252 / 342
CASE11 心の中
35
しおりを挟む
結局、私がアゲハと一緒に寝ることを
アゲハ自身は拒否しなかった。
アゲハの胸の辺りに私の顔があるんだけど、心臓の音が、よく聞こえるの。
心臓のある位置は核がある位置とほぼ同じ。
そっと手を添えたら「どうしたの?」って聞かれちゃった。
「前はかなり腫れて痛々しかったけど……今はもう、痛くはない?」
「今?うん、治りは人より早いみたいだからね。もうすっかりいいよ」
アゲハはそう言ったけど、包帯がまだ取れないのは知ってるよ。
「過程は置いておいて……結果だけ見ると…だけどね、、核があってアゲハが普通の生活を送れるなら、、、私は今のアゲハがいいなって思う」
「……確かにね。過程と人間じゃないのが大問題だけど」
「アゲハが何者でも…私は構わないんだけどね。アゲハの心臓のために働いてくれて、ありがとう」
そう言って服の上から核を撫でたら、アゲハが代わりに私の背中を撫ではじめた。
「空とエドガーだけだよ。コレに“ありがとう”なんて言う人は」
「そう?だって頑張ってくれてるから……ってかヤバイ。背中を撫でられると眠くなる」
アゲハが眠れない時とか辛そうな時。
あんまり意識しないで背中を撫でるというか擦っていたけど
これやばい。マジで眠いときにされると眠くなる。
「寝なよ、もう夜中」
「アゲハが寝るまで起きていたい……」
「俺もすぐ寝るよ。眠いから」
って、言葉と声があってないけどね。
声的には全く眠くなさそうだよ。
だけど、結局私が先に寝て
目が覚めたのはボソボソ話す話し声が聞こえてきたから。
ぼんやりと覚醒すると隣にいたアゲハは上体を起こしてて片手で私の頭を撫でていた。
少し明るくなった感じだから……朝だね。
「まぁ寝てないけど…昼寝するから大丈夫」
「やっぱり寝てねーのかよ……ったく、だったら部屋から出てこいよ」
「だって…空が寝てたから起こしちゃうし………それに、昨日は精神的に参っていたから一人でいた方が気楽だったし……」
「で、今日は?」
「今は平気……だけど、」
「寝て悪い夢見たら駄目になりそうだ……って所か?」
「さすがレオン。俺のことを理解しすぎてて怖いくらいだよ」
「お褒めにあずかり光栄だな。ってかどうせ寝てない理由もそれだろ?」
声で分かったけど、相手はレオン。
アゲハと寝る寝ないの話をずっとしているけど、アゲハは寝ないんじゃなくて寝るのが怖い。
分からない訳じゃないけど……なんでアゲハってすぐに一人で抱えこむんだろうね。
どうせなら、相談してほしかったなぁ、、、
「悪い夢見て魘されたなら俺が起こしてやるって。だから少し寝ろ。朝メシまであと1時間はある」
「……分かった。少し横になるよ」
今からアゲハが寝ようとしてて
もし、私が起きているって分かったらアゲハは寝ようとしないはず。
だから、寝たフリをしてやり過ごそうとしたら
「ソラ、いつからいるんだ?」
話題が私になった。
「夜中に来たよ。エドガーより早くね」
……エドガーも来たのか、、気づかなかったよ。
「ソラとお前って…付き合ってるのか?」
って、真面目なトーンで聞くからさ、私、、目が覚めちゃったよ、、、
「………そんな訳ないじゃん。俺って元は今にも死にそうな人で、今は人ですらない。健康な人間の空と俺じゃ、なにかと無理があるよ」
アゲハは自虐的に否定したけどさ
もし、アゲハが健康で普通の男の子だったら………
私とアゲハは今とは違った関係なのかな?
「アゲハが人かどうかは置いておいて……ソラはアゲハが好きなんじゃねーの?好きでもないヤツの部屋でこんなグースカ寝れねぇだろ、普通。身の危険とか考えるわ」
「それは……空と俺は小さい頃からの付き合いだからさ。俺が空に手を出すとか考えすらしないって」
「お前……普通、、女と男が同じベッドで寝ていたら……ムラッとしないの?ムラッと」
「俺はそういう目で空を見ないから。起きたとき俺が空の顔見れなくなるような事言わないでよ……」
黙って聞いていたけどさ
もう偉いこっちゃって感じだよ。
アゲハがね、私の事を女としては見ていないのは分かっているよ。
アゲハを見ていたら分かるもん。
……だけどちょっとだけ、、胸が痛くなったんだよ。
私はアゲハの特別にはなれない。
じゃあ、私の特別な人は……―――――?
アゲハ自身は拒否しなかった。
アゲハの胸の辺りに私の顔があるんだけど、心臓の音が、よく聞こえるの。
心臓のある位置は核がある位置とほぼ同じ。
そっと手を添えたら「どうしたの?」って聞かれちゃった。
「前はかなり腫れて痛々しかったけど……今はもう、痛くはない?」
「今?うん、治りは人より早いみたいだからね。もうすっかりいいよ」
アゲハはそう言ったけど、包帯がまだ取れないのは知ってるよ。
「過程は置いておいて……結果だけ見ると…だけどね、、核があってアゲハが普通の生活を送れるなら、、、私は今のアゲハがいいなって思う」
「……確かにね。過程と人間じゃないのが大問題だけど」
「アゲハが何者でも…私は構わないんだけどね。アゲハの心臓のために働いてくれて、ありがとう」
そう言って服の上から核を撫でたら、アゲハが代わりに私の背中を撫ではじめた。
「空とエドガーだけだよ。コレに“ありがとう”なんて言う人は」
「そう?だって頑張ってくれてるから……ってかヤバイ。背中を撫でられると眠くなる」
アゲハが眠れない時とか辛そうな時。
あんまり意識しないで背中を撫でるというか擦っていたけど
これやばい。マジで眠いときにされると眠くなる。
「寝なよ、もう夜中」
「アゲハが寝るまで起きていたい……」
「俺もすぐ寝るよ。眠いから」
って、言葉と声があってないけどね。
声的には全く眠くなさそうだよ。
だけど、結局私が先に寝て
目が覚めたのはボソボソ話す話し声が聞こえてきたから。
ぼんやりと覚醒すると隣にいたアゲハは上体を起こしてて片手で私の頭を撫でていた。
少し明るくなった感じだから……朝だね。
「まぁ寝てないけど…昼寝するから大丈夫」
「やっぱり寝てねーのかよ……ったく、だったら部屋から出てこいよ」
「だって…空が寝てたから起こしちゃうし………それに、昨日は精神的に参っていたから一人でいた方が気楽だったし……」
「で、今日は?」
「今は平気……だけど、」
「寝て悪い夢見たら駄目になりそうだ……って所か?」
「さすがレオン。俺のことを理解しすぎてて怖いくらいだよ」
「お褒めにあずかり光栄だな。ってかどうせ寝てない理由もそれだろ?」
声で分かったけど、相手はレオン。
アゲハと寝る寝ないの話をずっとしているけど、アゲハは寝ないんじゃなくて寝るのが怖い。
分からない訳じゃないけど……なんでアゲハってすぐに一人で抱えこむんだろうね。
どうせなら、相談してほしかったなぁ、、、
「悪い夢見て魘されたなら俺が起こしてやるって。だから少し寝ろ。朝メシまであと1時間はある」
「……分かった。少し横になるよ」
今からアゲハが寝ようとしてて
もし、私が起きているって分かったらアゲハは寝ようとしないはず。
だから、寝たフリをしてやり過ごそうとしたら
「ソラ、いつからいるんだ?」
話題が私になった。
「夜中に来たよ。エドガーより早くね」
……エドガーも来たのか、、気づかなかったよ。
「ソラとお前って…付き合ってるのか?」
って、真面目なトーンで聞くからさ、私、、目が覚めちゃったよ、、、
「………そんな訳ないじゃん。俺って元は今にも死にそうな人で、今は人ですらない。健康な人間の空と俺じゃ、なにかと無理があるよ」
アゲハは自虐的に否定したけどさ
もし、アゲハが健康で普通の男の子だったら………
私とアゲハは今とは違った関係なのかな?
「アゲハが人かどうかは置いておいて……ソラはアゲハが好きなんじゃねーの?好きでもないヤツの部屋でこんなグースカ寝れねぇだろ、普通。身の危険とか考えるわ」
「それは……空と俺は小さい頃からの付き合いだからさ。俺が空に手を出すとか考えすらしないって」
「お前……普通、、女と男が同じベッドで寝ていたら……ムラッとしないの?ムラッと」
「俺はそういう目で空を見ないから。起きたとき俺が空の顔見れなくなるような事言わないでよ……」
黙って聞いていたけどさ
もう偉いこっちゃって感じだよ。
アゲハがね、私の事を女としては見ていないのは分かっているよ。
アゲハを見ていたら分かるもん。
……だけどちょっとだけ、、胸が痛くなったんだよ。
私はアゲハの特別にはなれない。
じゃあ、私の特別な人は……―――――?
0
お気に入りに追加
21
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
愚かな父にサヨナラと《完結》
アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」
父の言葉は最後の一線を越えてしまった。
その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・
悲劇の本当の始まりはもっと昔から。
言えることはただひとつ
私の幸せに貴方はいりません
✈他社にも同時公開
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました
結城芙由奈
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】
私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。
2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます
*「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
※2023年8月 書籍化
《勘違い》で婚約破棄された令嬢は失意のうちに自殺しました。
友坂 悠
ファンタジー
「婚約を考え直そう」
貴族院の卒業パーティーの会場で、婚約者フリードよりそう告げられたエルザ。
「それは、婚約を破棄されるとそういうことなのでしょうか?」
耳を疑いそう聞き返すも、
「君も、その方が良いのだろう?」
苦虫を噛み潰すように、そう吐き出すフリードに。
全てに絶望し、失意のうちに自死を選ぶエルザ。
絶景と評判の観光地でありながら、自殺の名所としても知られる断崖絶壁から飛び降りた彼女。
だったのですが。
大好きだったあなたはもう、嫌悪と恐怖の対象でしかありません。
ふまさ
恋愛
「──お前のこと、本当はずっと嫌いだったよ」
「……ジャスパー?」
「いっつもいっつも。金魚の糞みたいにおれの後をついてきてさ。鬱陶しいったらなかった。お前が公爵令嬢じゃなかったら、おれが嫡男だったら、絶対に相手になんかしなかった」
マリーの目が絶望に見開かれる。ジャスパーとは小さな頃からの付き合いだったが、いつだってジャスパーは優しかった。なのに。
「楽な暮らしができるから、仕方なく優しくしてやってただけなのに。余計なことしやがって。おれの不貞行為をお前が親に言い付けでもしたら、どうなるか。ったく」
続けて吐かれた科白に、マリーは愕然とした。
「こうなった以上、殺すしかないじゃないか。面倒かけさせやがって」
虐げられた令嬢、ペネロペの場合
キムラましゅろう
ファンタジー
ペネロペは世に言う虐げられた令嬢だ。
幼い頃に母を亡くし、突然やってきた継母とその後生まれた異母妹にこき使われる毎日。
父は無関心。洋服は使用人と同じくお仕着せしか持っていない。
まぁ元々婚約者はいないから異母妹に横取りされる事はないけれど。
可哀想なペネロペ。でもきっといつか、彼女にもここから救い出してくれる運命の王子様が……なんて現れるわけないし、現れなくてもいいとペネロペは思っていた。何故なら彼女はちっとも困っていなかったから。
1話完結のショートショートです。
虐げられた令嬢達も裏でちゃっかり仕返しをしていて欲しい……
という願望から生まれたお話です。
ゆるゆる設定なのでゆるゆるとお読みいただければ幸いです。
R15は念のため。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる