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CASE15 いつかまた、会えたら…

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それから、アゲハの部屋を訪ねたら寝ていなくって

ベッドに座ってボーッとしていた。



「……そろそろ寝ようよ」


私が声をかけたら驚いた様子だったから、部屋をノックした音も気づかなかったのかもね。


「うん。空も早く部屋に戻りな?」

「私……今日は一人は無理」


私も……何も感じていない訳じゃない。

アゲハを気にしたり、桃華を気にしたりして、、自分の気持ちに蓋をしていただけ。


私だって、辛い……。



アゲハには、そういう気持ちを隠さずに言える。

だけと、アゲハは今、私より辛い。



だから、甘えていいか分からないけど……。




何も言わないアゲハの方を見たら、起き上がってベッドを整えていた。


「今日は一緒にいよう。俺も今日は……一人はキツい」



傷の舐め合いかもしれないけど

アゲハと一緒にいれば落ち着ける気がしたんだ。



「エドガーからの手紙にさ、書いてあったんだ。俺は自分の命を軽く見すぎているって。親より先に死ぬんじゃないって、書いてあった」


アゲハがポツポツと語りだしたのは、エドガーの話。


「あと涼ってさ、空が好きだったんだね。ずっと………。涼は最後にそう呟いていた」


それから、涼くんの話。

涼くんの最後の言葉……アゲハは聞いていたんだね。


私に教えたのは……涼くんを思って……なのかな?



「二人がいなくなる未来は……見たくなかったな、、」

「私も……。昨日と変わらない明日は当たり前にやって来るって思っていたよ」



ベッドの中に潜り込んでも寝れる気はしなくって。

アゲハと話していても、会話は全部、二人の話。



「俺がみんなの下に戻ってきてから…本当に駄目な時が何度もあって……エドガーにはしょっちゅう甘えていたんだ、、、
俺が甘えてエドガーの事を“お父さん”って
呼んでも……他の人にはバラさないでいてくれた。エドガーは俺のもう一人のお父さんで……これから、誰に吐き出したらいいんだろうね、、感情を……」


それは、私も知らなかった話。

アゲハを支えていたのはエドガーで

アゲハは、精神的支柱を失った、、んだね。


「………私じゃアゲハの力になれない?」



聞いた瞬間、鼻を啜る音が聞こえた。


どれだけ泣いても、涙は枯れないんだね。



「じゅーぶん……力になってるよ。
だから空も、、無理しないで泣いていいよ?俺が、いるから……俺は空の支えになるよ」


アゲハも泣いてるはずなのに……。

私に『泣いていい』なんて言われたら……涙を我慢するのはできないよ。。。

声を殺して泣く私の事を、アゲハは何も言わず抱きしめてくれた……ーーーーー





私は……たぶんアゲハも寝れないまま朝を迎えて


私が起き上がったらアゲハも起き上がるってゆー、、なんか、変な状況になった。


「頭働かないねー………大丈夫かな、俺」


若干フラフラした足取りで先に出ていったアゲハ。

大丈夫……とは?


何かと大丈夫じゃない気がしてならないけど、、



私も身支度を整えてからリビングに向かったら幹部全員いた………けど

なんとなく、、どんよりした雰囲気だから全員寝てないのかもしれないね。


「俺より酷いよ、全員」

「……寝られねぇから酒飲んで寝るか~って思ったらより眠れなかった、、」


レオンが頭を抑えながら説明しているから……二日酔いかな?


「酒の飲み過ぎは身体に悪いって。エドガーに叱られるよ?」


アゲハの言葉に一瞬みんなは固まったけど


「だよなぁ、、気をつけねーとな!」


レオンは明るく、アゲハに応えていた。
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