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CASE16 世界が終わるまで
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しおりを挟む「ソラはアゲハに告白されたの?」
部屋に戻ったら開口一番にルーラに聞かれた……。
「え………えーっと、、、」
「そうだ」とも「違う」とも言いにくい直球ストレートな聞き方に困っていたら
「ギルバートさんが言ってたよ『ようやくアゲハが男になった』って。ギルバートさんはアゲハの事、女々しすぎて大丈夫かな?って思ってたってさ」
…………マジか。
なら絶対に今アゲハがいるところでも、同じ話題で盛り上がっているな。
「告白されて………返事はいらないと言われマシタ」
「うっそ!?やっぱり女々しいなぁアゲハは」
「返事がほしいと言われても………困りマス」
「そうなの?じゃあアゲハはソラ的にナシなんだ………かなり意外」
私がこの世界に来てからさ
こうやって誰かと恋バナする日が来るなんて………思いもしなかったよ。
それからしばらく、ルーラから質問攻めにあっていたけど
聞かれれば聞かれるほど、私は自分が分からなくなった。
アゲハは他の男とは違って特別なんだけど………それは幼馴染みだから……だと思っていたけど………
もし、アゲハに彼女がいたら嫌だっただろうな。とか
だけどアゲハと付き合う自分が想像できないな。とか
色々な事が頭を駆け巡ってどーしたものだか。
だけどまぁ、、明日が大事な日だっていうのに
日本にいる時みたいに同い年の女の子と恋バナして盛り上がる事ができたから
いい意味で、力は抜けたよ。
**********
翌朝、私とルーラが起きて居間に行ったら
幹部は全員、揃っていた。
ついでに………星将軍も。
昨日までとは違うピリッとした空気の中、全員の視線は地図に注がれていた。
「おー、おはよう、二人共」
レオンが私たちに気づいて声を掛けたら全員顔を上げた。
その全員の雰囲気に………なんとなく、緊張しちゃった。
「おはよう…………地図?」
「そう。救済者の皇帝の城。見てよ、複雑すぎでしょ?」
アゲハが指差した地図は確かに迷路みたい……
普通は城がこんな迷路みたいなはずないんだから、これはきっと魔法のせい。
「ヤバいね。部屋の場所とか覚えられない…」
「ね。しかもイブキたちが見た部屋がライトが知らないとかあるみたいで………これが創造って事なのかな?普通にムカつく」
昨日が嘘だったの?ってくらいアゲハは普通に私に話し掛けてきて
それもそれで、なんか複雑……。
あと、星将軍を名前で呼んだのは………だいぶ意外だったよ。
「ノアには最低二人で挑みたいな。連携が取れる二人で」
ギルバートさんは誰がいいか考えているんだけど、、結構重要な事がまだ未定だったんだね。。。
「俺とレオンは?」
アゲハに名指しされたレオンは嬉しそうだったけど、首を横に振った。
「俺はもう決まってるようなモンだろ?俺は花将軍をやる。魔法の系統からして適任は、俺」
「だな。少なくともアゲハは無理だ。私情挟みすぎて負ける。だから俺が破壊者の皇帝だな。色んなヤツの仇だし、魔法の系統とか考えたら俺一択」
レオンは花将軍
ゼロさんは破壊者の皇帝
「俺、アゲハ、ラン、ミオ、スーの中の二人が最低ラインだな」
ギルバートさんはずっと、難しい顔をして考えていたけど
「じゃあ、ライトも加勢するから俺とギルは必然的にノアじゃない?俺とギルなら大丈夫でしょ!」
アゲハが明るかったから、、なんとなく、ギルバートさんの顔から険しさは減っていった。
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