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CASE13 理想郷

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目が覚めたら、知らない場所。


ベッドの上で手足を固定されて、腕にはシンクロを無効化できるあの腕輪……。


ここから見える景色は、、アゲハが核を埋められた場所に似てる……。



視線を右に向けたらノア将軍の後ろ姿。

何かの機械を、動かしている…?


黙ってジッと後ろ姿を見ていたら、ノア将軍がこちらに振り向いた。

私を見てニコッと笑ったその顔が怖くて……視線を外すことができなかった。



怖い………今から、何が起きるの?


ここは、、どこ?


なんで、アゲハは来てないの!?


ネックレス、つけてるのに!!



そう思ってから首の違和感に気づいた。


………たぶん、ネックレス、つけてない。



きっと、気づいたんだ。


あのネックレスに、魔法が込められているって。



「目が覚めたか。こちらは少し時間が掛かりそうでな……なぁ、退屈だし話をしないか?」


「は、なし…?」


「そうだ。お前は協力者だし最後に気になる事はなんでも答えてやろう」



最後……って言った?




「私、を、……殺すの?」


自分から出てきた言葉は情けないくらい枯れた声。

でも……だって……



プッて吹き出す音がして、視線を向けたら笑いを堪えたノア将軍。


「表現の捉え方によっては殺す……かもしれないが、まぁ、命は獲らぬ」



じゃあ……アゲハみたいに新人類になるのかな?


アゲハも、きっと、、


すごく、怖かったんだろうね。



何をされるか分からない


逃げられないし、自分ではどうにもできない。



ノア将軍は近づいてきて、私のおでこに手を置いた。

すごく冷たい手……。


ただ手を置かれただけなのに、身体が跳ねるくらいビックリしたし怖かった。



「用があるのはここ……。お前の“記憶”」


「記憶……?」


「そうだ。新しい世界を創るにあたり、異世界の、、そちらの世界の情報が欲しい。それを貰うだけだ」



記憶?

私のいた世界?


新しい、、世界を創る??



「分からぬか?と言うか、疑問に思わなかったのか、お前は。この世界とお前がいた世界が微妙に似て、微妙に違うことを」


「………それは、思ったけど、、」


「ふふっ、異界人なら気づくよな。この世界の違和感。この世界“ユートピア”は、果たして誰のための“理想郷”なのか」



この世界の違和感


っていうか、今のノア将軍の言葉の違和感……―――――




なんで、ユートピア=理想郷って、ノア将軍は知っているの?


この世界の言葉に、英語はないのに……。




「お前は頭の回転が早いみたいだな。顔に書いてあるぞ、疑問がたくさん」


ノア将軍は手をどけて再び私の視界から消えた。

だけど、分かるよ。


すぐ傍に、いる。







「この世界の全てを教えてやろう。



この世界、ユートピアは



私が創った、私のための理想郷。


この世界における創造主はこの私、ノアなのだよ」

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