、深呼吸をして


アゲハを真っ直ぐに見た。




「私、アゲハと一緒にユートピアに行く」



私が一緒にいたいのは、アゲハ。


だから、私も、一緒に行く。



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