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CASE12 異世界からの来訪者

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「今日ってさぁ、アゲハが前々からギルに仕事頼まれていた日だよな?」


朝ご飯の時、みんなの前でレオンがアゲハに聞いた。


レオンもアゲハの様子は気にしていたけど、調子良さそうな様子にホッとしていて、

だから、改めて聞いたんだと思う。


アゲハはいつもより朝ご飯は食べていないけど、手を止めて私達を見回した。



「そう、なんだよね。。だから家を開けるけど……大丈夫かな?」



アゲハが気にしているのは、アイさんだと思う。


アイさんはアゲハをしばらく見てからニッコリ笑った。


「大丈夫でしょ?子供じゃないんだし。私は行かないよ」



って……だいぶ意外な感じであっさりと残るって言ったなぁ。


意外って思うのは私だけじゃなくて、レオンもエドガーもみたい。

ご飯食べる手が、止まっているもん。



「まー、俺は今日店開けるし?エドガーも夜には来るんだろうから、こっちは問題ない」


エドガー、やっぱり今日も来るんだね。

そりゃそうだよね。


アゲハが心配だし……私も今日もアゲハの部屋で寝るかなぁ?ってぼんやりと考えていた。



朝ご飯を食べ終わってからアゲハとエドガーと私でコーヒーを飲みながら話していたんだけど

ちょっとだけ、アイさんの視線を感じたから……嫌な予感しかない。





それから、エドガーとアゲハが一緒にいなくなって

家がいきなり静かになった気がした。


「俺は仕事すっからソラ手伝ってくんない?」


レオンに呼ばれて私はお店に行って


なんだかんだ忙しくなってお昼過ぎまでお店を開け続けた。



「今日の忙しさはちょっと辛い」


「だな!最近はアゲハに任せっきりだったから俺もなんか疲れた…」



二人で話をしながらリビングに戻ったらアイさんはぼんやりと座ってて

お昼ご飯は……うん、やっぱり準備されてはいなかった。



「昼飯くらい用意してくれよ……」


レオンは不満を口にしたけど、アイさんは無表情でレオンを見て


「私、包丁使えないから無理」


って、当たり前のように言い放った。



明らかにレオンは疲れていて苛立った様子だったから、私がお昼の用意にすぐに取り掛かったけど

隣にレオンが来てやっぱり一緒に手伝ってくれた。


「なぁ、アイって今までずっと、あぁななのか?」

「うん、まぁ……あんな感じ」

「………なるほど。アゲハが音を上げる理由がよく分かった。今日がアイツの気分転換になればいいな」



アゲハはレオンに相談していたんだね。


偶然かもしれないけど、今日ギルバートさんに呼ばれててよかったね。


話しながらお茶の準備に取り掛かったんだけど……


「あ、しまった。お茶のストックなかった」


今まですっかり気が付かなかったけど、お茶がもうないじゃん。

棚をガサガサ漁ったけどストックは見当たらない。


「私、お昼ご飯食べたら買いに行くよ」

「あぁ、悪いな。ついでに他の買い物も頼めるか?」

「もちろん。メモ書いてね」


テーブルお皿を置いた時、アイさんと目があった。



「買い物なら、私行くよ」


アイさんが?

自ら家を出たがったのも意外だし、協力的なのも意外。



「でも、アイさんお店分からないだろうから、私が行くよ」


お店だけじゃなくて、お金や文字も分からないはず。


だけど、なぜかアイさんは首を横に振って譲らない。



「私だって外知りたいし!だから、買い物がちょうどいいんじゃない?」


そう言われると、そうだから……


「じゃあ、私と一緒にでいいかな?お店とかお金の価値とか教えられるいいタイミングだし」


「うん!!よろしくね?」



笑顔で言われて一緒に買い物に行く事になったけど、、、


なんだろう、ものすごく、不安だ。。。 
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