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CASE12 異世界からの来訪者
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悲鳴がした方に向かうと、異界人がいて破壊者が追いかけていたって町の人が教えてくれた。
悲鳴が上がる方に向かえば走っている女の人と、追いかける男の人三人……。
どう見ても、女の人が危険……!
私がそう感じて動くよりも早く、レオンとアゲハが動いた。
二人は女の人と男の人たちの間に立って
男の人たちに武器を向けた。
「ニイサンたち。女の子追い回すとはいただけないねぇ」
レオンは笑いながら男の人たちに向かって武器を向けたまま歩いて
「大丈夫?怪我してない?」
アゲハは自分の後ろにいる女の人に声をかけて
女の人は驚いた顔をして頷いていた。
そして、レオンとアゲハであっさりと男の人たちを追い払ったんだけど……
アゲハが『自分は戦えない』って言った通り、動きは悪いし手がずっと震えていて………レオンが一人で追い払った、って言ってもおかしくない感じだった。
そんな状況が一番辛そうだったアゲハはレオンに小さく「ごめん」って謝ってからすぐに女の人に向き合った。
「君は、どうしてここにいるの?」
女の人は目をパチパチさせてから、アゲハの耳を指差した。
「日本人……?」
アゲハは付け耳をしていないから、すぐに気づいたんだろうね。
この世界で丸い耳は異質だから……。
「そう。俺は井黒アゲハ。君は?」
「私は………村井アイ」
名字があって、名前がある。
私たちと同じ
異世界からの来訪者だ……―――――。
**********
エドガーの家に全員で移動して、みんなで自己紹介をしてからアイさんから話を聞いた。
アイさんは東京在住の大学生で20歳なんだって。
『変な声がしたらこの世界にいた』
『気づいたら知らない人に追い回されていた』
『カードは持っているけど、都市伝説は知らない』
って言ってて、この世界へ来た方法は私たちとは違うみたい。
「で、目が覚めたらまずどこだった?どうしてあの町にいたの?」
アイさんはなぜかこのテの質問には一切答えようとしなくって
ギルバートさんやアゲハは困っていた。
「彼女、どうする?ウチで預かろうか?」
話が今はできないって判断したエドガーが、エドガーの家で預かる事を提案したらアイさんは勢いよく立ち上がった。
「ぜっっったいに嫌!!知らない世界で知らない人と暮らすなんて無理!!!私、アゲハさんと一緒がいい!!!」
「え?……俺?」
名前を出されたアゲハも、他のみんなも
まさかアゲハが名指しされるとは思わなくてビックリしていた。
「だって!アゲハさんが私を助けてくれたし!!同じ世界の人だし、強いし……知らない場所で心細いから、せめて同じ世界の人といたい……」
目をウルッとしながら訴えるアイさん。
私はこの世界に一人で来た訳じゃないから、アイさんみたいな心細さとか分からない。
もしも……を、考えると、、やっぱり少しでも信頼できる人といたいって、なる……かもね。
「アイさんの気持ちは、俺も一人でこの世界に来た身だから分かる。けど、俺のところは必然的にレオンと空が一緒だよ?それでいい?」
「えっと………うん!もちろんだよ!」
一瞬、
アイさんが私を見たんだ、、、
若干、怖い顔をしていた。
ちょっと、嫌な予感がした。
今日から、私とレオンとアゲハの暮らしに
アイさんが加わった。
悲鳴が上がる方に向かえば走っている女の人と、追いかける男の人三人……。
どう見ても、女の人が危険……!
私がそう感じて動くよりも早く、レオンとアゲハが動いた。
二人は女の人と男の人たちの間に立って
男の人たちに武器を向けた。
「ニイサンたち。女の子追い回すとはいただけないねぇ」
レオンは笑いながら男の人たちに向かって武器を向けたまま歩いて
「大丈夫?怪我してない?」
アゲハは自分の後ろにいる女の人に声をかけて
女の人は驚いた顔をして頷いていた。
そして、レオンとアゲハであっさりと男の人たちを追い払ったんだけど……
アゲハが『自分は戦えない』って言った通り、動きは悪いし手がずっと震えていて………レオンが一人で追い払った、って言ってもおかしくない感じだった。
そんな状況が一番辛そうだったアゲハはレオンに小さく「ごめん」って謝ってからすぐに女の人に向き合った。
「君は、どうしてここにいるの?」
女の人は目をパチパチさせてから、アゲハの耳を指差した。
「日本人……?」
アゲハは付け耳をしていないから、すぐに気づいたんだろうね。
この世界で丸い耳は異質だから……。
「そう。俺は井黒アゲハ。君は?」
「私は………村井アイ」
名字があって、名前がある。
私たちと同じ
異世界からの来訪者だ……―――――。
**********
エドガーの家に全員で移動して、みんなで自己紹介をしてからアイさんから話を聞いた。
アイさんは東京在住の大学生で20歳なんだって。
『変な声がしたらこの世界にいた』
『気づいたら知らない人に追い回されていた』
『カードは持っているけど、都市伝説は知らない』
って言ってて、この世界へ来た方法は私たちとは違うみたい。
「で、目が覚めたらまずどこだった?どうしてあの町にいたの?」
アイさんはなぜかこのテの質問には一切答えようとしなくって
ギルバートさんやアゲハは困っていた。
「彼女、どうする?ウチで預かろうか?」
話が今はできないって判断したエドガーが、エドガーの家で預かる事を提案したらアイさんは勢いよく立ち上がった。
「ぜっっったいに嫌!!知らない世界で知らない人と暮らすなんて無理!!!私、アゲハさんと一緒がいい!!!」
「え?……俺?」
名前を出されたアゲハも、他のみんなも
まさかアゲハが名指しされるとは思わなくてビックリしていた。
「だって!アゲハさんが私を助けてくれたし!!同じ世界の人だし、強いし……知らない場所で心細いから、せめて同じ世界の人といたい……」
目をウルッとしながら訴えるアイさん。
私はこの世界に一人で来た訳じゃないから、アイさんみたいな心細さとか分からない。
もしも……を、考えると、、やっぱり少しでも信頼できる人といたいって、なる……かもね。
「アイさんの気持ちは、俺も一人でこの世界に来た身だから分かる。けど、俺のところは必然的にレオンと空が一緒だよ?それでいい?」
「えっと………うん!もちろんだよ!」
一瞬、
アイさんが私を見たんだ、、、
若干、怖い顔をしていた。
ちょっと、嫌な予感がした。
今日から、私とレオンとアゲハの暮らしに
アイさんが加わった。
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