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CASE14 私の記憶

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その後は、アゲハさんがテレパシーで連絡をしたみたいで

ゼロさんが一番に現れて、有無を言わさずにアイさんをどこかに連れて行った。


レオンさんとアゲハさんの会話から、ニャンさんという人の下へ連れて行ったみたい。


「アイはとりあえず置いといて……まずはソラの事だな」


「あまり置いておきすぎるのもニャン様たちに悪いから……いい加減どんな手を使ってでも口を割らせようか、、」


「おぉ……アゲハがいつになくこえーな、、」


「あんな風に言われたらね、さすがに俺も傷ついたから。まぁ前向きに言うなら俺=危険な存在になったなら……俺が脅せば話しそうじゃない?」



レオンさんとアゲハさん。

会話内にちょいちょい怖い事言ってるけど、、アゲハさんは終始ご機嫌な様子で、、アンバランスな感じ。



「とにかく今は空の記憶についてだね。簡単に返すって話じゃない気がするから……まぁでも何が何でも解決させよう!」


私が今までで見た中で一番元気だし嬉しそうな様子のアゲハさん。


それからすぐに、ギルバートさんとエドガーさんが来たんだけど

アゲハさんの説明を聞いてすぐ、ギルバートさんとアゲハさんが移動した。



「アゲハの移動できる範囲は全部我々に関わる場所ばかりだからね。破壊者に居場所がバレても構わない地にギルバートの力で移動したんだよ」


移動する魔法は色々と条件があるし

テレパシーにもリスクがある。


簡単に教えてもらったけど、つまり私は待つしかできなくて、、

ゼロさんが再びこの家に一人で戻ってきて

私を含めた四人で、ギルバートさんとアゲハさんの帰りを待った。



約一時間後、二人は急に目の前に現れたんだけど……

笑顔のアゲハさんとは対象的に、ギルバートさんは険しい顔をしていた。


「これじゃあいい結果か悪い結果か分かんねぇ……」


って、レオンさんがボソッと呟いていた。





**********




アゲハさんの話によると、私の記憶を返す条件はただ一つ。



“火炎将軍の首と引き換え”



………誰?って思ったけど聞ける雰囲気じゃないから私は黙ってみんなを見ていた。


「火炎将軍が今どこにいるか位は教えてくれるって。レジスタンス的にいい場所にいる時は教えてもくれるみたいだよ」


「随分と親切すぎる。狙いは何だ?」


「火炎将軍がいなくなった後の将軍の座。同士討ちはマズい上に涼は第一将軍の監視がまぁまぁ厳しいんだって。だから、俺たちがやれば自分にとって有利だってさ」


「ふーん……つまり、今のリョウは将軍になるだけの技量を持ってる、、と、思った方が良い訳だな」


「ここまでの話は俺もよく理解できたし、俺たちに有利な状況で戦える以上は負ける要素は無い。俺たち四人でやれば……と、思ったが、、、」


ギルバートさんが言葉を止めて、深くため息を吐いた。


ギルバートさんは続きを話さなかったけど、代わりにアゲハさんが手を挙げた。


「俺が、火炎将軍を討つ」


この言葉にギルバートさんを除く全員がざわついた。

もちろん、私も……。


だってアゲハさん、戦えないって言ってたから、、、



「やらなきゃ、俺が。俺がやりたい」


「いや、待て。お前はまだ無理だろ?気持ちだって整理ついてないだろうし、、」



レオンさんは止めたけど、アゲハさんは「俺がやる」の一点張り。


ゼロさんもエドガーさんも止めたけど、アゲハさんの意見は変わらない。



「帰ってきた時、ギルバートさんの顔が険しかった理由はコレですか?」


聞かずにはいられなくて聞いたら、短く「あぁ」って返事をしてくれた。


「アゲハは稀に言い出したら聞かない時がある。その殆どが誰かのためって時で……だから、今回も折れそうにない」


「でもアゲハさん、戦えないんじゃ……?」


「だから困っている。さっきも二人の時に武器を出させたが武器を持つ手が震えていた。今のままじゃ、必ず死ぬな」



サラリと物騒な発言をしていたけど、ギルバートさんはそこまで分かっていても止められないらしい。


説得している三人も次々に言い負かされたみたい。



「だから、レオンが俺に稽古をつけてよ。レオンは得意でしょ?俺のけいこの相手はいつもレオンだったんだから」


「……ま、確かにそうだな。俺が稽古をつけて………駄目だって判断したらお前も諦めろ」



レオンさんの提案が最大の譲歩。


アゲハさんはそれを了承して、それから私に笑顔を向けた。



「待っててね。必ず俺が、空の記憶を取り戻すからね!」

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