233 / 342
CASE11 心の中
16
しおりを挟む**********
それから、1週間後
アゲハの心に入るって話はヒズィの町でやるって事になった。
アゲハは明らかに寝れなくなったし、元気がなくなってきたけど気持ちは変わらないまま。
当日、ゼロさんが私たちを迎えに来た 時にゼロさんが何度目かの確認をしたけど気持ちは変わっていなくって……。
私たちがヒズィの町に着いた時に迎えに来ていたレジスタンスの全員からも「無理しないでいい」って言われてて、全員に丁寧に「大丈夫だから」って説明していた。
アゲハの心に入るって行為は人が増えれば増えるほどアゲハに負担がかかる。
アゲハは「何人でもいい」って言っていたけど、ギルバートさんとヒズィの町のボスのお付きの人とで人は厳選していた。
アゲハの負担が未知数だけど、良くない予感しかないって二人の意見が一致したからで、、、
ボスのお付きの人も“時の魔法使い”だからさすがに危険性は分かったらしい。
で、結局
レジスタンスからは幹部の四人とランさんと私の六人
ヒズィの町からはボスとお付きの人二人
「こんなに多くて……大丈夫かなぁ、、、私は行かないでいいよ?」
私が断ったら、ギルバートさんは首を横に振った。
「空は俺が希望したんだよ。空が嫌でなければ……だけどね」
アゲハの希望……。
私には隠し事はしたくないって意味なのかな?
ギルバートさんの指示で、アゲハはボスの家のベットに寝かされた。
ギルバートさんの説明だと、長い時間心に入る事になるらしくて
恐らくアゲハも私たちも気を失った状態で倒れるだろうって。
だからアゲハはベットに寝かされて、私たちはアゲハの傍で手を繋いだ状態になった。
心の中に入る人は、術者であるギルバートさんと何かしら繋がっていないといけないらしいから手を繋いだんだけど……
心の中に入りさえすれば、気を失っている間は手が離れても大丈夫なんだって。
「じゃあ……いくぞ」
「……うん、お願いします」
ギルバートさんの手が光って、アゲハのおでこに触れた。
見覚えがある……ニャンさんがアゲハの心の中を見た時と同じ……。
そう思った瞬間、
身体が引っ張られるような感覚がして思わず目を強く瞑った………。
目を開けたら……
水の中みたいな、フワフワした感覚とキラキラした空間。
一面真っ青で………水の中っていうよりも青空に近いのかな?
「これが……心の中?」
見渡すとアゲハの心に入る人しかいなくって
みんな、この光景を不思議そうに眺めていた。
「ここはまだ心の入り口だ。……しかし、驚いたな…」
ギルバートさんが一番驚いているのはちょっと意外。
「昔、人の心に入った事があったが……入り口はその人物を表す………こんなに綺麗な入り口は見たことがない」
そう言ったのはボスのお付きの時の魔法使いの人。
アゲハはまさに“心が綺麗な人”ってワケか、、、
ただね、気になるのは足元。
足元は立てるけどまるで氷の上にいるみたいで。
その足元の真下が水みたいになんだけど……透明でキラキラしたのは上の方だけ。
下は真っ黒で波打っているみたいな感じにゆらゆら動いている。
あれが、、負の感情……なのかな?
0
お気に入りに追加
21
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
選ばれたのは美人の親友
杉本凪咲
恋愛
侯爵令息ルドガーの妻となったエルは、良き妻になろうと奮闘していた。しかし突然にルドガーはエルに離婚を宣言し、あろうことかエルの親友であるレベッカと関係を持った。悔しさと怒りで泣き叫ぶエルだが、最後には離婚を決意して縁を切る。程なくして、そんな彼女に新しい縁談が舞い込んできたが、縁を切ったはずのレベッカが現れる。
記憶がないので離縁します。今更謝られても困りますからね。
せいめ
恋愛
メイドにいじめられ、頭をぶつけた私は、前世の記憶を思い出す。前世では兄2人と取っ組み合いの喧嘩をするくらい気の強かった私が、メイドにいじめられているなんて…。どれ、やり返してやるか!まずは邸の使用人を教育しよう。その後は、顔も知らない旦那様と離婚して、平民として自由に生きていこう。
頭をぶつけて現世記憶を失ったけど、前世の記憶で逞しく生きて行く、侯爵夫人のお話。
ご都合主義です。誤字脱字お許しください。
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました
結城芙由奈
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】
私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。
2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます
*「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
※2023年8月 書籍化
旦那様、前世の記憶を取り戻したので離縁させて頂きます
結城芙由奈
恋愛
【前世の記憶が戻ったので、貴方はもう用済みです】
ある日突然私は前世の記憶を取り戻し、今自分が置かれている結婚生活がとても理不尽な事に気が付いた。こんな夫ならもういらない。前世の知識を活用すれば、この世界でもきっと女1人で生きていけるはず。そして私はクズ夫に離婚届を突きつけた―。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる